会津大学 新技術説明会
日時:2018年03月06日(火) 13:25~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、会津大学
後援:特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- 情報
1)前方に移動する単一車載カメラの動画像からの静止・動的距離の動画像再構成
会津大学 理事長兼学長 岡 嶐一
新技術の概要
視野の前方に移動するカメラによる動画像には、前方風景についてよく知られた運動視差の現象がある。近いものほど放射方向に早く動く現象である。この現象を画素の運動軌跡として抽出し、かつその軌跡を実際の距離に変換する方式を提案する。これにより、前方視野の風景を、静的・動的距離の動画像として再構成する。
従来技術・競合技術との比較
従来の距離センサーは、主として、レーザー、超音波、赤外線、ステレオビジョンに基いていた。これに代替または併用する、単一動画から作成される距離動画としてのセンサーを提案する。この距離動画のセンサーは、車などの前方風景の静的・動的距離風景を、動画の各フレーム画像の各ピクセルで距離を与えるものである。
新技術の特徴
・車載カメラによる単一動画による前方のリアルタイム静止・動的距離動画の再構成
・動画による広域の3次元地図作成
・簡単なアルゴリズムで実装が容易
想定される用途
・車の自動運転のための距離動画センサー
・車の自動運転のための動画による3次元地図作成
・ドローンの自動飛行のための距離動画センサー
関連情報
・デモあり
- 情報
2)データ共有に基づく再現可能なステガノグラフィー技術
会津大学 コンピュータ理工学部 コンピュータ理工学科 教授 趙 強福
新技術の概要
再現可能なステガノグラフィーを実現するためには、秘密データの保管方法だけではなく、そのデータ量をできるだけ抑えることも重要である。本技術は、送信者と受信者が同じ「単語帳」を共有することによって、文書、画像、音声などの秘密データをインデックス列に変換する。そして、ロスレス圧縮方法を利用してデータ量をさらに減らす。
従来技術・競合技術との比較
従来の技術は、秘密データの保管方法に様々な工夫をすることによって秘密データとカバー画像の再現を図っていた。本技術は新しいデータ圧縮方法を提案し、それをもとに、隠せる秘密情報のデータ量を5倍程度増やしたり、データ量をキープしてより画質の良いカバー画像を再現したりすることができる。
新技術の特徴
・単語帳データの共有
・ロスレスデータ圧縮の採用
・カバー画像の高精度再現
想定される用途
・遠隔医療
・秘密データ通信
・情報セキュリティ
- 情報
3)心電図を用いた呼吸検出方法
会津大学 コンピュータ理工学部 コンピュータ理工学科 上級准教授 朱 欣
新技術の概要
本技術は、単一誘導心電図から心電図成分を除去し、呼吸に関連する筋電図を抽出し、呼吸波形を推定する。手術中・手術前後など、在院中の患者の呼吸計測及び監視や、日常睡眠における睡眠時無呼吸症候群の睡眠障害者の呼吸数・心拍数監視、日常生活における慢性閉塞性肺疾患、喘息などの呼吸障害患者の呼吸数・心拍数監視などに応用できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の呼吸計測方法は呼吸センサーを装着するため、患者に不快感を与えるうえ、日常生活での長時間監視には向かない。また、心電図から呼吸導出する方法は、心電図の特徴を利用するため、導出した呼吸波形は二次情報となってしまう。本技術では、これらの課題を解決することができる。
新技術の特徴
・単一誘導心電図から心電図信号を完全に除去し、呼吸筋の活動量を示す筋電図を用い、呼吸波形を推定する。
・睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングができ、中枢タイプ、閉塞タイプ、混合タイプの分類もできる。
・従来の心電図計のハードウェアは変更せず、解析プログラムを追加すれば呼吸計測が可能となる。
想定される用途
・長時間の呼吸監視システム
・日常生活においてウェアラブル装置を用いた呼吸モニタリング
・睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング、慢性閉塞性肺疾患、喘息などの疾患のモニタリング
関連情報
・展示品あり
- 情報
4)手書き文字を自由に認識・記録するデバイス
会津大学 コンピュータ理工学部 コンピュータ理工学科 准教授 荊 雷
新技術の概要
この技術は、指先にセンサーを取り付けることで手書き文字を認識するものである。専用のペンやタブレット等を必要としないため、機器や書き場所の制約を受けない自由な文字認識が可能である。
従来技術・競合技術との比較
既存の手書き入力手法と比較して、任意のペンや指だけでどこでも入力が可能であること、また、アナログとデジタル情報を同時に記録できることが挙げられる。
新技術の特徴
・紙やパネルのサイズに関わらず、自由に手書きが可能
・持ち歩きしやすい
・場所や手書き平面などに制限されない
想定される用途
・工場など手袋で作業する場所
・学校で、教師のホワイトボート手書き情報を自動記録
・日常生活において、様々な場面に利用可能性がある
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 情報
5)電力効率と性能効率の良い深層学習アレイプロセッサ
会津大学 コンピュータ理工学部 コンピュータ理工学科 准教授 富岡 洋一
新技術の概要
畳込みニューラルネットワークの計算において多くの割合を占める畳込み層の計算を最小ステップ数で実行する、低消費電力かつリアルタイム処理に適した3次元アレイプロセッサの構成とそのデータ転送手法について発表する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では外部メモリとの多くの通信を要するが、本技術はデータを3次元アレイプロセッサ内部でデータを循環させることで外部メモリとの通信を削減する。また、従来よりも並列度の高い計算を実現可能であり、低動作周波数、低消費電力でのリアルタイム処理の実現に適している。
新技術の特徴
・畳込み演算の大規模並列処理
・3次元アレイプロセッサ内部でのデータ循環による外部メモリとの通信量削減
想定される用途
・エッジノードにおける画像認識のリアルタイム処理
・バッテリ駆動のIoTデバイスにおける低消費電力処理
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連携・ライセンスについて
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