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東北大学 新技術説明会

日時:2018年02月08日(木) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東北大学

後援:特許庁、株式会社東北テクノアーチ

発表内容詳細

  • 情報

1)情報を柔軟に活用するためのユーザインタフェース技術2件

東北大学 電気通信研究所 教授 北村 喜文

新技術の概要

①写真などのコンテンツをインタラクティブに柔軟に集めたり並び替えたりして表示できるソフトウエア。生物の動きを模倣したアニメーション表示が心地よい。
②モバイルカメラによるマルチデバイス間アプリケーション共有を実現するソフトウェア。あるデバイスで動いているアプリケーション画面を撮影するだけで、それを撮影したモバイル上で操作することができる。

従来技術・競合技術との比較

①従来技術に比べ、非画一的で柔軟な情報コンテンツ群の表示が可能。
②従来技術に比べ、簡単で素早く正確なリモート操作や情報共有が可能。

新技術の特徴

①利用者の操作とそれによる写真の動きの柔軟性とインタラクティブ性
①生物の生存原理も基づくアルゴリズムで柔軟性を実現
②モバイルデバイスに標準装備化しつつあるカメラで撮影するだけでデバイス間のアプリケーション共有を実現
②アプリケーション共有確立までのオーバヘッドが短く、操作はモバイル側とホスト側で同期される

想定される用途

①発想支援、共創ツール
①インタラクティブデジタルサイネージ
②アドホックなミーティングでの情報共有
②社内や教育現場等での情報共有

関連情報

・デモあり
・外国出願特許あり

  • エネルギー

2)次世代スマートシティを支える不燃・長寿命なバナジウム擬固体電池

東北大学 金属材料研究所 准教授 山村 朝雄

新技術の概要

発表者が発明したバナジウム擬固体電池は、有機溶媒を使用せず不燃であり、大電流の充放電が可能な上、サイクル寿命が長いという際立つ特徴がある。バナジウムは希少な資源ではなく十分な供給を確保できる上、活物質は単純な構成でバナジウムの回収が容易であり低コストである。この技術は住宅・産業機器における再生エネルギーの生産と消費の結節ポイントに好適で、現在高騰が進むリチウムイオン電池の代替電池として膨大な電池の供給が可能で、次世代スマートシティを支えるものとなる。

従来技術・競合技術との比較

リチウムイオン電池と異なり有機溶媒を使用せず不燃という安全性から住居家屋への組み込みが可能となる。現在主流の電池がリチウムイオン電池のみであることからリチウム資源が高騰しているが、バナジウム電池は資源的にも開発余地が大きい上、当該電池のリサイクル性から、資源面での強みが発揮できる。鉛蓄電池との比較でエネルギー密度で上回ること、大電流が可能であるとの長所に加え、将来的には鉛電池は毒性から禁止となると見られ、バナジウム電池が受け皿になると見られる。

新技術の特徴

・安全性(毒性がないこと、不燃性)
・供給安定性(資源面の開発余地、リサイクル性)
・桁外れのサイクル特性

想定される用途

・住宅家屋内での蓄電(格段の安全性、優秀なサイクル特性)
・無停電電源装置(高い信頼性)
・産業輸送機器(大電流、メンテナンスフリー)

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 材料

3)高レーザ吸収複合粉末の開発と3Dプリンター利用による表面改質技術

東北大学 大学院工学研究科 材料システム工学専攻 准教授 野村 直之

新技術の概要

金属粉末とセラミックス粉末を静電気的に結合させた複合粉末を開発した。この粉末のレーザ吸収率は金属粉末よりも高くレーザを熱源とする3Dプリンターに適用可能である。得られる造形体の表面にセラミックス層を形成させることが可能であり、効率よく表面改質を行うことが出来る。

従来技術・競合技術との比較

従来の金属・セラミックス複合粉末はセラミックスによりレーザーが反射し溶融が阻害されるために3Dプリンターへの適用が困難とされていた。本技術により作製した複合粉末はレーザ吸収率の向上により造形を阻害しない。加えてこれまで他技術により施工していた表面改質を同時に行う点に優位性がある。

新技術の特徴

・金属とセラミックスの複合粉末を作製可能
・複合化によるレーザ吸収率の向上
・3Dプリンターにより造形体表面に緻密なセラミックス層を付与可能

想定される用途

・金属3Dプリンター用原料粉末
・高温耐熱部材
・3セラミックス被膜が必要な金属材料

関連情報

・外国出願特許あり

  • 環境

4)伝熱面の機械的制御による潜熱蓄熱の革新的高速熱交換技術

東北大学 多元物質科学研究所 サステナブル理工学研究センター 助教 丸岡 伸洋

新技術の概要

「潜熱蓄熱法」は未利用熱有効利用に重要な技術であるが、伝熱面に生成する凝固相のため放熱速度が遅い。伝熱管を回転させ、隣接する固定羽根により凝固相を機械的に「剥ぎ取る」機構により、約100倍の放熱速度を達成した。

従来技術・競合技術との比較

潜熱蓄熱の放熱速度改善は古くからの課題で、潜熱蓄熱材に高熱伝導率物質を分散させる、伝熱管にフィンをつける等の検討がなされてきたが、その効果は限定的である。本提案技術は、強い伝熱抵抗を示す凝固層を機械的に除去し、伝熱面を連続的に更新するので伝熱特性の飛躍的な向上を実現した。

新技術の特徴

・機械的に伝熱面を更新するため、伝熱速度が非常に高い。
・蓄熱槽内の蓄熱材がスラリー状に凝固するため、熱利用率が高い。
・本機構は様々な潜熱蓄熱材と組み合わせ可能。

想定される用途

・排熱回収用潜熱蓄熱プロセス
・高粘性流体やスケールがつきやすい流体の加熱、冷却プロセス
・自動車用蓄熱式熱交換器

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

5)シリサイドナノ粒子:新しいナノ材料の合成と応用

東北大学 大学院環境科学研究科 先端環境創成学専攻 助教 轟 直人

新技術の概要

シングルナノサイズのシリサイドナノ粒子とそのドライプロセス製造法を開発した。従来の湿式合成法ではほとんど不可能なシリサイドナノ粒子合成にドライプロセス法を用いて成功した。シリサイドナノ粒子は他に報告例がなく、触媒等に限らず様々な用途へ応用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、例えば燃料電池電極触媒として利用される白金合金について、パラジウムなどの希少元素の使用量削減が課題であった。本開発技術により、地殻埋蔵量の多いシリコンを合金化元素とし、市販触媒に対し高い触媒活性と耐久性を兼ね備えることに成功した。

新技術の特徴

・液相法では得られないシリサイドナノ粒子
・安価な合金化元素(シリコン)を使用した高い触媒特性
・ドライプロセスの特徴を活かし、組成・粒径の調整も容易

想定される用途

・燃料電池用電極触媒材料
・半導体デバイス用電極材料
・高耐食性皮膜、表面改質

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東北大学 産学連携機構 総合連携推進部

TEL:022(217)6035 FAX:022(217)6047
Mail:liaisonアットマークrpip.tohoku.ac.jp
URL:http://www.rpip.tohoku.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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