計測技術 新技術説明会
日時:2017年11月28日(火) 13:00~14:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、四国産学官連携イノベーション共同推進機構(徳島大学、香川大学、愛媛大学)、高知工科大学、株式会社テクノネットワーク四国(四国TLO)
後援:特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
1)光コムセンシングキャビティによる屈折率計測
徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 理工学域 機械科学系 教授 安井 武史
新技術の概要
本技術は、光コムを用いたセンシングキャビティにより、屈折率を計測する手法である。光コムにより、屈折率をRF周波数(数MHzから数十MHz)という電気的に計測可能な周波数に変換することで、高い屈折率分解能を実現できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の屈折率測定では、光のスペクトル波形や光強度信号などのアナログ量の計測に基づいており、分解能に制限があった。本手法では、光コムによる屈折率/RF周波数変換により、周波数として屈折率を計測するため、分解能の向上が可能である。
新技術の特徴
・屈折率センサー
・光コムによる屈折率/RF周波数変換
・周波数による屈折率センシング
想定される用途
・液体物質の品質評価
・光学材料部品の特性評価
・生体分子検出
- 計測
2)体を動かせない・声を出せない状態でも欲求を実現するための支援技術
愛媛大学 教育学部 准教授 苅田 知則
新技術の概要
重症心身障害児者や、寝たきり高齢者は意思を持っているが、意思を表出しようとする際の身体運動が独特であるため、家族・ベテラン支援者が生活文脈(場所・時間・天候等)を参考に解釈する。本技術は、ユーザー固有の身体運動をパターン認識し、ユーザーの利用文脈情報(地点・時間・気温・湿度)等と統合して、ユーザーの欲求を解釈し実行する、家族・支援者の代行システムである。
従来技術・競合技術との比較
既存の支援機器は、開発者・支援者によって操作方法が決められており、ユーザーは操作に合わせた動作を学習しなければならなかった。一方、ユーザーは、制限された運動機能の中から自分なりに表現しやすい動作・発声のパターンを習得していることが多い。本技術のように、支援技術がユーザーに合わせるアプローチでは、これまで開発・実用化されていなかった。
新技術の特徴
・ユーザー固有の身体運動軌跡をパターン認識する
・ユーザーの現在いる地点の位置情報、時間情報、気象情報(気温・湿度)を取得する
・家族・ベテラン支援者のフィードバックの下、全ての変数情報を統合してユーザーの意図と解釈結果の相関を学習する機能(機械学習機能)を有する
想定される用途
・人手不足が深刻な障害者福祉・高齢者福祉現場において、看護・介護職の代わりに障害者・高齢者の欲求を解釈し実行する
・手術室や工事現場等、動きが制限される場所で、ユーザーの欲求を解釈し、ICT等の機器操作を支援する
・VR・AR空間において、ユーザーの欲求を解釈し、ICT等の機器操作を支援する
- 計測
3)生体音響解析に基づく疾患スクリーニング
徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 理工学域 電 気電子系 講師 榎本 崇宏
新技術の概要
非接触マイクロフォンを用いて獲得した録音データから、生体音検出、疾患スクリーニングを行う新技術を開発した。この技術は、聴覚像から得られた音響特徴量を効果的に組み合わせて活用する。睡眠時に獲得した録音データに対して本技術を適用した結果、約86%の精度でいびきを自動抽出することができ、約82%の精度で無呼吸症候群の患者をスクリーニングできることが示唆された。
従来技術・競合技術との比較
・(複数の)接触型センサを使用しない非接触計測
・モニタリングだけでなく、疾患に関する数値提供
・従来の音響特徴量を使用した場合よりも高い精度で生体音検出、疾患スクリーニングが可能
新技術の特徴
・聴覚モデルに基づく生体音響解析
・非接触計測
・疾患に関する情報を数値化
想定される用途
・生体音響解析による疾患診断支援
・生体音響解析による病状評価
・音響解析による故障診断
関連情報
・外国出願特許あり
- 計測
4)波長分散素子を用いたワンショット共焦点顕微鏡
徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 理工学域 機械科学系 講師 南川 丈夫
新技術の概要
本技術は、波長分散素子を用いることで、レーザー走査を必要としない共焦点顕微鏡を実現する手法である。これにより、従来必要であった2次元レーザー走査を不要とし、ワンショットで2次元共焦点イメージングを実現可能である。また,繰り返し性を有する波長分散素子を用いることで、共焦点カラー画像も実現できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の共焦点顕微鏡では、レーザー光源、試料上焦点、および検出側共焦点ピンホールを共役な位置に配置する必要があったため、スポット走査型スキャンが必要であった。本技術では、波長分散素子を用いることで、面として一度に2次元共焦点画像を得ることが可能である。
新技術の特徴
・ワンショット共焦点イメージング
・3次元形状計測
・高い深さ分解能を有しつつ多点同時カラー計測
想定される用途
・表面微細形状測定
・半導体等の高空間分解、時間分解イメージング
・バイオイメージング
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部
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