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エネルギー・環境 新技術説明会

日時:2017年08月22日(火) 10:00~14:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、信州産学官連携機構

後援:特許庁、信州大学、長野工業高等専門学校、諏訪東京理科大学、株式会社信州TLO

発表内容詳細

  • エネルギー

1)衝撃吸収材料と繊維との親和性によるせん断速度適応スマート構造体

信州大学 繊維学部 機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース 教授 小林 俊一

新技術の概要

強化材料を繊維、母材をダイラタント流体とした、変形可能な収容体に封入された繊維複合構造体。構造体の剛性に変形速度依存性を持たせる。

従来技術・競合技術との比較

衝撃吸収材料に吸収の方向性、剛性の速度依存性、傾斜機能化を持たせて高機能化を図る。また、揺動フィンによる水中推進機構に関し、変化する運動条件に対して常に最適剛性を維持する構造体を実現させる。

新技術の特徴

・衝撃吸収材料の剛性の速度依存性
・衝撃吸収材料に吸収方向性の追加、傾斜機能化
・制御装置やアクチュエータを用いなくても最適剛性が実現できる「スマート構造」の実現

想定される用途

・衝撃吸収材料:自動車などの移動体搭乗者用の衝撃吸収、スポーツ用具など
・剛性の変形速度依存性を必要とする構造体
・スクリュープロペラに代わる水中推進機構

  • エネルギー

2)スマートグリッドへの適用を高めた太陽電池故障診断機能の開発

諏訪東京理科大学 工学部 電気電子工学科 教授 平田 陽一

新技術の概要

太陽電池ストリングのI-Vカーブ取得を薄暮の状態で行う。その太陽電池の診断機能をパワーコンディショナに含めることで、定期的にI-V特性を自動的に取得し、電気的状態の診断を自動的に行うことができる。出力を安定して供給することで、グリッドとの親和性を高めることができる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、第1象限でI-Vカーブを評価することが主流であったが、第4象限で測定を行うことで、回路定数を、より正確に測定することができる。

新技術の特徴

・第1象限から第4象限まで測定できる。
・パワーコンディショナに内蔵されている。
・回路定数が求められる

想定される用途

・パワーコンディショナ
・フィールドサイト診断

  • エネルギー

3)水の安定供給と発電を両立する上水道用低コスト水車

信州大学 工学部 機械システム工学科 准教授 飯尾 昭一郎

新技術の概要

技術的、経済的に水力発電の導入がなされていない、高落差・小流量の上水道に潜在する余剰水圧を利用して発電する低コスト新型水車です。プラント配管内の余剰液圧からの動力回収も可能です。余剰圧力を減じる減圧弁をこの水車へ置き換えることで、これまで捨てられていたエネルギーを回収することができます。

従来技術・競合技術との比較

既存機種は適用できない落差・流量条件サイトの余剰圧力エネルギーを回収可能です。水車を通過する流量が水車の回転数に依存しないことが特長の一つであり、負荷変動による水車回転数の変化時にも水道供給量に影響しません。ノズルにより流量調整が可能です。インライン式であり、上水道以外への適用も可能です。

新技術の特徴

・送電系統揺動時でも水道の安定供給を実現
・既存管路利用&制御システム簡素化による大幅なコスト削減を実現
・大きな流量変動時でも安定した発電を実現

想定される用途

・上水道発電
・プラント配管内の余剰圧力を動力/電力として回収
・一般水力発電

関連情報

・サンプルあり

  • エネルギー

4)マイクロ波レーダによるコンクリート構造物非破壊検査技術

信州大学 工学部 機械システム工学科 准教授 高山 潤也

新技術の概要

マイクロ波レーダ法を基盤とした「コンクリート内の異常部位検出と、異常部位の諸性状に関わる定量推定」技術である。マイクロ波の伝播時間と位相変化量の情報を同時に抽出する新たな信号処理法:相互相関包絡線法と、それら抽出情報から精度の高い内部構造推定を実現するための画像化手法:境界逆投影ヒストグラム法から構成される。

従来技術・競合技術との比較

マイクロ波レーダ法で一般に使用するBモード断面画像は、観測波の時間軸を深度換算して並べるだけで、異常部位の形状など正確な内部構造推定は到底不可能である。本技術によれば、物体や異常部位の深度・形状や種類(材質)など諸性状を高精度・定量推定可能な、他の非破壊検査法でも実現し得ない診断を行うことが可能となる。

新技術の特徴

・埋設物体の形状・材質の定量同時評価を実現
・内部構造の視覚化が可能
・ソフトウェアによる実現手法であり,ハードウェア更新や検査方法変更は不要

想定される用途

・橋梁やビルなどの壁面の健全性検査
・橋梁やビルなどの壁面の健全性検査
・施工済コンクリート構造物中の鉄筋径検査

関連情報

・デモあり
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • エネルギー

5)超音波振動を用いた、熟練不要の小径ネジ穴加工法

長野工業高等専門学校 機械工学科 教授 岡田 学

新技術の概要

めねじの多くはタップを使用して切削加工されるが、小径のものは断面係数が非常に小さいので加工中に破損しやすい。そこで、切削抵抗を非常に小さくすることができる超音波振動援用加工を適用することで、工具の破損を防止することが本技術の特徴である。

従来技術・競合技術との比較

小径ねじのタップ加工は、加工中にタップが破損しやすいため、従来は作業者の熟練が必要だったが、本技術によって初心者にも容易に作業ができるようになる。従来は一般的には呼び径1mm程度までが小径ねじの加工の限度だったが、本技術によって、より小径のめねじ加工の可能性が広がる。他に類似の技術は見当たらない。

新技術の特徴

・従来は工具の破損が多かった小径ねじの加工が容易になり、工具蓮損が防止できる。
・切削抵抗を低減させる技術として旋削等では実績のある超音波振動を用いている。
・従来は非常に困難だった呼び径1mm未満のめねじ加工の可能性が高まる。

想定される用途

・機械式腕時計などの小型精密機械
・携帯電話やデジタルカメラ、タブレット端末などの小型情報機器
・加工が難しいチタン合金(歯科インプラントなど医療分野)や耐熱合金(航空宇宙分野)などのめねじ加工への応用

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 環境

6)安定、正確、コンパクトを実現する放射線計測技術 -携帯型から医療機器まで-

信州大学 理学部 理学科物 理学コース 教授 竹下 徹

新技術の概要

放射線については原発事故以降、環境測定が注目されているが、医療など放射線を積極的に活用する場面も多い。環境測定から医療用診断装置にわたって活用できる、いくつかの放射線技術を紹介する。小型化・安定化・高精度化および高空間分解能・低コスト化などである。

従来技術・競合技術との比較

小型化・安定化・高精度化に関しては、シンチレーション方式の放射線測定技術があり、自己校正機能を持たせることで、長期にわたる安定性を実現した。また、医療でのPET装置などで活用できる空間分布の測定技術では、検出センサを減らすことで、装置の簡単化、低コスト、高空間分解能を実現できる。

新技術の特徴

・自己放射を用いた自己校正機能により、簡便に長期的な安定性を実現
・エネルギー測定による線源の特定
・PET装置の簡素化、低コスト化

想定される用途

・ポケット放射線モニター機器
・放射線エネルギー測定装置
・PET装置

関連情報

・デモあり

  • 環境

7)農地の砂塵発生を抑制する被覆資材とこの散布方法

信州大学 農学部 農学生命科学科森林・環境共生学コース 准教授 鈴木 純

新技術の概要

農地の風食を抑制し、表土の保全と砂塵の発生を抑制する地表面の被覆材を開発した。また、これを効率よく農地に散布する方法を提案する。資材は、カンテン搾りかす(残渣)と肌ヌカを熱水で溶いた糊状の液体を混合したものである。カンテン搾りかすは重量のほとんどを食用パーライトが占めており、これに糊状の液体を混合して農地に散布することで、乾燥して皮殻を形成し、砂塵の発生を抑制することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来、農地の風食を抑制する技術としては、ムギなどの草生を形成する、目開き30mm程度のメッシュによる被覆などや、硫酸マグネシウムMgSO4を主体とする被覆剤がある。このうち最も効果があるMgSO4はやや高額で、広範囲の農地への導入は農家の負担で実施することは難しい。今回の発明は、主たる資材がカンテン産業の廃棄物であり、土壌の改良が期待でき、マルチ材への流用が可能な点で、従来技術と差別化できる。

新技術の特徴

・未利用資源である「カンテン搾りかす」を利用する
・土壌を風食が発生しにくい構造に改良する効果を有する
・風食抑制の土壌面被覆資材はマルチとして営農に直接流用できる

想定される用途

・砂塵発生の抑制、風食抑制
・マルチ材としての転用で、土壌水分保持、雑草抑制、地温低下の効果を有する
・肥料成分の添加、土壌矯正剤の添加など目的資材の添加による機能高度化

関連情報

・サンプルあり

  • 環境

8)複数のバイオマス分解酵素を大量生産する技術

信州大学 工学部 物質化学科 准教授 野﨑 功一

新技術の概要

酵素反応は環境負荷が極めて少なく、安全安心な生成物を高い収率で得ることができる。しかし、微生物酵素のほとんどは生産量が少なく高価である。本技術では糸状菌に存在する特定のプロモーター(遺伝子発現スイッチ)を利用することによって、バイオマス分解酵素を大量に生産させることが可能となった。

従来技術・競合技術との比較

従来は、生産量が高い酵素(セルラーゼ)のプロモーターを目的酵素の遺伝子に連結させてその発現量を増加させる方法が一般的であった。しかし,この方法ではセルラーゼの生産量を著しく低下させてしまう。本技術で使用するプロモーターにより、目的酵素を大量に生産し,同時にセルラーゼ生産量も著しく増加させることが可能となった。

新技術の特徴

・目的酵素の大量生産
・セルラーゼ生産量の増大
・オーダーメイドのバイオマス分解酵素の作製

想定される用途

・酵素の大量生産
・バイオマス分解酵素の活性増大

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社信州TLO

TEL:0268-25-5181 FAX:0268-25-5188
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URL:http://www.shinshu-tlo.co.jp/
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