スマートテクノロジー 新技術説明会(1)
日時:2018年06月07日(木) 13:30~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、岐阜大学、三重大学
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 材料
1)ゼオライト含有フィルムを用いたゼオライト膜の合成
岐阜大学 大学院自然科学技術研究科 物質・ものづくり工学専攻 准教授 近江 靖則
新技術の概要
本発明は、ゼオライト含有フィルムを合成し、それを基材に巻きつけるだけで、無機多孔質管状支持体表面にゼオライト粉末を塗布する可能な方法で、分離膜の製造方法に係わる重要な技術である。
従来技術・競合技術との比較
生産技術の観点からは、従来の種結晶塗布よりも簡便で、種結晶量を自由自在制御できることから、人による誤差など再現性に乏しかったゼオライト膜合成が飛躍的に向上することが想定され、ゼオライト膜の形成コストの低減に寄与することが大いに考えられる。
新技術の特徴
・ゼオライト含有フィルム
・簡易
想定される用途
・ゼオライト膜の合成
・ナノ粒子の塗布
関連情報
・展示品あり
- 材料
2)脱プロトン化-1ケイ素鎖伸長によるポリシランの新規合成法
岐阜大学 大学院自然科学技術研究科 物質・ものづくり工学専攻 准教授 成瀬 有二
新技術の概要
シランからの脱プロトン化および1ケイ素鎖伸長反応によるポリシランの新規合成法。1ケイ素鎖ユニットをつなぎ合わせる回数を制御することで望む鎖長を、ケイ素鎖ユニットを変えることで分岐などを自在に導入できる可能性があることを特徴とする。
従来技術・競合技術との比較
従来のポリシランの合成法では望む鎖長を持ち、望む位置に分岐を作ることが難しく、各小分子ユニットを合成し、それを中程度の収率でしか得られないカップリング反応を多段階行うことによって組み立てるしかなかった。それに対して、今回の合成法では1ケイ素ユニットを連続して連結していくことでこのような分子の合成を容易にする。
新技術の特徴
・脱プロトン化-1ケイ素鎖伸長によるオリゴ-、ポリシランの合成
・従来では困難であった望む鎖長をもち、望む位置に置換基を導入できる合成法
・分子素子への応用に際し必要な繰り返しのないオリゴシランを容易に合成できる
想定される用途
・光学材料
・分子素子としての電子機能材料
・分子構造を規定した機能材料としてのブロック共重合体、グラフト共重合体のポリシラン
- 計測
3)環状構造物各部の変位計測技術
三重大学 大学院工学研究科 情報工学専攻 教授 成瀬 央
新技術の概要
本技術では、環状構造物を微小な真直梁の集合体とみなし、これまでの真直梁の変位計測方法を環状構造物の変位計測方法に拡張している。環状構造物の内周と外周のひずみを計測し、そのひずみから構造物各部の変位を計測する。
従来技術・競合技術との比較
代表的な従来技術は、画像処理と力学的解析に基づく技術である。前者は環状構造物内部にカメラやレーザを設置する必要あるため、トンネルなど内部空間を利用する構造物の常時モニタリングが困難である。後者は外力の情報が必要であるため、通常その情報が未知な構造物に対して適用が困難である。
新技術の特徴
・環状構造物の内部空間を占有しないため、内部空間を利用するトンネルなどの構造物に適用可能である。
・変位計測にあたって外力の情報が不要である。
・簡単な計算で各部の変位計測を行うことができる。
想定される用途
・各種トンネルやパイプ、タンクなど環状構造物の変状モニタリング
・環状構造の乗り物(航空機や鉄道車両)などの変状モニタリング
関連情報
・サンプルあり
- 材料
4)電場集泡マイクロバブル法による炭素繊維強化熱可塑性樹脂の高強度化
岐阜大学 大学院自然科学技術研究科 物質・ものづくり工学専攻 教授 武野 明義
新技術の概要
水中の微細泡により樹脂や炭素繊維の表面改質を行える。例えば窒素ガスの微細泡を電場で集める技術により、炭素繊維の表面改質が可能となる。これにより、ポリプロピレンとの接着性を改善でき、炭素繊維強化熱可塑性樹脂とした時の曲げ試験の結果が100%向上する。
従来技術・競合技術との比較
マトリックス樹脂を改質したり、特殊なサイジング剤を準備する必要がない。プラズマ処理のような大きな電力を必要としない。環境負荷の高い廃液やガスが一切出ない。電解酸化に比べて僅かな電流量しか流れない。
新技術の特徴
・微細泡を作る装置があれば、水と空気だけで処理ができる。
・ポリプロピレンなど低表面エネルギーの樹脂に対して効果がある。
・微細泡のみを用いた手法に比べて非常に高い効果がある。
想定される用途
・自動車のボディーなど炭素繊維強化熱可塑性樹脂の高性能化
・金属、樹脂、炭素繊維などマルチマテリアルな製品の接着性の向上
・炭素繊維に限らずPPSなどのエンプラの染色、表面改質や表面修飾のための下地処理
- 材料
5)最もポピュラーなセラミックス原料、α-酸化アルミニウムのありそうでなかったナノ粒子
岐阜大学 大学院自然科学技術研究科 物質・ものづくり工学専攻 助教 吉田 道之
新技術の概要
本発明では、独自に開発した反応性の高い前駆体ゾルまたはその乾燥物を、常温から1000℃~1200℃の温度域まで急速加熱し急速冷却することにより、フェレ径が2nm以上20nm未満という非常に微細なα-酸化アルミニウム粒子が得られることを見出した。
従来技術・競合技術との比較
α-酸化アルミニウムは産業界で多用されているセラミックス材料の一つであるが、これを生成するためには、一般に、約1300℃以上という高温で長時間の焼成を施す必要があり、1μmを超える粒子径となってしまう。本発明では、大部分が30nm以下のサイズの、高純度のα-酸化アルミニウム粒子を得ることができる。
新技術の特徴
・硬くて電気を流さず化学的に安定なセラミックスの代表選手
・従来のおよそ1/10のサイズの微粒子
想定される用途
・セラミックス原料
・分離膜の中間層
・触媒担体
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
三重大学 知的財産統括室
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URL:http://www.mie-u.ac.jp/
岐阜大学 研究推進・社会連携機構
TEL:058-293-3183 FAX:058-293-3346Mail:chizaigifu-u.ac.jp
URL:http://www.gifu-u.ac.jp/
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