生活工学 新技術説明会
日時:2017年06月08日(木) 13:25~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、お茶の水女子大学、奈良女子大学
後援:特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
1)高齢者の転倒予防:歩行バランス機能の計測のための靴デバイス
お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 生活工学共同専攻 教授 太田 裕治
新技術の概要
靴のインソールに圧力・剪断力センサを埋込むことで歩行時に足底に加わる圧力を無侵襲計測する。それにより、歩行時のバランスを評価し、転倒防止に結びつける。
従来技術・競合技術との比較
靴を履くだけで計測が可能であり簡便な利用であること。無線計測であり、被測定者の拘束がないこと。
新技術の特徴
・無侵襲計測のため安全・簡便
・子供の計測も可能
・ハイヒール歩行なども評価可能
想定される用途
・高齢者の転倒予防
・子供の歩行機能の健全な発達(評価)
・美しい歩き方へのアドバイス
関連情報
・展示品あり
- 計測
2)スマートテキスタイルとIoTによるファッショナブルIoT
奈良女子大学 研究院生活環境科学系 生活工学共同専攻 教授 才脇 直樹
新技術の概要
最近、衣服のように着用しただけで人間の情報を計測するウェアラブルデバイスが注目を集めている。一方、我々は15年ほど前からスマートテキスタイルを用いた生体計測に取り組んできた。これをIoTと組み合わせることで、違和感なく日常生活を見守れる新たなサービスの実現を目指している。
従来技術・競合技術との比較
従来、人間情報を計測するデバイスの精度は高かったが、病院内等専門スタッフが装着する拘束性の高いシステムがほとんどであった。スマートテキスタイルやIoTといった技術の普及により、より簡単で自由な環境における計測が可能になりつつあるが精度は必ずしも良いとは言えない。サービスを含めた全体設計の工夫が重要になる。
新技術の特徴
・スマートテキスタイル
・IoT
・人間情報の計測
想定される用途
・日々の健康管理
・在宅ケア
・安全・安心なまちづくり
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- 計測
3)日常生活環境での行動中の人のストレスの計測技術
お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 生活工学共同専攻 准教授 長澤 夏子
新技術の概要
日常生活の環境下で、人がどのようにストレスを感じているか、環境計測、生理計測(脳波、発汗、心拍など)と、継時的心理計測を併用してはかる技術である。時間の長さや、状況に応じて計測手法を組み合わせ、数名の被験者から状況や環境によるストレスの傾向を知る。
従来技術・競合技術との比較
これまで医療・心理・マーケティングなどの分野で用いられてきた技術を組み合わせ、日常生活環境中の人のストレスを、環境と、人間(身体生理、心理、感性)といった面から複合的に計測し、その時のストレスの状況を知ることができる。
新技術の特徴
・可搬型の計測機を組み合わせて、日常生活でのストレスの計測が可能である
・心理調査・環境調査と併用することで、状況や環境とストレスとのマッチングが可能
想定される用途
・病院や買い物行動など、パターン化された空間と行動中の、ストレスリラックスの状況や環境要因を探る
・リラックス時間・空間の効果を示すことができる
・オフィスや生活環境など建築における健康的な環境づくり
関連情報
・サンプルあり
- 計測
4)空間の明るさを予測するには?
お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 生活工学共同専攻 助教 小﨑 美希
新技術の概要
視対象が明確な場合は、従来の照明基準にあるように照度での明るさ規定ができるが、空間全体の明るさを測るには照度だけでは不十分であるという認識が照明設計者の中にはある。空間の明るさには輝度との関係が指摘されている。輝度分布を予測したり、空間のどの部分を改善するとさらに明るくなるかを提案できたりする。
従来技術・競合技術との比較
類似技術は存在する。画像解析などを用いて明るさの数値を算出する技術などである。どの部分が暗いかなどの指摘も可能であるが、本技術のように改善後の数値の変化を予測する技術は盛り込まれていない。
新技術の特徴
・輝度分布を色別に表示することが可能
・塗り絵感覚で暗いところに色を足したりすることを提案
想定される用途
・空間設計者が空間の明るさを向上させるために使用可能なツール
・可視化により、施主と問題点や課題点の共有ができる
・商業施設の空間訴求性向上、工場やオフィスなどのストレス低減など労働環境改善、教育施設の学習環境改善などに測定と予測による根拠のある提案を行うことが可能
- 環境
5)水の消毒効果を効率的に調べる方法
お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系 生活工学共同専攻 教授 大瀧 雅寛
新技術の概要
水の消毒処理(塩素、オゾン、紫外線など)について、複数の微生物への効果を調べるのは非常に手間がかかる。ここで紹介する技術は、一度に複数の微生物(特に複数のウイルス)への効果を調べることができる方法についてである。
従来技術・競合技術との比較
従来型の技術では、対象としたいウイルス種を一つずつ実験に供し、その効果を測定していた。本技術では、複数の種類を一度に投入した上で、別個にその効果(消毒処理後の生存数)の測定を行える様に工夫した。
新技術の特徴
・消毒効果の効率的評価
・ウイルスの不活化率の実測値を用いる
想定される用途
・消毒剤のテスト
・箇抗菌製品のテスト
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
お茶の水女子大学 研究協力課
TEL:03-5978-5162 FAX:03-5978-2732Mail:s-kenkyocc.ocha.ac.jp
URL:http://www.ocha.ac.jp/research/index.html
奈良女子大学 研究協力課
TEL:0742-20-3968 FAX:0742-20-3958Mail:kenkyoucc.nara-wu.ac.jp
URL:http://www.nara-wu.ac.jp/liaison/liaison.html
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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