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神奈川大学 新技術説明会

日時:2017年12月05日(火) 13:25~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、神奈川大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 環境

1)疎水性物質の膜分離システム

神奈川大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 井川 学

新技術の概要

膜材料としてテフロンを主に用いた疎水性物質の濃縮・除去を行う新しい拡散透析プロセスを提案する。駆動力としては濃度勾配を用いるが、加圧等、他のエネルギーを用いることも可能であり、膜材料にテフロンを用いるなら膜の長期使用が可能である。

従来技術・競合技術との比較

疎水性物質は生体にとって有害なものが多く、その除去には活性炭が広く用いられている。しかし、活性炭の吸着量には限度があり、一定期間使用後には廃棄するか加熱による再生処理を必要とするので連続使用はできない。

新技術の特徴

・疎水性物質が選択的に膜内を移動し、親水性物質の膜内移動は抑制される。
・膜素材の劣化が起こりにくく、長期使用が可能である。

想定される用途

・活性炭に代えて、水に溶けた疎水性物質の系からの除去と濃縮。
・疎水性物質と親水性物質の分離。

  • デバイス・装置

2)近紫外光をカットしつつ発電する透明窓材料

神奈川大学 大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 准教授 松木 伸行

新技術の概要

オフィス・工場・住宅の窓ガラスと通して室内に導入される光には近紫外光UV-Aが含まれており、これが肌の老化や内装・塗装の劣化を引き起こしていた。本技術は、有害なUV光をカットするのみならず、発電に寄与させることができる。家庭・オフィス・工場、電子掲示板、自動車、ビニールハウスなどへの補助電源として応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来、アモルファスシリコン太陽電池や色素増感太陽電池などをストライプ状に加工し、一部光が透過するようにしたデバイスは存在したが、可視光を80%以上透過する透明性は確保されていなかった。また酸化物による薄膜透明太陽電池の作製も行われているが、酸化物p-n接合の性質上、実用化に近い特性が得られていなかった。

新技術の特徴

・紫外光をカットし、かつ発電する機能を有する。
・可視光(400 nm~800 nm)を80%以上透過する。
・無機薄膜上へのスピンコート塗布法で、低温で簡便に作製することができる。

想定される用途

・住宅/オフィスビル/工場のUVカット発電窓および温室・ビニールハウスの透明発電窓
・自動車/電車のUVカット発電窓
・電子掲示板/腕時計/携帯端末/ウェアラブルスマート機器の透明カバー補助電源

関連情報

・外国出願特許あり

  • 製造技術

3)三相乳化法-界面活性剤を使わず油脂を乳化する乳化技術

神奈川大学 三相乳化プロジェクト 特別招聘教授 田嶋 和夫

新技術の概要

三相乳化法は柔らかい親水性ナノ粒子を油水界面にファンデルワールス力で付着固定させ、油滴を水中で安定化させる乳化方法である。ナノ粒子は乳化する内相油や外水相に不溶な物質を使用し、8 nm-400 nmサイズである。この乳化方法は油種を問わずに乳化を可能にする。

従来技術・競合技術との比較

本技術で調製した乳化物の主な物性の相違点は耐酸耐塩性、エマルション混合、濃縮、希釈、エマルション滴分離など界面活性剤型エマルションにはない多くの点がある。さらに、W/O型やW/O/W型の調製も可能である。ナノ粒子によって内相油に添加した溶質の外水相への溶出制御も可能である。

新技術の特徴

・炭化水素型、炭化フッ素型、シリコン型の油剤を乳化可能である。
・乳化粒子は独立相で、油水界面に不可逆的に固定される。
・内相油には液油以外に、固液転移をする油剤でも乳化が可能である。

想定される用途

・鉱油、廃食油、廃油等によるエマルション燃料
・医薬品、香粧品、忌避剤、殺虫剤、防黴剤などに使用される機能性油剤の乳化
・飲料、ドレッシング等の食品、健食等の乳化・発泡

関連情報

・サンプルあり

  • 計測

4)音振動を伝えない筐体・システム設計手法

神奈川大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授 山崎 徹

新技術の概要

実際にシステムが稼動しているときの筐体の振動を複数点で同時に計測することにより、筐体部での振動の伝わり方、音に変換する箇所をつぶさに把握できます。また、振動の伝わり方から、伝えたくないところには伝えず、伝えてよいところに伝える、対策指針も得られます。また、設計初期段階から振動の伝わりを考えた技術にもつながります。

従来技術・競合技術との比較

従来、初期設計段階での音振動対策は難しく、最終チューニング段階で行っています。これに対し、本技術を活用することにより、最終チューニングの効果的な対応、初期設計の段階で他の性能と音振性能を両立する設計が可能となります。

新技術の特徴

・既存システムの問題となる音振動対策を短期間で効果的に実施可能
・迅速に起振源、騒音源の特定が可能
・音振動性能を含む筐体の要求性能を、手戻りなく短期間で設計可能

想定される用途

・自動車、航空機、などの移動体の車室内騒音低減設計
・電気製品、工作機械などから発生する音振動低減設計
・IoTにおける設備の故障、故障箇所の予知

  • 材料

5)可逆的架橋が可能な有機・無機ハイブリッド高分子材料

神奈川大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 亀山 敦

新技術の概要

側鎖にかご状シルセスキオキサン(POSS)を有するポリマーは、高い熱安定性、透明性を有する。このポリマーのTHF溶液にテトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)を添加すると、POSSの動的組換え反応により架橋した有機・無機ハイブリッド高分子が得られる。この生成物に、TBAFと解架橋剤を作用させると、溶媒可溶な有機・無機ハイブリッド高分子が得られる。

従来技術・競合技術との比較

本研究では、1-3nmサイズのかご状POSSが有機高分子の側鎖に共有結合で結合されているので、無機成分であるPOSSがナノスケールで分散した構造を有するハイブリッド高分子が得られる。TBAFを触媒とするPOSSの動的組換え反応を巧みに利用し、架橋と解架橋を行うことができる。かご状無機構造が架橋した有機・無機ハイブリッド高分子は初めての例である。

新技術の特徴

・1-3nmサイズのかご状POSSが共有結合で固定化された有機・無機ハイブリッド高分子
・かご状無機構造が架橋した有機・無機ハイブリッド高分子
・本有機・無機ハイブリッド高分子は、適当な条件で架橋と解架橋を行うことができる

想定される用途

・耐熱性透明材料
・電子デバイス用絶縁材料
・イオン伝導膜

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

神奈川大学 研究支援部 産官学連携推進課

TEL:045-481-5661(代表) FAX:045-481-2764
Mail:sankangaku-webアットマークkanagawa-u.ac.jp
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