スマートQOL(Quality Of Life) 新技術説明会
日時:2017年09月07日(木) 10:30~15:25
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、首都圏産業活性化協会、首都大学東京、電気通信大学、埼玉大学、青山学院大学、芝浦工業大学、東洋大学
後援:特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- 医療・福祉
1)低侵襲マイクロニードルデバイス
東洋大学 理工学部 生体医工学科 教授 吉田 善一
新技術の概要
厚さ50μmの金属箔(例えばAl)にマイクロニードルの流路形状を周囲を残してレーザ(UV)でくり抜く、その後に箔の両面を樹脂ラミネート(厚さ50μm、ポリイミド+エポキシ樹脂)を施す。三層のままレーザでニードル部と吸入部を同時にくり抜く。
従来技術・競合技術との比較
従来は個別に加工したフィルムを張り合わせていたが、本発明は、三層一緒にレーザでくり抜くことで、皮膚に刺さり易いシャープな形状の微細針を高速で安価に製造することができる。レーザ加工時の熱が金属箔に残こり、糊しろが少ない針の両端再付着ができる。また、中央の金属箔に電気を流すことができ薬物の注入ができる。
新技術の特徴
・皮膚に対して容易に突き刺すことができる
・十分な量の薬剤を確実に皮膚内に送り込むことができる
・容易に製造できるように工夫したマイクロニードルを提供する
想定される用途
・血液検査
・ワクチン投与
・糖尿病治療
関連情報
・サンプルあり
- 情報
2)ロボットパートナーのための自然なコミュニケーション技術
首都大学東京 システムデザイン学部 知能機械システムコース 教授 久保田 直行
新技術の概要
人間と自然なコミュニケーションを行うためには、様々なコミュニケーション技術が必要であり、スマートデバイスを用いたロボットパートナーに必要な内蔵センサの利用技術や画像処理技術、対話システムなどの要素技術と、それらを体系的に用いる方法論である。
従来技術・競合技術との比較
様々なコミュニケーションロボットに関する開発が行われているが、音声認識と音声発話、人工知能に基づくライブラリが中心であり、本技術では、具体的な応用事例を想定した様々な実装方法に関する要素技術とそれらを体系化した方法論としてモデル化されており、すぐにでも実用化できる点が特徴である。
新技術の特徴
・時間依存発話システムを含む多様な対話システム
・スマートデバイス内蔵センサを用いたロボット化システム
・スマートデバイス内コンテンツ連動型コミュニケーションシステム
想定される用途
・高齢者や子供の見守り
・オフィスでの受付、レストラン・店頭案内
・ショッピングセンターや空港での案内・誘導
関連情報
・サンプルあり
- 計測
3)防災は「色で歪みがわかる」光ファイバーセンサー
電気通信大学 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 准教授 古川 怜
新技術の概要
本技術は、ビルやトンネルなどの構造物における歪を目視で検出することができる新規の光ファイバーセンサーであり、色素を添付した特定の構造を有し、歪などの応力が加わると、出射光の「色」が肉眼でわかるほどに変化することを特徴とし、シールドトンネルの採掘事故を防止する目的としている。
従来技術・競合技術との比較
従来の光ファイバー歪みセンサーの多くは、波長解析を必要とするため、それゆえ高コストになりがちであった。本技術は、目視や単純な光強度の増減により歪みを検知するため、より直感的に歪みを観測することができ、システムの低コスト化にも有効となることが見込まれる。
新技術の特徴
・高価な計測器や熟練技術者が不要で、低コスト化することができる。
・光源として太陽光を利用できる現場では、電力供給が不要。
・複数のセンサーを敷設することで、広い領域のモニタリングが可能。
想定される用途
・トンネルにおける掘削中の安全管理。地下鉄の内壁なども有効
・家屋の地震前後の歪みの程度がわかる(住人みずからが点検できる)
・軽量強化材料の破損や歪みの管理(炭素繊維製のボンベや車体など)
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
・外国出願特許あり
- 情報
4)ハイコストパフォーマンスを実現するデータ駆動の制御・予測・推定方式(FRIT)
電気通信大学 情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 教授 金子 修
新技術の概要
装置やシステムの動作を高いコストパフォーマンスで制御できる新方式(FRIT)を紹介する。数理モデル化の時間やコストの削減に加えて、装置やシステムの最適制御や消費電力の削減、さらに特性の予測や推定ができる。なお、2015年の計測自動制御学会の制御部門で「パイオニア技術賞」受賞。
従来技術・競合技術との比較
従来方式では、制御対象の特性を数理モデル化することが不可欠であったが、本方式では数理モデル化は不要で、動作中のデータを利用して装置やシステムを直接制御する。
新技術の特徴
・数理モデル化が不要で、データから直接リアルタイム制御ができる。
・一組のデータのみで所望の制御や精密な応答予測ができる。
・制御や予測に加えて、異常検出や状態推定も同時にできる。
想定される用途
・工場の生産設備やプラントなどの社会インフラの制御
・自動車や家電など複雑な特性を有する機器の制御
・運用中のデータを利用した迅速な保守更新
関連情報
・デモあり
- 製造技術
5)ひずみ速度感受性指数(m値)を二次元切削で取得する方法
芝浦工業大学 工学部 機械機能工学科 教授 青木 孝史朗
新技術の概要
金属材料の変形および加工性に関係した材料特性値であるひずみ速度感受性指数(m値)等を二次元切削を利用して取得する。この時、切削におけるせん断は単一のせん断面で生じるのでは無く、せん断ひずみが徐々に変化する変形領域を持つとして求める。流れ形の切りくずが得られる場合なら、ほぼ制約無く取得可能である。
従来技術・競合技術との比較
通常m値を求める場合はひずみ速度を変えた引張試験を用いるが、切削加工のような大ひずみ速度を一般的な引張試験機で再現することは難しい。高速ねじり試験機によって切削現象に近い状態を再現させる手法も試みられているが、実験には特殊な装置や複雑な計算を必要とするため現実的な手法とは言えない。
新技術の特徴
・材料を削り、その切りくず形状と切削抵抗から各種の材料特性値を取得する。
・ひずみ速度を一定にする引張試験機など高価な装置は不要である。
・流れ形切りくずが得られる二次元切削条件であれば実施可能である。
想定される用途
・加工履歴などが不明で材料特性が分らない金属素材の評価を容易に行なう。
・有限要素ソフトウエアの材料モデル構築に対して、得られた材料特性値を利用する。
・得られた材料特性値を利用して、適切な加工条件を提案する。
関連情報
・サンプルあり
- 情報
6)公開鍵暗号方式を用いた制御システムのサイバーセキュリティ強化技術
電気通信大学 情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授 小木曽 公尚
新技術の概要
公開鍵暗号方式の一つであるElGmal暗号を制御システムに組み込むことで、PIDゲインパラメータとフィードバック信号を暗号化するだけでなく、暗号文のまま制御入力を直接演算可能な暗号化制御アルゴリズムであることを特徴とする、暗号化制御システムおよび暗号化制御、並びにプログラムに関する。
従来技術・競合技術との比較
従来のPID制御では、いったん復号した後に演算処理するため、セキュリティー面で課題がある。本技術は暗号文のまま制御入力を直接演算可能であり、本演算による制御性能への影響は殆ど見られず、制御演算のリアルタイム性も保証される。
新技術の特徴
・信号だけでなく、コントローラのゲインなどの制御パラメータも暗号化できる。
・制御入力の演算に復号が不要であり、暗号文のまま演算が可能である。
・制御器内部に秘密鍵を保存する必要がなく、セキュリティ対策ができる。
想定される用途
・サイバーセキュリティ対策:発電プラント、化学プラント、自動車車内制御ネットワーク、ドローン(遠隔制御) など
・リバースエンジニアリング対策:医療機器、自動車、宇宙開発・探索技術など
- エネルギー
7)水和物系蓄熱材の過冷却解除技術の開発と蓄熱システムへの応用
青山学院大学 理工学部 機械創造工学科 教授 熊野 寛之
新技術の概要
空調用の蓄熱材として期待されている臭化テトラブチルアンモニウム水和物は、大きな過冷却を生じるため、過冷却を回避することを目的とした過冷却解除技術の開発と、流動性を有した蓄熱材、熱輸送媒体として基礎特性の把握を行った。
従来技術・競合技術との比較
従来の臭化テトラブチルアンモニウム水和物に対する過冷却解除技術は、水和物結晶を保持するなどの方法であり、エネルギー面で負荷の大きなものであったのに対し、本技術では蓄熱材内部に電極を設置するという簡便な方法で過冷却の解除を実現している。
新技術の特徴
・従来技術と比較して簡易なシステムでの過冷却解除技術
・本技術を活用した熱輸送媒体の開発
・蓄熱材としての基礎特性の把握
想定される用途
・蓄熱材
・空調システム
- 医療・福祉
8)抵抗トルク呈示による機器操作の支援とその応用
埼玉大学 大学院理工学研究科 人間支援・生産科学部門 助教 楓 和憲
新技術の概要
本技術は、磁性粉体ブレーキと回転角センサをもった関節で構成され、受動的な動作を特徴とするリンク機構の設計および実用化をするものである。2リンクのアーム、ハンドルの回転操作、さらにジョイスティック操作に対して、抵抗トルクを呈示可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来の能動的な力覚フィードバックと比較して、操作者の動きに対してのみフィードバックが可能である点が異なる。また出力する抵抗トルクの設定変更が容易であるため、使用者が自ら利用状況や嗜好に合わせて設定を変更することで、操作の支援や操作に対する満足感の演出が可能である。
新技術の特徴
・人間の意思を反映可能なセミオートマチックな操作入力系
・力覚フィードバックと異なり、本質的に安全
・使用者の好みに適合できるカスタマイズ性
想定される用途
・レバー操作、ジョイスティック操作入力の支援
・ペダル操作の操作感向上
・ヒューマンエラー回避
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
首都圏産業活性化協会 産学連携・研究開発部
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URL:http://www.tamaweb.or.jp/
電気通信大学 産学官連携センター
TEL:042-443-5871 FAX:042-443-5726Mail:onestopsangaku.uec.ac.jp
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埼玉大学 先端産業国際ラボラトリー
TEL:048-714-2009 FAX:048-714-2038Mail:hiugr.saitama-u.ac.jp
URL:http://www.saitama-u.ac.jp/aiit/
青山学院大学 相模原キャンパス事務部研究推進課
TEL:042-759-6056 FAX:042-759-6042Mail:kenkyuusienuaoyamagakuin.jp
URL:http://www.aoyamagakuin.jp/
芝浦工業大学 研究推進室 研究企画課
TEL:03-5859-7180 FAX:03-5859-7181Mail:sangakuow.shibaura-it.ac.jp
URL:http://www.shibaura-it.ac.jp/research/academic_industrial_collaboration/index.html
東洋大学 研究推進部 産官学連携推進課
TEL:03-3945-7564 FAX:03-3945-7906Mail:ml-chizaitoyo.jp
URL:http://www.toyo.ac.jp/site/ciit/
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