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京都工芸繊維大学 新技術説明会

日時:2018年08月07日(火) 12:55~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、京都工芸繊維大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 計測

1)自発光するあるいは自然光照明された動く物体の3次元形状計測技術

京都工芸繊維大学 電気電子工学系 教授 粟辻 安浩

新技術の概要

自発光するあるいは自然光などインコヒーレント光で照明された動く物体の3次元形状や3次元分布の計測ができる技術である。1ショットでその瞬間の3次元形状を記録できる。高速度カメラを用いると、そのカメラの撮影速度で3次元形状の記録ができる。独自の干渉装置と信号処理により、周囲の擾乱にも強い3次元動画像計測技術である。

従来技術・競合技術との比較

ホログラフィに基づくことから、一般的な3次元計測技術で必要な走査や複数回の撮影が不要なため、動く物体の3次元形状計測ができる。さらに、自己干渉を用いているために、一般的なホログラフィで必要なレーザーが不要で、自発光するあるいは自然光などで照明された動く物体の3次元形状や3次元分布の計測ができる。

新技術の特徴

・動く物体の3次元形状をリアルタイムで計測できる
・自発光する物体、自然光照明された物体の3次元形状を計測できる
・振動や風量、温度変化などの周囲からの擾乱に対して強い

想定される用途

・生物顕微鏡
・透明な流れの高速計測装置
・透明フィルムの厚さ分布の高速計測装置

関連情報

・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

2)偏光ドーナッツビームを生成可能なワンチップレーザ

京都工芸繊維大学 電気電子工学系 講師 北村 恭子

新技術の概要

レーザビーム断面内で偏光分布を有するドーナッツビームは、ベクトルビームと呼ばれ、超高解像度顕微鏡の実現等が期待されている。本技術は、ドーナッツビームにおいて、任意の偏光状態を自在に生成可能なフォトニック結晶レーザの設計に関するものである。

従来技術・競合技術との比較

従来、レーザビームの強度分布や偏光制御には、レーザ光源に対して、空間変調素子や光学素子の組み合わせなどの、レーザ発振器に対して、外部の素子が用いられてきた。これに対して、本発明は、単一の半導体レーザによって、あらゆる偏光ビームを生成可能であり、装置の小型化、アライメントフリーを実現する。

新技術の特徴

・1mm角程度の単一素子で、あらゆる偏光ドーナッツビームを生成可能
・ドーナッツの大きさやリング幅も自在に制御可能
・高出力化への潜在性の高いTEモードを利用

想定される用途

・超解像顕微鏡分野
・光記録分野
・小型ディスプレイ分野

関連情報

・外国出願特許あり

  • 分析

3)超高感度熱流センサを用いた示差走査熱量計

京都工芸繊維大学 材料化学系 准教授 八尾 晴彦

新技術の概要

熱電モジュール型の熱流センサ(ペルチエ素子)の構造・構成を最適化することにより、試料の熱流を±0.2nWの超高感度で測定することが可能になり、有機材料の解析ができる解析能力の高い示差走査熱量計を実現できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の示差走査熱量計(DSC)の感度は±0.1μW程度だが、本技術の熱流センサをDSCの熱流センサとして用いると、DSCの感度を従来の500倍程度の±0.2nWまで高めることが可能となる。そのため、従来は測定が困難だった微小な熱異常の検出、微量な試料の測定、温度が近い2つの熱異常の分離が可能になる。

新技術の特徴

・±0.2nW程度の微小な熱流を検出することができる
・微量の試料、生体高分子などの有機材料でも測定が可能
・低い走査速度でも測定できるため、温度分解能が高い測定が可能

想定される用途

・各種の高感度熱量計の熱流センサ
・光カロリメーターの熱流センサ

関連情報

・展示品あり
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

4)ミストプラズマで環境をきれいにし、生きものを元気にする

京都工芸繊維大学 電気電子工学系 准教授 髙橋 和生

新技術の概要

プラズマにより生じるラジカルを生体表面へ照射することにより、細菌に対しては死滅させる効果を発揮できる一方で、種子の発芽や初期生長を促進させることができる。ミスト(水)の導入により、それらの効果を増大させ、プラズマ生成に伴うオゾンの発生を抑制する。

従来技術・競合技術との比較

大気圧放電を利用し、殺菌を特徴とする空気清浄機が市場に流通している。通常の放電では必然的にオゾンが発生し、場合によっては不快感を招くなどの問題を引き起こしてきた。ミストを用いる本提案技術は、オゾンの発生を抑制しながら殺菌等の効果を保ち、また対象物の保湿にも貢献する。

新技術の特徴

・殺菌の効果を持つこと。
・種子の発芽や初期生長の促進など、生物生長の制御ができること。
・オゾンの発生を抑制できること。

想定される用途

・空気清浄や衛生保持
・農業、水産業における病原体の駆除と収穫物の生長制御
・殺菌や細胞周期の変化を求める全ての分野に対する応用

  • 電子

5)低損失MHzスイッチングを可能とするパワー素子駆動回路

京都工芸繊維大学 電気電子工学系 助教 古田 潤

新技術の概要

本技術のゲート駆動回路は、エネルギーを溜めたインダクタからの電流を用いてパワー素子のON動作を行い、新規放電経路を設けることによりOFF動作を行うことで高速スイッチングを行う。従来回路ではパワー素子の内部抵抗により律速していたスイッチング速度を向上させ、パワー素子のスイッチング損失の低減を実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来回路でもインダクタを用いたゲート駆動回路は存在したが、ON動作のみの高速化であった。本技術ではON/OFFともに高速化するだけでなく、パワー素子のゲート電圧が過剰に上昇することを防ぐゲート保護機能をダイオードを追加することで実現した。

新技術の特徴

・高速なスイッチングによるスイッチング損失の低減
・MHz高速スイッチングによる電源変換回路の小型・軽量化
・単純な構造かつ容易なスイッチング制御

想定される用途

・自動車、車両におけるインバータのゲート駆動
・直流電圧源・電源アダプターの小型化
・ハイパワー家電のゲート駆動

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 材料

6)ラジオフォトルミネッセンス現象を示す放射線線量計用ガラス

京都工芸繊維大学 材料化学系 教授 角野 広平

新技術の概要

ラジオフォトルミネッセンス(RPL)とは、X線などの放射線を照射した物質において、新たに蛍光が誘起される現象である。誘起された蛍光の強度から放射線被曝量を計測することができる。新たに高性能なRPL現象を示すガラス材料を見出した。ガラスであるため、大面積平板やファイバなど様々な形状にも加工することができる。

従来技術・競合技術との比較

RPL現象を用いているため精度の高い線量計測が可能となる。現在実用化されている、RPL現象を利用した同様の線量計用銀活性化ガラスに比べ、格段に優れた耐候性を有している。蛍光を発するための賦活剤として銀や希土類などの高価な元素は用いていないため原材料費の低コスト化が見込まれる。

新技術の特徴

・ガラス材料の特徴である均質性を活かして高い空間分解能、微細領域での放射線計測が可能
・ガラス材料の特徴である成形性を活かした様々な形状の製品が可能
・高耐候性の優れたガラス材料で大型化、低コスト化や大量生産が容易

想定される用途

・個人被爆線量計用蛍光ガラス
・医療機器用線量計に用いる蛍光ガラス
・環境モニタリング用線量計に用いる蛍光ガラス

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

京都工芸繊維大学 研究戦略推進本部知的財産室 (研究推進課知的財産係)

TEL:075-724-7039 FAX:075-724-7030
Mail:chizaiアットマークkit.ac.jp
URL:http://www.liaison.kit.ac.jp/
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TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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