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ライフサイエンス 新技術説明会(3)

日時:2018年01月11日(木) 13:25~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、国立高等専門学校機構、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)光音響式嗅覚・触覚センサによる医用内視鏡の多機能化

長岡技術科学大学 大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 助教 和田森 直

新技術の概要

光音響分光法は、断続光の吸収に伴う音波を捉えるため、試料の化学的、物理的情報などが得られる。また、感度が検出器容積に反比例することから、小型化により感度の向上が期待される。そこで、内視鏡に搭載可能な寸法の光音響式検出器を開発し、ピロリ菌の感染や腫瘍組織の識別などの質的診断の可能性を示した。

従来技術・競合技術との比較

光音響分光法では、断続光の吸収に伴う信号を音波として捉えているため、生体内部の散乱の影響を受けにくい。また、複数波長光源に対して、マイクロフォンや圧電素子などの検出素子は一つでよいので、小型化に向いている。さらに、断続光の変調周波数を調整することにより、選択的に深さ方向の情報を得ることが可能である。

新技術の特徴

・小型化技術
・高感度(低雑音)測定技術

想定される用途

・内因性気体、体液による疾病診断およびスクリーニング
・発酵工程、食品品質の管理
・排気、排水臭などの環境測定

  • 医療・福祉

2)皮膚に触れないウェアラブルセンサ:付け爪型脈波計

香川高等専門学校 機械電子工学科 講師 石井 耕平

新技術の概要

女性を中心に認知されている付け爪(ジェルネイル)は数週間にわたり取り外すことなく、お洒落を楽しむことができ、この間は入浴を含む普段通りの生活が可能である。本技術はジェルネイルに無線・センサ・電池を組み込み、数週間に渡る連続計測が可能な在宅医療用遠隔モニタリングデバイスの実用化を目指すものである。

従来技術・競合技術との比較

身近な存在となってきた腕時計型センサは、発汗や皮膚への接触にともなう装着感により、24時間取り外すことなく連続的にモニタリングする事は困難である。一方、付け爪型センサの場合、爪には感覚神経や汗腺が存在しないため、装着感が生まれることがなく、長期間にわたり連続的なモニタリングが実現できる。

新技術の特徴

・爪には感覚神経と汗腺が無いため、不快な装着感がない
・爪の組織は硬いため、数週間にわたる長期間の強固な固定が可能
・爪は人体に20枚存在することから、多点同時計測が可能

想定される用途

・在宅医療を受ける患者の遠隔モニタリング
・医療福祉施設内での患者モニタリング
・スポーツ中の生体モニタリング

関連情報

・デモあり

  • 医療・福祉

3)障がい者のアクセシビリティを向上させる手書き文字共有技術

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 機械工学系 准教授 三好 孝典

新技術の概要

本技術は、遠隔地間の多数の操作者がインターネットを通じてお互いの力触覚、すなわち圧力や衝突の感覚や、硬さ柔らかさの感覚をリアルタイムに共有し合えるソーシャルネットワーク触覚技術である。本技術は、目も耳も聞こえない盲ろう者が、遠隔地間で筆談をし合ってコミュニケーションを深める、障がい者用SNS等に展開可能である。

従来技術・競合技術との比較

多人数の操作者がインターネットを介してお互いの力を感じ取れる技術で実用に供せられるものは、現在のところ存在しない。これは、ネットワークの通信遅延により発生する力学的ハウリングを抑制することが困難なためである。本技術は、力学的ハウリングを抑え、多数の操作者が同時に力触覚を感じ取れることを可能にするものであり、オンラインゲームやソーシャルコミュニケーションなどに展開可能な段階にある。

新技術の特徴

・力学ハウリングを抑制し、安全で安定した遠隔通信制御を行う
・力と運動を遠隔地間で共有し、操作できる
・世界中で触覚によるコミュニケーションを実現する

想定される用途

・障害者のアクセシビリティ向上のための手書き文字共有(福祉分野)
・遠隔リハビリテーション・遠隔手術(医療分野)
ネットワークゲーム(エンターテイメント分野)

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 医療・福祉

4)生体適合性金属ナノ材料の開発及びその医療応用に関する研究

呉工業高等専門学校 自然科学系分野 准教授 田中 慎一

新技術の概要

本研究で開発した金属ナノ材料は生体への毒性が低い白金でできており、生体の深部からでも蛍光観察可能な近赤外領域に発光特性を持つことと半永久的に使用であることから癌の転移や幹細胞の分化など長期経過観察が必要な癌治療や再生医療などの医療診断用の分子プローブとして期待されている。

従来技術・競合技術との比較

従来の臨床検査薬である近赤外蛍光性有機色素インドシアニングリーンは水中での分散安定性が低く、数時間程度で蛍光特性を失うことから長期経過観察を必要とする医療診断への応用に適していない。また、近赤外蛍光性半導体量子ドットは材料に毒性の強いカドミウム、セレン、テルルを用いるため生体への使用ができない。

新技術の特徴

・生体適合性が高い。
・半永久的に使用可能で、環境に優しい。
・高輝度で分子サイズが小さい。

想定される用途

・医療診断用のプローブ
・太陽電池などの光学材料
・光触媒

  • 医療・福祉

5)循環器医療における血液細胞分離システム

沼津工業高等専門学校 制御情報工学科 准教授 横山 直幸

新技術の概要

赤血球は、細胞の加齢とともに膜電位を失っていく。磁場を設けた分岐管に血液を流すと、若年(新しい)赤血球のみに一定方向のローレンツ力が作用する。また、赤血球の移動に伴い、比重の小さい血小板がローレンツ力と反対方向に押し出されることになる。これらの原理をもとに、若年赤血球が多く、血小板を含まない血液のみを分離することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

人工心肺や透析では、血小板の作用により血栓が形成されること、赤血球の破壊(溶血)により細胞毒性のあるヘモグロビンが遊離することなどが大きな課題であった。現状は、抗凝固薬で血栓を抑制し、装置の制御により溶血を防いでいるが、不完全である。本技術を用いた分離装置を血液回路に付加することで、血栓や溶血の原因となる血液細胞が補助循環装置に流入することを防ぐ事が可能となる。

新技術の特徴

・血液細胞の特性を利用して、磁場で細胞を分離
・血液細胞に対して非侵襲的に分離が可能
・体外血液循環装置における問題の原因となる細胞を選択的に分離可能

想定される用途

・人工心肺装置
・透析装置
・輸血医療

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立高等専門学校機構 研究推進室

TEL:03-4212-6822 FAX:03-4212-6810
Mail:kenkyu-suisinアットマークkosen-k.go.jp
URL:http://kosen-k.go.jp/

長岡技術科学大学

TEL:0258-47-9279 FAX:0258-47-9040
Mail:patentアットマークjcom.nagaokaut.ac.jp
URL:http://www.nagaokaut.ac.jp

豊橋技術科学大学

TEL:0532-44-6983 FAX:0532-44-6984
Mail:chizaiアットマークoffice.tut.ac.jp
URL:https://www.tut.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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