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九州工業大学 新技術説明会

日時:2017年12月12日(火) 10:25~15:30

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、九州工業大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)複数の高付加価値製品を産むバイオマス利用製造プロセス

九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 准教授 坪田 敏樹

新技術の概要

竹などのバイオマスを出発原料として、キシロオリゴ糖と電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の二つの高付加価値製品を製造する。竹の中のヘミセルロースを水熱処理によって高効率で高付加価値オリゴ糖に変換するとともに、水熱処理後のセルロースおよびリグニンを主成分とする残渣から高性能電気二重層キャパシタ電極用炭素材料を製造する。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、水のみを使用してバイオマスからオリゴ糖を生産する安全性が高く環境負荷も小さい技術と、その残渣を利用して高性能電気二重層キャパシタ電極用炭素材料を製造する技術である。高付加価値製品を段階的に複数製造する技術でありバイオマス利用プロセスとして画期的である。

新技術の特徴

・バイオマス
・オリゴ糖
・炭素材料

想定される用途

・機能食品
・電気二重層キャパシタ
・活性炭

関連情報

・サンプルあり

  • 情報

2)原理が簡単で機器への実装が容易なパターンマッチング法

九州工業大学 大学院工学研究院 先端機能システム工学研究系 准教授 脇迫 仁

新技術の概要

本技術はカメラ画像中での対象物を検出する機能であり、対象物の回転や一部が隠れていても検出できる。原理はモデルとシーンを構成する点の差分を計算するのみであり演算処理が簡単である。物体の形状データであれば距離センサのデータでも対応可能であり移動体のセンサへも応用できる。

従来技術・競合技術との比較

市販の画像処理装置の物体検出機能は、手法が公開されてないためトラブル時の調整が難しく、専用のハード上でしか動作しない。本方式の原理は公開されており調整が容易である。さらに加減算のみで構成されアルゴリズムが分かりやすいためパソコンだけでなく組み込み機器への実装も容易である。

新技術の特徴

・対象物の回転や一部が欠けていても検出可能。
・演算が加減算のみで実行し、原理が分かりやすい。
・原理が簡単なため、様々なシステムに実装できる。

想定される用途

・コンベア上のピッキング作業
・スマートセンサでの簡易物体検出
・移動体での障害物回避や車庫入れ、地図生成

関連情報

・デモあり(プレゼンでの動画)

  • 情報

3)追跡対象を粘り強く追いかけ続ける「賢い目」

九州工業大学 大学院情報工学研究院 知能情報工学研究系 教授 榎田 修一

新技術の概要

類似物体の多く存在する環境において、追跡に適切な画像特徴を自動で選択する機能、他の物体との重なり等による追跡対象の部分隠れ、完全な遮蔽で見失った時の動作を個々に記述し、追跡対象を補足し続ける技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の画像処理技術では、場面場面に合わせて、複数の画像情報を上手く組み合わせて利用することが困難であった。本技術では、以上の問題をフィルタリングに基づく数理モデルを用いて解決した。また、部分隠れ、全体の隠れと問題を切り分け、適切な追跡モデルを準備することで、追跡精度を向上させた。

新技術の特徴

・色情報や輝度情報などの複数画像情報を動的に活用した追跡技術
・追跡対象と類似の物体との重なりや部分隠れに頑健な追跡技術
・追跡対象の移動中の変形に頑健な追跡技術

想定される用途

・移動ロボットにおける随伴行動
・医療用画像からの注目点追跡
・店舗内カメラからの移動経路計測

  • 電子

4)パワーデバイスの故障予測を可能にするモニタリング技術

九州工業大学 大学院工学研究院 電気電子工学研究系 助教 渡邉 晃彦

新技術の概要

パワーデバイスの新しい故障解析技術。リアルタイムモニタリングをベースとした故障解析技術であり、特に動作中デバイスのパッケージ内部構造の劣化を非破壊で捉える技術は世界で唯一。パワーデバイスの故障の早期発見、故障予測、寿命予測への応用が可能であり、パッケージ構成材料の劣化・耐久性試験への応用も期待できる。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、パワーデバイスが故障にいたる過程での状態変化を時間軸で捉えることを可能にし、従来の故障後および抜取りサンプルによる故障解析と比較し、故障原因の早期特定が可能である。また、パッケージを開封しない故障解析であるため、実際の動作状態と同等の環境での故障解析が可能である。

新技術の特徴

・動作中デバイスの内部劣化を観察できる
・故障にいたるプロセスの連続データを取得可能
・内部劣化の定量化が可能

想定される用途

・パワーデバイスの故障解析
・故障予測・寿命予測
・パッケージ材料の劣化・耐久性試験

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

5)熱交換冷暖房ビニールハウス構造体

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 助教 谷川 洋文

新技術の概要

ビニールハウスを構成する管に温水または冷水を流すことで、ビニールハウス自体がハウス内の温熱環境(冷暖房)をコントロールできる熱交換器であることが本技術の特徴である。小型化すれば局所的な温度制御が可能であり、温度管理のシビアな付加価値の高い作物の栽培に適している。

従来技術・競合技術との比較

従来のビニールハウス給湯暖房では、温水配管が作物に触れないように設置しないといけないため配管スペースに制約があり、また配管自体が作業の邪魔になる。また配管を必要としない温風暖房では温風の入口側と出口側で温度差が生じ、生育にむらが生じる可能性がある。

新技術の特徴

・ビニールハウス自体がハウス内の温熱環境(冷暖房)をコントロールできる熱交換器である。
・冷暖房は,配管からのふく射が主となるため、場所による加熱・冷却のむらが少ない。
・小型化すれば局所的な温度管理が可能。

想定される用途

・付加価値の高い作物の栽培用ビニールハウス
・小規模農家用ビニールハウス(ネット販売も可)
・家庭菜園用ビニールハウス(ネット販売も可)

  • 機械

6)電磁石で固さを制御できる万能ロボットハンド

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 准教授 西田 健

新技術の概要

様々な形状の対象物を傷つけることなく包み込み、把持することができる新しいロボットハンドを発明した。このハンドは低電力で、静穏かつ高速に動作する。この技術は、対象物に合わせたハンドの設計と複雑なロボットプログラミングを不要にする。柔軟膜部分の耐久性能試験を終えて、実用段階にある。

従来技術・競合技術との比較

モータを利用したハンドは対象物に合わせた厳密な設計が必要であり、真空吸引によるハンドは騒音や低いエネルギー効率などが問題になる。ジャミング転移現象を利用するロボットハンドの研究は、産業用に利用するための耐久性能に関する知見に乏しい。

新技術の特徴

・対象物に合わせた設計やロボットプログラミングが必要ない。
・水中や粉じん中でも利用できる。
・高速な動作が可能。

想定される用途

・流通の自動化用ロボットへの搭載
・農林水産物を扱うロボットへの搭載
・人と協働するロボットへの搭載

  • 機械

7)直線に特化したライン引き装置

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 准教授 宮本 弘之

新技術の概要

本装置の特徴は、従来では非常に高価な工業用カメラを用いず、高倍率光学ズームレンズを備えた安価な家庭用ビデオカメラを用いて、ライン引きロボットのマーカを捉えることにより、ライン引きロボットを遠隔操縦することにより、ロープを使用せずライン引きが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

自動ライン引き装置は種々提案されているが、いずれも負担軽減と時間短縮効果が少ない、高価な装置が必要、精度が不十分、レーザーが危険、等の課題がある。本装置は、民生用ビデオカメラを用いるので低コストかつ安全であり、人間の作業者と同等かそれ以上の品質の直線を引くことができる。

新技術の特徴

・ロープ張りを必要としない直線引き
・高精度
・低コスト

想定される用途

・トラクター等、農業用作業者の直線移動
・駐車場等の白線引き
・運動競技場の白線引き

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

8)ECTAによるがん診断装置

九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 教授 竹中 繁織

新技術の概要

電極上に固定化した合成DNA断片と4本鎖DNAに特異的に結合するフェロセン化ナフタレンジミド誘導体を利用してテロメラーゼ活性を評価するシステムを確立した。これを応用して九州歯科大学との共同で口腔がんの診断へ適用した。

従来技術・競合技術との比較

従来のがん診断法を越える感度と特異度を実現した。

新技術の特徴

・すべてのがんマーカーとして期待されるテロメラーゼを指標としたがん診断法
・電気チップで簡便に測定可能である。

想定される用途

・がんの早期診断
・テロメラーゼをターゲットとする抗がん剤の性能評価

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

九州工業大学イノベーション推進機構 産学連携・URA領域 知的財産部門

TEL:093-884-3499 FAX:093-884-3531
Mail:chizaiアットマークjimu.kyutech.ac.jp
URL:http://www.ccr.kyutech.ac.jp/
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