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ライフサイエンス分野 新技術説明会

日時:2019年03月07日(木) 09:55~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、岩手大学、弘前大学

後援:特許庁、関東経済産業局、岩手ネットワークシステム、ひろさき産学官連携フォーラム

発表内容詳細

  • 創薬

1)安定維持可能なラット不死化細胞株

岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 教授 福田 智一

新技術の概要

ヒト由来の変異型CDK4, cyclinD, TERTをラット線維芽細胞に強制発現させて不死化細胞を樹立した。従来のE6E7遺伝子等の導入による不死化細胞技術と異なり、染色体の倍数化を伴わず初代培養細胞に限りなく近い性質を示す。本技術により、薬剤の評価系をはじめ、実験動物として有用なラットの安定維持可能な不死化細胞の提供が可能となった。

従来技術・競合技術との比較

これまでの不死化細胞技術(化学物質による発がん、SV40Tやヒトパピローマウイルス由来のE6E7遺伝子の導入など)と異なり、染色体の倍数化をともなわないため、初代培養細胞に限りなく近い性質を示す。従来のE6E7遺伝子の挿入による不死化細胞では幹細胞の維持が不可能であったが、本技術により解決した。

新技術の特徴

・初代培養細胞に限りなく近い性質を示すラットの不死化細胞技術
・ヒト由来の変異型CDK4, cyclinD, TERTをラット線維芽細胞に強制発現させ不死化細胞を樹立
・初代培養細胞(野生型細胞)は培養維持を続けると細胞増殖が停止するが、本技術により不死化に成功

想定される用途

・薬効や毒性評価の評価系として使用
・幹細胞を維持するための支持細胞(Feeder細胞)としての利用
・無限増殖能力を持つため、in vitroでゲノム編集(例えば薬剤耐性遺伝子の導入や、P450の様な代謝関連遺伝子の欠損)を行った細胞株の樹立も可能

関連情報

・サンプルあり

  • アグリ・バイオ

2)サケ鼻軟骨抽出プロテオグリカンの抗炎症作用

弘前大学 大学院医学研究科 生体高分子健康科学講座 特任教授 中根 明夫

新技術の概要

プロテオグリカンは複合糖質のひとつで、コアタンパクとそれに結合するグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖)からなり、細胞外マトリックスの主な構成要素として、皮膚、軟骨、骨、血管壁などに広く存在する。プロテオグリカンは保水性に優れていることから新規の機能性成分として注目されている。我々は、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンの多様な生理活性を解明し、新たな抗炎症作用を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

抗炎症作用等の生理活性において、コラーゲン、ヒアルロン酸などの競合品と比べても、少量で高い効果が見込まれる。

新技術の特徴

・腸内マイクロビオータのバランス改善
・新たな抗炎症作用

想定される用途

・健康食品、化粧品、サプリメント
・医薬品
・医薬部外品

  • アグリ・バイオ

3)初冬播きによる超省力化水稲栽培技術

岩手大学 農学部 植物生命科学科 准教授 下野 裕之

新技術の概要

農家の高齢化が進む中、低コスト・大規模化技術としての直播栽培が注目されているが、北日本では雪解けまで春作業が行えず、従来技術では生産が不安定で普及していなかった。そこで乾燥籾への鉄コーティング技術を確立し、「乾田直播」とし、かつ「前年の冬に播く栽培」に用いるとともに、越冬後の高い発芽率を実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来は、農業の繁忙期である春の雪解け後に鉄コーティング種子を直播きしていたが、本技術によれば、乾燥籾に鉄コーティングした種子を農閑期である前年の降雪前の晩秋に播種することで、種子の越冬を可能とし、春の繁忙期の作業量を低減することが可能となった。

新技術の特徴

・乾燥籾への鉄コーティングによる種子の越冬を可能とした
・前年の初冬直播栽培により、雪解け後の繁忙期の作業量低減を可能とした

想定される用途

・初冬直播き栽培用鉄コーティング種子の販売
・栽培技術の技術指導

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

4)糖質に依存しないムコン酸のバイオ生産

弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科 准教授 園木 和典

新技術の概要

リグニン由来のフェノール類からcis,cis-ムコン酸(ccMA)を効率よく生産する微生物株を開発した。本微生物株を用いることで針葉樹、広葉樹、草本のバイオマス種に限定されることなく、リグニンのみを用いて微生物の増殖およびccMAに代表されるポリマー原料有用物質の生産を可能にする。

従来技術・競合技術との比較

バイオマス利用の多くは糖質を使用するが、食料との競合や将来的な需要過多を考慮した場合に、糖質を使用せずリグニンのみで有用物質を生産できることはコスト面で優位である。リグニンの不均一な構造が利用の障壁であったが、本技術では微生物を利用して特定の化合物に収束し、石油由来既存物質の代替材料として活用することを目的としている。

新技術の特徴

・糖質を使用せず、リグニンのみで増殖し、ポリマー原料を生産する。
・バイオマス種に限定されにくい微生物株の開発に成功。
・保有している微生物株は、実バイオマスによるccMAの生産を確認済。

想定される用途

・ポリマー原料
・医薬品原料

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立大学法人岩手大学 研究推進機構プロジェクト推進部門

TEL:019-621-6494 FAX:019-604-5036
Mail:ipttアットマークiwate-u.ac.jp
URL:http://www.iwate-u.ac.jp/kenkyu/index.html

国立大学法人弘前大学 研究・イノベーション推進機構

TEL:0172-39-3178 FAX:0172-36-2105
Mail:chizaiアットマークhirosaki-u.ac.jp
URL:https://www.innovation.hirosaki-u.ac.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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