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芝浦工業大学 新技術説明会

日時:2017年07月04日(火) 13:20~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、芝浦工業大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)レーザ照射と銅錯体を用いた大気中での銅微細配線形成技術

芝浦工業大学 工学部 応用化学科 教授 大石 知司

新技術の概要

ある種の銅錯体へのレーザ照射により、大気中においても酸化されやすい銅が安定に析出する現象を見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来銅配線形成は、スパッタ法や真空蒸着法などの高真空装置を用いて行われ、高コスト化の原因となっている。

新技術の特徴

・大気中での銅配線形成が可能
・高真空装置を用いない塗布法による簡便な成膜技術
・フレキシブルな基板を始めとする種々の基板上への成膜

想定される用途

・プリント配線基板上への銅配線形成
・半導体三次元実装用配線
・フレキシブルエレクトロニクス用基材への配線形成

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

2)水蒸気プロセスによる高強度・高耐食性軽金属材料の創製

芝浦工業大学 工学部 材料工学科 准教授 芹澤 愛

新技術の概要

軽金属材料は構造材料として多用されるため、高強度かつ高耐食性が要求される。本技術は、高圧・中低温の水蒸気下にさらすだけで材料の強度と耐食性を同時に向上させる世界初のプロセスである。複雑形状部材や大型部材にも適用可能であるため、自動車材料や熱交換器への適用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

軽金属材料は、一般に強度と耐食性はトレードオフの関係があり両立しない。したがって、強度と耐食性を同時に向上させる技術は存在しない。特に、高耐食化のための表面処理技術では、プロセス数の多さや化学薬品の使用が課題であるが、本技術は1プロセス、かつ水蒸気のみ使用するため廃液処理の必要がないという強みがある。

新技術の特徴

・クリーン、エコな水蒸気を利用
・軽金属材料の強度と耐食性の同時向上
・複雑形状、大型部材にも適用可能

想定される用途

・自動車材料
・押出材
・熱交換器

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

3)アセトニトリル中でフッ化カリウムからフッ化水素を定量的に生成する方法

芝浦工業大学 工学部 応用化学科 准教授 田嶋 稔樹

新技術の概要

アセトニトリル中でフッ化カリウムと固体酸(Amberlyst 15Dry)のカチオン交換反応を行うことで、定量的にフッ化水素を生成することに成功した。さらに、生成したフッ化水素に対して種々のアミンを任意の量論比で添加することで、求核的フッ素化剤として期待されるアミン-nHF錯体を合成することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、フッ化カリウムを有機溶媒に溶解させるためにクラウンエーテルなどの相間移動触媒が必要不可欠であった。これに対し本技術は、クラウンエーテルの代わりに固体酸(Amberlyst 15Dry)を用いることでフッ化カリウムを有機溶媒に溶解する全く新たな技術と位置づけられ、フッ化水素やアミン-nHF錯体合成へと応用可能である。

新技術の特徴

・アセトニトリル中でフッ化カリウムからフッ化水素がわずか20分で定量的に生成
・フッ化水素の生成に用いる固体酸(Amberlyst 15Dry)は再生処理により再利用可能
・特別な設備を必要とせず安全かつ安価にフッ化カリウムからフッ化水素およびアミン-nHF錯体を合成可能

想定される用途

・必要とする時、必要とする場所で無水フッ化水素を生成
・新たな求核的フッ素化剤(アミン-nHF錯体)の合成
・18Fを放射性核種とするPET検査用分子プローブ合成への応用

  • 環境

4)シリカ系分離膜による酸性液体の高速分離

芝浦工業大学 工学部 応用化学科 教授 野村 幹弘

新技術の概要

気相蒸着法により、硫酸など強酸を効率的に分離可能なシリカ系液体分離膜の開発を行っている。膜原料にアミノ基を導入することで、硫酸阻止率68%、全透過流束8.25 kg m-2 h-1と無機逆浸透膜として世界トップの透水性能を得た。

従来技術・競合技術との比較

これまで工業化されている高分子型の逆浸透膜は、分離効率も良く、海水淡水化などへ応用されている。しかし、酸など高分子膜が適用できない分離系も多く想定される。今回開発したシリカ系の逆浸透膜は、強酸である硫酸分離も可能であり、様々な分離系への応用が期待される。

新技術の特徴

・酢酸分離工程
・小規模廃液処理システム

想定される用途

・酢酸水溶液分離
・硫酸水溶液分離
・廃液処理

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

5)MRM (Magnet Reversal Motor)

芝浦工業大学 工学部 電気工学科 教授 赤津 観

新技術の概要

ステータのかわりに磁石に代表される磁化反転デバイスを用い、当該デバイスの磁化をパルス電流により反転させることで交番磁界を作成してロータを回転させる。磁化反転デバイスに磁石を用いる場合には保磁力の低い磁石をN極またはS極に着磁、減磁させて交番磁界を作成する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は電磁鋼板にコイルを巻いて、コイルに連続した正弦波電流を通電して回転磁界を作成していた。本技術はパルス電流により磁化反転を起こすため、正弦波電流よりもパルス電流の方が電流実効値が低いため、電動機で発生する銅損を少なくすることができることが最大の特徴である。

新技術の特徴

・パルス電流による磁化反転デバイスの磁化反転
・電流実効値減少による銅損減少、効率向上

想定される用途

・一定速で用いられる産業用モータ
・インバータドライブされるモータ

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

芝浦工業大学 研究推進室 研究企画課

TEL:03-5859-7180 FAX:03-5859-7181
Mail:sangakuアットマークow.shibaura-it.ac.jp
URL:http://www.shibaura-it.ac.jp/research/academic_industrial_collaboration/index.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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