スマートテクノロジー 新技術説明会(2)
日時:2018年08月16日(木) 12:55~15:30
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、県立広島大学、広島県立総合技術研究所
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 医療・福祉
1)構造適応型深層学習法による異種データの学習速度の向上と深層学習における逐次的データの自動学習
県立広島大学 高度人工知能プロジェクト研究センター センター長 /経営情報学部 教授 市村 匠
新技術の概要
学習中に自己組織化的に最適なネットワーク構造を発見し、高い分類精度を実現する構造適応型深層学習装置(ベンチマークで最良)において、画像や数値等の複数種類の混在データを一度に学習する装置を開発し、30%学習時間を短縮した。
従来技術・競合技術との比較
自動で構造、パラメタを学習中に発見する深層学習アルゴリズムにおいて、画像以外の数値、テキスト等を扱うためには、それぞれ個別に事前に統計処理等が必要であり、処理時間が必要であった。また未知のデータを判別し学習することで異常値等の精度が向上する。
新技術の特徴
・未知のデータに対し、構造適応型深層学習を自動で実行する機能
・自己組織的な深層学習構造ネットワークによる高い分類精度
・数値、テキスト、画像等が混在する異種データを1つのデータとして学習し、学習時間を30%削減する機能
想定される用途
・医療画像、検査値を含む医療データの深層学習や、未知データの自動学習により、異常値判別の精度向上
・IoT等により収集される画像、数値等の複数種類の同時学習
・IoT端末判別により、工場や環境に適した学習システムの構築が可能
- 医療・福祉
2)専門家の目視診断を推定する歩行センシング
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター生産技術アカデミー 製品設計研究部 主任研究員 横山 詔常
新技術の概要
高齢者の歩行の健全性を簡便に評価するシステムを開発した。歩行時の足部の詳細な動きを計測する薄型のセンサシューズから得られたデータと専門家の目視診断による歩行異常性尺度値との関係性を統計手法や機械学習にてモデル化し実現した。
従来技術・競合技術との比較
歩行を評価するシステムは多くあるが、専門家の目視による診断値との関連性が明確ではない。本研究は、専門家の診断値(歩行異常性尺度値)を学習データとして、センサデータから専門家の診断値を推定することに新規性がある。
新技術の特徴
・複雑な足部の動きや変形を計測できる薄型のセンサシューズ
・専門家の目視診断を推定する歩行診断モデル
想定される用途
・転倒予防対策、リハビリテーションでの歩行評価
・研究開発用途(歩行周り製品:靴、靴下、スパッツ、住宅建材等)
・足を活用したインタフェース、インタラクション製品への展開
関連情報
・サンプルあり
- 医療・福祉
3)機能的電気刺激を用いたヒト-ヒト間動作伝達法
県立広島大学 保健福祉学部 理学療法学科 教授 島谷 康司
新技術の概要
従来の療法士の口頭指示や介助によるリハビリテーションでは、理想的な筋収縮状態を患者自身が把握、制御することは困難である。我々はヒトの筋収縮状態を多チャネル筋電位と確率型人工知能モデルを用いて評価し、機能的電気刺激の適応的制御によってヒトからヒトへ関節運動情報を相互伝達する運動学習支援法の開発に成功した。
従来技術・競合技術との比較
電気刺激を使って指先などの関節屈曲状態を制御する方法論は提案されているが、ヒトの動作を多チャネル筋電位から高速・高精度に推定し、その情報に基づいて他者へ関節運動情報(動作、力、タイミング)を直接伝達する方法論は存在しない。また、実際のリハビリテーション支援に応用した事例も見られない。
新技術の特徴
・ヒトからヒトへ関節運動情報を直接体感的に伝達可能
・関節運動と電気刺激の関係をモデル化し電気刺激の電極位置を自動で評価可能
・独自の確率型人工知能モデルに基づいた高精度・高速な動作推定が可能
想定される用途
・医療現場における上下肢機能回復訓練
・療法士-患者間の遠隔リハビリテーション
・在宅における運動機能維持・回復の自主訓練
関連情報
・デモあり
- アグリ・バイオ
4)深紫外線LED光を利用した作物病害防除技術
広島県立総合技術研究所 農業技術センター 生産環境研究部 主任研究員 松浦 昌平
新技術の概要
トマト苗に波長280~290nmの深紫外線LED光を1日あたり0.7~1.4kJ/m2で照射することで,トマトモザイク病 ToMVの発病を、少ない副作用で抑制できる技術。さらに、より実用的な育苗施設で作業者のいない暗期に低照射量(1日あたり0.3~0.4kJ/m2)でトマト苗に照射することで、同様の効果が得られる。
従来技術・競合技術との比較
従来のUVランプによる防除では、農薬でも防除が容易なうどんこ病等の糸状菌病を、比較的広い波長範囲のUV-Bを照射して防除している。本技術は、より狭い範囲の有効波長のみを、ピンポイント的に作物へ照射することにより、農薬による防除が不可能だった作物ウイルス病害をも防除できる。
新技術の特徴
・これまでの糸状菌病ではなく、農薬で防除できないウイルス病を対象としている
・LEDの特性である狭い有効な波長領域のみを照射するためエネルギー効率が良い
・毒性の高いUV-Cを含まない
想定される用途
・太陽光利用のトマトの育苗施設など
・ウイルス病が問題となる作物の育苗床や本圃
・完全閉鎖型の植物工場
関連情報
・サンプルあり
- アグリ・バイオ
5)家畜の生産性を向上させる照明付き飼料給与装置
広島県立総合技術研究所 畜産技術センター 技術支援部 主任研究員 大坂 隆志
新技術の概要
家畜が夜間に飼料を採食する時に、家畜頭部へ光を照射することで、家畜の夜間飼料摂取率や乳量を増加させることができる。夏季に比較的涼しい夜間の飼料摂取率を高めることにより、家畜の暑熱ストレスを軽減することができる。
従来技術・競合技術との比較
従来の全館照明による照射時間の延長で、長日効果による家畜の乳量増加を狙う技術とは異なり、部分照明とすることで、他の休息睡眠中の家畜にストレスを与えることなく、家畜の長日効果と暑熱ストレス軽減を可能とした。
新技術の特徴
・全館照明ではなく、部分照明である
・部分照明により、夜間飼料摂取率や乳量が増加させることができる
・全館照明より、低コスト
想定される用途
・牛用照明(搾乳ロボット)
・豚用照明
・鶏用照明
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
県立広島大学 地域連携センター
TEL:082-251-9534 FAX:082-251-9405Mail:renkeipu-hiroshima.ac.jp
URL:http://www.pu-hiroshima.ac.jp/soshiki/renkei/
広島県立総合技術研究所 企画部
TEL:082-223-1200 FAX:082-223-1421Mail:sgkkikakupref.hiroshima.lg.jp
URL:http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-soken/
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