新潟大学 新技術説明会
日時:2017年12月19日(火) 09:55~11:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、新潟大学
後援:特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)骨の健康を維持する機能性食品開発へ向けた食品素材のスクリーニング
新潟大学 大学院医歯学総合研究科 歯科薬理学分野 助教 柿原 嘉人
新技術の概要
様々な食品素材の中から、生体内の骨リモデリングシステムに積極的に働き、活性化する化合物の単離を試み、それらの機能性を動物モデルを用いるなど科学的に実証し、骨の健康維持に役立つ機能性食品の開発を行う。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では困難であった食品素材のスクリーニング系の効率化を図り、多種類のサンプルについて破骨細胞と骨芽細胞の両方の分化活性化能を効率的に調べ、生体内での評価まで行うことができる。
新技術の特徴
・骨リモデリング促進食品素材のスクリーニング
・破骨細胞と骨芽細胞の両方の分化能の評価
・スクリーニングシステムの効率化
想定される用途
・骨形成促進効果の評価
・生理活性成分の同定
・機能性食品の開発
- 材料
2)相分離法を用いた多孔質膜・ゲルシートの作製
新潟大学 工学部 工学科 教授 田中 孝明
新技術の概要
生分解性プラスチックであるポリ乳酸ならびに甲殻類由来のキチンをそれぞれ特殊な溶媒に溶解後、非溶媒に浸漬することによって多孔質化・ゲル化を行う。マイクロスケールの孔の形成により、分離膜や吸着材料の開発が可能である。
従来技術・競合技術との比較
生分解性プラスチックやバイオマス由来の高分子を多孔質化・ゲル化することにより、環境にやさしい機能性材料を開発できる。平板状のゲルシート以外にも、型の形状を工夫することによって分岐管などの三次元的なゲル膜も作製できる。
新技術の特徴
・相分離法を用いた高分子材料の多孔質化・ゲル化
・バイオマス由来材料の多孔質化による機能性向上
・三次元的なゲル膜の作製
想定される用途
・分離膜
・吸着材料
・創傷被覆材料
- 環境
3)下水汚泥灰を都市鉱山の資源に
新潟大学 工学部 工学科 教授 金 熙濬
新技術の概要
下水汚泥灰には、リン及び重金属が高い含有率で含まれていることが多い。有用性の高いリンを回収し、有害な重金属を除去することにより、廃棄物の有効利用につながる。本技術によれば、リンの高い回収率と重金属の効率的な分離が可能となり、従来技術の課題であった経済性の問題を解決できる。
従来技術・競合技術との比較
本技術によれば、リン回収率を従来技術の30%から85%以上まで改良することができる。更に、リン溶出剤(NaOH)量を1/3~1/5に減らし、産廃量を1/10に減らすことができる。また、汚泥灰の残渣と回収リン(リン系肥料)から重金属を除去することができる。
新技術の特徴
・下水汚泥灰から肥料としてリン回収率が85%
・リン溶出剤(NaOH)使用量が従来技術より1/3~1/5
・産廃量が汚泥灰の5%以下
想定される用途
・下水汚泥灰からリン回収
・重金属除去
・ヒ素とフッ素同時除去
関連情報
・サンプルあり
- 分析
4)LC/MSによる生体試料の内因性アンジオテンシンペプチドの定量法の開発
新潟大学 大学院医歯学総合研究科 機能分子医学講座 特任教授 齋藤 亮彦
新技術の概要
LC/MSによる定量ではLCの高い分離能とMSの高い選択性・感度を組み合わせることで、複数種のターゲットペプチドを、特異的かつ高感度で一斉定量することができる。本法では実質臓器や体液試料の内因性アンジオテンシンペプチドの定量が可能であり、基礎研究だけでなく、臨床検査への応用も期待される。
従来技術・競合技術との比較
現在、アンジオテンシンペプチドは主に抗体を使用する免疫測定法で定量されているが、各種アンジオテンシンペプチドはアミノ酸の相同性が高く、抗体の交差反応などにより、正確な定量が困難である可能性が指摘されている。それに対してLC/MSによる定量では抗体に依存せず分子量とアミノ酸配列に基づき選択・定量できる。
新技術の特徴
・抗体を使用せず、特異的かつ高感度で定量が可能である
・複数種のターゲットを一斉に定量することが可能である
・少量の生体試料からの定量が可能である
想定される用途
・基礎研究での実質臓器(腎臓など)のアンジオテンシンペプチドの定量
・基礎研究での体液(血液・尿など)のアンジオテンシンペプチドの定量
・臨床検査での生体試料のアンジオテンシンペプチドの定量
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
新潟大学 地域創生推進機構
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URL:http://www.ircp.niigata-u.ac.jp/
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