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熊本大学 新技術説明会

日時:2017年08月01日(火) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、熊本大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • デバイス・装置

1)曲面に密着する圧電センサを可能にする連続ゾルゲルスプレー法

熊本大学 大学院先端科学研究部 ロボット・制御・計測分野 助教 中妻 啓

新技術の概要

大面積・任意形状の圧電センサを実現するためのコア技術として、圧電材料を連続的にスプレー塗布し圧電膜を作製する技術を確立した。ロボットや様々な機器、日用品の表面に圧電センサを取り付け表面にかかる圧力分布を取得可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来のゾルゲルスプレー法と比較して長時間・連続的な圧電材料(ゾルゲル溶液)のスプレー噴霧技術を確立した。この技術によりスプレーガンを走査しながらの面的な塗布が実現され、所望の膜厚を持つ圧電膜を安定して製造可能である。また曲面へ塗布することで、塗装システムを用いた任意形状圧電センサも実現される。

新技術の特徴

・大面積の圧電膜作製
・自由曲面上への圧電膜作製
・希望する性能(感度・レンジ)の圧電膜作製

想定される用途

・ロボット用人工皮膚センサ
・あらゆるモノに取り付けられる把持センサ
・曲面形状超音波トランスデューサアレイ

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

2)超高温圧電セラミックス式センサー材料

熊本大学 大学院先端科学研究部 電気電子材料分野 准教授 小林 牧子

新技術の概要

高温状況で使用可能な超音波圧電センサが求められている。そこで発明者らはCBTa/PZTを用いた圧電膜を作成する方法を提案した。評価実験では厚さ3mmのチタン基板上に圧電膜を作製し、電気炉中で超音波モニタリングを行った。実験の結果、高温においても明瞭な反射波が確認に成功した。

従来技術・競合技術との比較

高温圧電材料は単結晶材料が多く、耐熱衝撃性が低く、実用性に難があった。また、従来の超音波トランスデューサの間に用いる音響接合剤であるカプラントおよび超音波トランスデューサ内部に使用されているバッキング材の耐熱性の問題から、高温状況における長期間の使用は困難であった。

新技術の特徴

・高温でも動作する耐熱性
・厚さ200μm以下の薄膜構造
・フレキシブルで切削性も良好

想定される用途

・作製/加工中のモニタリング
・化学プラントのモニタリング
・発電プラントのモニタリング

関連情報

・サンプルあり

  • アグリ・バイオ

3)N−アルコキシピロール類の農薬としての展開

熊本大学 大学院先端科学研究部 化学分野 准教授 石川 勇人

新技術の概要

放線菌培養液から見出された新規1-メトキシ-1H-ピロール-2-カルボキサミドをリード化合物として植物の成長活性に対する構造活性相関研究を展開した。その結果、合成した一連の化合物類に強力な植物成長抑制活性を見出した。なお、いくつかの活性化合物は動物細胞に対して毒性を有さないことが示唆された。

従来技術・競合技術との比較

今回我々の見出した化合物群は、植物の根の伸長を阻害する活性を有している。伸長が抑制された根の形状から、細胞分裂における微小管重合阻害活性が考えられるが、動物細胞に対してほとんど活性を示さないことから、植物選択的な微小管重合阻害剤としての展開が期待できる。環境に優しい農薬開発に結びつくと期待している。

新技術の特徴

・新規骨格を持つ植物成長抑制剤の開発
・植物選択的微小管重合阻害
・幅広い構造活性相関研究へ展開できる化学構造

想定される用途

・除草剤
・植物生理現象解明のための試薬
・マラリアなどの感染症治療薬

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

4)高性能な新規アンモニア燃焼触媒とそれを用いた水素製造法

熊本大学 大学院先端科学研究部 環境材料化学分野 助教 日隈 聡士

新技術の概要

酸化アルミニウムに担持した酸化銅と銀の新規な触媒が、アンモニアを低温から燃焼させて『高い触媒活性』を示し、副生する『窒素酸化物の選択率が低い』ことを見出した。そのアンモニア燃焼触媒ならびに燃焼熱を用いることで、アンモニアから水素を高効率に製造することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

高価な貴金属触媒を用いると、触媒活性は高くなるが、窒素酸化物を多く生成する。開発した触媒は、高活性と高窒素選択性を両立でき、含浸担持法を最適化することによって更に高性能化した。

新技術の特徴

・酸化アルミニウムに銀、酸化銅の順に担持すると、最も高い触媒活性と窒素選択性を示す。
・本触媒を用いると、アンモニア燃焼完結後も窒素酸化物の生成を抑えることができる。
・本触媒を用いたアンモニア燃焼熱により、吸熱反応であるアンモニア分解水素製造を進行させることができる。

想定される用途

・燃料電池: 本触媒ならびに燃焼熱を用いたアンモニアを水素へと分解し、得られた水素によって燃料電池を駆動する。
・火力発電: 本触媒ならびに燃焼熱を用いてタービン(主にスチームタービン)を駆動する。
・排ガス処理: 本触媒によって排ガスに含まれるアンモニアを無害化する。

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

5)円偏光ルミネッセンスを産み出すオール有機材料

熊本大学 大学院先端科学研究部 高分子材料化学分野 教授 伊原 博隆

新技術の概要

本発明は、次世代の光源として期待される円偏光ルミネッセンス(CPL)を発生させるための有機材料に関するものです。汎用の透明ポリマー中に本発明材料を1%程度混ぜるだけで、通常光を吸収し、右巻きや左巻きの円偏光ルミネッセンスを発生するポリマー材料に変換することができます。

従来技術・競合技術との比較

従来の有機系CPL材料は、蛍光性と円偏光性(キラリティ)を両立させるため、特殊な分子設計と複雑な有機合成が必要であり、これらが実用化の課題となっていました。本法は、キラルなテンプレートと蛍光色素からなる複合系を用いた全く新しい有機系CPLシステムであるため、様々な既存の色素を用いることが可能です。

新技術の特徴

・汎用性ポリマー中にキラルなテンプレートと蛍光色素を混ぜるだけでCPL発光フィルムを作製することができます。
・有機系で世界最高値の円偏光発光を実現することができます。
・蛍光色素を選択し、組み合わせることによって、発光波長の調節(発光色や広帯域化)が容易に実現できます。

想定される用途

・LED照明や太陽電池
・光メモリーや認証セキュリティシステム
・3Dディスプレイなどの光デバイス

関連情報

・デモあり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立大学法人熊本大学 イノベーション推進センター

TEL:096-342-3209 FAX:096-342-3239
Mail:liaisonアットマークjimu.kumamoto-u.ac.jp
URL:http://www.kumamoto-u.ac.jp/organizations/kico
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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