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首都大学東京 新技術説明会

日時:2017年07月11日(火) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、首都大学東京

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 製造技術

1)レアメタル不要で高性能な可視光応答型光触媒ガラス

首都大学東京 大学院 理工学研究科 分子物質化学専攻 准教授 久冨木 志郎

新技術の概要

本発明の光触媒ガラスは、材料に高価なレアメタルを一切使用せずに、入手が容易なスズを原材料とするスズ含有ケイ酸塩を用いることで、安価で製造可能である。さらに、可視光によって、従来のアナターゼ型チタン光触媒ガラスと遜色のない高触媒活性を有する。

従来技術・競合技術との比較

従来の光触媒ガラスの材料であるアナターゼ型二酸化チタンは、高価なレアメタルを用いているためコストが高く、広く普及はされていない。

新技術の特徴

・材料にチタンを一切用いず、安価なスズを原材料に光触媒ガラスを作成する
・アナターゼ型二酸化チタンよりも合成がはるかに容易である
・高価なレアメタルであるチタンを用いず、かつ合成が容易であるので、製造コスト削減も可能となる

想定される用途

・高層ビル等向けの低メンテナンス光触媒ガラス
・浄水施設、浄水システムで用いる光触媒ガラス
・従来品と同性能で、かつ安価な光触媒ガラス

関連情報

・サンプルあり

  • 製造技術

2)ボロン酸の新たな可能性! ポリビニルアルコール(PVA)固体表面に機能を描画できるインクの提案

首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 分子応用化学域 助教 西藪 隆平

新技術の概要

ボロン酸がPVAに室温かつ添加剤等不要で結合できる特徴を利用した、PVA表面修飾手法である。これまでの煩雑な修飾操作が解消でき、簡便に表面修飾できるので、PVAの多様な利用推進に貢献できうる。

従来技術・競合技術との比較

従来の固体PVA表面修飾では多段階の活性化剤処理だけでなく表面修飾の際の溶媒処理等も必要など、表面修飾完了まで煩雑な操作が伴っている。これに対して、本技術はボロン酸を用いて固体PVAの表面を直接化学修飾するため、一連の表面修飾処理を非常に容易に行うことできる。

新技術の特徴

・固体のPVA表面を一段階で簡便に化学修飾できる
・様々な形状の固体PVA表面でも修飾可能で、一連の修飾操作が容易
・化学修飾剤(インク)として用いるボロン酸は水やアルコールと反応しないので取り扱いが容易
・ボロン酸は反応不活性で腐食性が低いので、インクジェットプリンタなど種々の描画装置に実装できる

想定される用途

・細胞培養基材、細胞パターニング、人工生体材料、創傷被覆材
・重金属イオン吸着材や貴金属イオン回収材など各種吸着材料
・燃料電池の固体高分子電解質膜、分離膜、分離材

  • 材料

3)熱電モジュールの小型化を可能にする! 低熱伝導熱電変換材料

首都大学東京 大学院 理工学研究科 物理学専攻 准教授 水口 佳一

新技術の概要

本発明の熱電変換材料は、ビスマスとカルコゲンとによる伝導層を有し、室温付近から約500℃の高温域まで幅広く使用でき、かつ非常に低い熱伝導率を有するため小型モジュール作製に有効な新物質である。

従来技術・競合技術との比較

従来の熱電変換材料は、出力因子を向上させたものが主流であり、比較的高い熱伝導率のため小型モジュール作製が困難であった。しかし、本発明の熱電変換材料は、新原理による低熱伝導率を有するため、室温から約500℃の高温領域で小型モジュールを作製できうる。

新技術の特徴

・室温の低温域から約500℃の高温域まで、幅広い温度領域で使用できる熱電変換材料
・層状構造を有するため、物性の制御が可能な熱電変換材料
・非常に低い熱伝導率を有し、モジュールの小型化に適した熱電変換材料

想定される用途

・工場、プラント等におけるメンテナンスフリーなセンサー電源
・ウェアラブルデバイス
・小型の熱電モジュール

  • 材料

4)大細孔周期で細孔配列規則性の高いポーラスアルミナ製造方法

首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授 柳下 崇

新技術の概要

本発明によるポーラスアルミナは、これまでは不可能であった細孔周期が720nm以上とこれまでにない大きさを有している、新しい高規則性多孔性材料である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術の陽極酸化条件で得られる高規則性ポーラスアルミナは、細孔周期が710nmより大きくできないといった問題点を有したが、本発明技術を用いれば、細孔周期1μmの規則性ポーラスアルミナを得ることができる。

新技術の特徴

・細孔周期が720nm以上あり、細孔配列規則性に優れたホールアレー構造を形成することが可能
・大面積化や曲面に対しても適用可能
・細孔サイズ均一性が高いことから、分離膜をはじめ様々な機能性デバイスに応用できる

想定される用途

・大面積や曲面も利用できる精密ろ過フィルター
・大面積や曲面も利用できる高密度磁気記録媒体・光学デバイス
・大面積や曲面も利用できるセンサー・触媒

  • 材料

5)金属リチウムに対する耐還元性を有し、製造容易な新規リチウムイオン伝導性材料

首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授 梶原 浩一

新技術の概要

本発明のリチウムイオン伝導性材料は、新規なリチウム系化合物であり、金属リチウムに対する耐還元性を有する。また、熔融急冷-結晶化法によりほぼ完全結晶化した結晶化ガラスを容易に合成でき、室温で~10-5 S cm-1の伝導度を示す。

従来技術・競合技術との比較

本材料は、従来のリチウムイオン伝導性材料における、金属リチウムと接触時の還元分解、緻密化に必要な高い焼結温度、リチウムの揮発によるリチウム欠損などの課題を克服しうる。

新技術の特徴

・金属リチウムに対する耐還元性を有する新規リチウム系化合物
・熔融急冷-結晶化法によって容易に合成可能
・融液・前駆体ガラスを経由するため組成制御と緻密化が容易

想定される用途

・固体電解質
・電極-電解質複合体
・これらを用いた二次電池、センサー、エレクトロクロミックデバイス

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

首都大学東京 URA室

TEL:042-677-2759 FAX:042-677-5640
Mail:soudanmlアットマークjmj.tmu.ac.jp
URL:http://tmu-rao.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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