説明会の
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北里大学 新技術説明会

日時:2019年03月12日(火) 10:00~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、北里研究所

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)ミルアレイ組織標本シートの製造方法

北里大学病院 病院病理部 技師長 山下 和也

新技術の概要

癌の分子標的治療薬剤 (例えば「PD-1」)の決定は、分子病理診断で決まります。
その精度保証は、治療決定と患者予後に影響します。
新技術は、1枚のスライドガラス上に、多量組織標本あるいは、被検査標本と対照標本を、完全一致条件の処理が可能な、集積度の高い、「生体組織標本アレイ切片」を提供する技術です。

従来技術・競合技術との比較

疎水性状固化物をμm単位で重層する事が可能で、専用機器が不要です。1対象当たりの消費量がμm単位であり、希少な材料の浪費を抑制し、コスト削減、省スペース、且つ、従来以上に多種多様な生体組織成分を含む標本が提供されます。また、永久標本化しない従来法より安定性・保存性が高い点が異なります。

新技術の特徴

・100μmの薄い(ミル)組織が複数重層され(アレイ)、3μmのシートで提供されます。
・集積度が高く、多量同時処理や被検試料と対照を同一のスライドグラスに載せることも可能です。
・特殊な器具や高度な技術が不要です。

想定される用途

・精度管理や標準化を必要とする医学・化学的分析
・新薬品の生体組織との反応性・適合性にかかる標本作製
・獣医学や生物学分野への展開

  • アグリ・バイオ

2)9AA染色法を利用した癌細胞のイメージング

北里大学 理学部 化学科 助教 内山 洋介

新技術の概要

緑色蛍光化合物である9-アミノアントラセン(9AA)は、空気中の酸素により数秒後に酸化され光を照射しても蛍光を示さなくなる特性を持っている。本技術は、低酸素条件下、9AAの酸化反応を遅らせることで、その蛍光を持続させ、癌細胞をイメージングすることができる。また、この酸化反応は数秒で進行することから細胞中の低酸素領域を直ちにイメージングでき、染色後10分以内に蛍光顕微鏡観察を可能にする。本説明会では、9AA染色法による生細胞および細胞切片のイメージングの実験例を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来法では、蛍光プローブとタンパク質を結合させた複合体が必要であるが、本技術は9AAおよび9AA誘導体の単一分子を用いる。このため、9AA染色法は従来より簡単に低コストで行える。また、従来法は蛍光の発色を観測するが、本技術は9AAの蛍光の消退を利用し、蛍光の持続性を観測する。

新技術の特徴

・酸性領域で蛍光が持続する
・低酸素領域で蛍光が持続する
・一重項酸素と三重項酸素を区別する

想定される用途

・9AA染色法により低酸素領域をイメージングする
・本技術により、スフェロイド中の酸素濃度を定量的に可視化できる
・癌細胞と正常細胞を10分以内に見分けることができ、新規術式を開発できる

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

3)低・中分子創薬候補の提案

北里大学 薬学部 微生物薬品製造学教室 教授 供田 洋

新技術の概要

我々が微生物資源から最近発見した中低分子化合物の中から、1)抗真菌薬領域において副作用が問題視されてきたアムホテリシンB (AMPB)の活性を増強する化合物、2)結核菌や非結核性抗酸菌の生育を阻害する化合物、3)動脈硬化症や脂肪性肝疾患の予防治療薬として期待できるピリピロペン(PPP)について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

1)得られた化合物は、AMPBの重篤な副作用を軽減することが期待される。2)近年、その増加が懸念される非結核性抗酸菌症に効果が期待できる。3)PPPは、ステロールO-アシル転移酵素SOAT2を選択的に阻害する世界初の天然化合物である。その誘導体や合成的簡略化に成功した。

新技術の特徴

・抗真菌薬アムホテリシンBの抗真菌活性を増強する低中分子化合物
・結核菌や非結核性抗酸菌の生育を阻害する低中分子化合物
・ステロールO-アシル転移酵素SOAT2を高選択的に阻害する唯一の低中分子化合物

想定される用途

・新しい作用機序の抗真菌薬
・結核および非結核抗酸菌症治療薬
・動脈硬化症および脂肪性肝疾患NAFLD/NASH予防治療薬

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 創薬

4)抗マラリア活性を有する新規リポペプチド類

北里大学 北里生命科学研究所 熱帯病研究センター センター長 岩月 正人

新技術の概要

従来技術の問題点であった薬剤耐性マラリア原虫に対してin vitro及び in vivoで抗マラリア活性を示す新規リポペプチド類を糸状菌培養液から発見した。また疎水性タグを用いたリポペプチド類の全合成に成功した。構築した全合成法で量的供給および新規誘導体の調製も達成した。

従来技術・競合技術との比較

現在用いられているマラリア治療薬とは異なる骨格を有することから新規リポペプチド類が新たな作用機序で抗マラリア活性を示すと期待している(作用機序の解析を実施中)。また全合成法による新規誘導体の調製が容易に可能であることからリード最適化が比較的簡便に進められる。

新技術の特徴

・in vitro及び in vivoで抗マラリア活性を示す新規リポペプチド類
・疎水性タグを用いた全合成法によるリポペプチド類の量的供給および誘導体調製が可能

想定される用途

・新たなマラリア治療薬の開発
・真菌、ウイルス感染症治療薬の開発
・カルパインが関与する疾患を標的とした治療薬の開発

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

北里研究所 研究推進部

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