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神戸大学 新技術説明会

日時:2018年08月21日(火) 12:55~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、神戸大学

後援:特許庁、関東経済産業局、一般社団法人 先端膜工学研究推進機構

発表内容詳細

  • 材料

1)有機溶媒系分離を目指した耐有機溶剤「超ろ過」膜の開発

神戸大学 大学院工学研究科/先端膜工学センター 教授 松山 秀人

新技術の概要

有機溶媒中の溶質分離や有機溶媒の液-液分離が可能な耐溶剤性分離膜を紹介する。蒸発法や蒸留法によらずとも膜分離で有機溶媒の分離、濃縮を可能とするものであり、我々はこれを「超ろ過」膜と命名した。水処理における逆浸透(RO)膜やナノろ過(NF)膜に相当する分離膜であり、蒸発法を代替する可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

従来の分離膜は耐溶剤性が低く、また分画分子量が大きい等で、膜分離法を蒸留の代替法として用いることは困難であった。我々は耐溶剤性が高いポリマーや無機材料を用いて、耐溶剤性に優れた分離膜を開発している。分離に熱を利用せず相変化を伴わないため、蒸発/蒸留法と比べ大幅な省エネルギー化が達成できる。

新技術の特徴

・有機溶媒系での膜分離(RO、NF相当)であるので、蒸留法を代替可能
・相変化を伴わない分離法であるため極めて省エネルギー(蒸留法の1/10以下に省エネ)
・有機溶媒中の熱に弱い物質の分離、低分子化合物の分離、溶剤-溶剤間の分離が可能

想定される用途

・食品、化学品、医薬品等の製造における蒸留法の代替
・電子材料分野におけるレジスト等の回収、溶剤の再利用
・油水分離、高温・過酷条件での膜分離

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

2)可視光応答型有機半導体薄膜光触媒の調製とその応用展開

神戸大学 大学院工学研究科/先端膜工学センター 准教授 市橋 祐一

新技術の概要

有機半導体は官能基の導入などにより容易にエネルギーギャップをコントロールできる。したがって、種々の反応に対し、目的にあった触媒を作成できるのが特徴である。このような手法を用いることで、反応選択性の制御も容易になる。

従来技術・競合技術との比較

従来の無機半導体は反応に合わせて触媒を構築するのは難しく、既存を種々の反応に当てはめる傾向があった。しかし、本研究では反応に沿って量子化学計算をし、最適触媒を構築することが出来る。また、従来の無機半導体に比べ十分に軽量で、様々な素材に展示できるなど、そのような点でも従来の触媒開発に比べ優位である。

新技術の特徴

・有機半導体による光触媒反応
・DFT計算を用いた触媒の構築

想定される用途

・機能性材料
・ユビキタス材料

  • デバイス・装置

3)有機強誘電体薄膜による圧電型振動発電の開発

神戸大学 大学院工学研究科/先端膜工学センター 特命助教 堀家 匠平

新技術の概要

有機強誘電体の正圧電効果を利用した発電素子である。生活環境中の振動現象(歩行動作、脈拍、心拍、自動車)を電気エネルギーに変換する。有機強誘電体薄膜のスタックや分子配向によって発電量が増加することを見出している。将来的にはIoT関連の自立型電源技術としての利用可能性もある。

従来技術・競合技術との比較

圧電型振動発電はその他の振動発電方式と比べ投入できる振動エネルギー密度が大きく小型化に有利である。
有機材料は無機強誘電体と比較して共振周波数が低いため、低周波数の環境振動での大変形が期待でき、環境振動を効果的に電気変換できる可能性がある。ウェットプロセスで多積層素子を構成できる点でも有利である。

新技術の特徴

・低周波数の振動現象に対応した発電技術
・積層による占有面積当たり発電量の向上
・分子配向性と振動発電特性の相関

想定される用途

・ウェアラブル発電
・インフラIoT自立発電
・インプランタブル発電

関連情報

・サンプルあり

  • 計測

4)磁性プローブ粒子の運動を利用した局所粘弾性計測技術の開発

神戸大学 大学院工学研究科/先端膜工学センター 准教授 菰田 悦之

新技術の概要

測定試料中に懸濁した10ミクロン程度の磁性粒子に磁場を印加すると磁性粒子は周囲のミクロ構造を反映した動きを示す。単一粒子の運動を解析することにより、局所的な粘弾性やその分布や不均一性、経時変化を解析する手法を構築した。

従来技術・競合技術との比較

顕微分光法はミクロ空間における分子レベルの平均的な情報が得られるが、本手法では高分子鎖絡み合い構造・粒子凝集構造・溶液中に形成される薄膜などサブミクロン・ミクロンオーダーの構造体の力学物性やその分布が得られる手法である。

新技術の特徴

・相変化や相分離を伴うような材料における局所力学物性やその変化の測定
・ミクロンスケールの局所力学物性の時空間分布の測定
・液中に形成されたミクロンオーダーの構造体の強度や粘弾性の評価

想定される用途

・塗布膜や液滴の不均一乾燥過程の解析
・相分離や成分偏析を伴う材料の不均一化過程の解析
・液中に形成された微小構造物の力学特性の評価

  • 材料

5)ガス分離/液体分離への応用を目指した多孔性セラミック膜開発

神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科/先端膜工学センター 教授 吉岡 朋久

新技術の概要

ナノからサブナノサイズの微細孔を有し、化学的安定性に優れる材料である多孔性セラミック薄膜を用いて、分
子混合物、特に無機ガス/有機ガス混合物、ナノろ過分離を行い、高純度化に資する膜開発を行っている。多
孔性セラミック膜の細孔径を分離対象に応じて分子レベルで最適に制御する。

従来技術・競合技術との比較

セラミック材料の特徴として、耐熱性、機械的強度に優れるため、高温・高圧といった過酷な条件における分離
膜としての使用が想定される。また、耐薬品性を有する化学的に安定な材料でもあるため、各種洗浄操作にも
耐えることが可能である。基材上に分離層を数百ナノメートルの厚みで製膜することで高透過性も期待される。

新技術の特徴

・ナノからサブナノレベルの細孔径制御
・安定なセラミック材料
・高透過性を有する分離膜

想定される用途

・非水系ナノろ過
・ガス分離
・有機溶剤分離

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

6)水処理膜への応用を目指した二次元無機ナノシート積層膜

神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科/先端膜工学センター 准教授 中川 敬三

新技術の概要

ナノシート積層膜は、ナノオーダーの膜厚での薄膜形成による高い透水性やナノシート層間で形成される二次元ナノチャネルを利用した高選択性が期待できる。我々は金属酸化物ナノシートを用いて水中で安定な積層構造を形成させ、また空隙構造を利用したナノろ過レベルの分離性能を得た。

従来技術・競合技術との比較

積層膜に応用されているナノシートの種類は、主にグラフェン等に限定されており、また水中で積層構造が崩壊するなど、構造安定性が問題視されている。本研究は金属酸化物を利用した安定な新規ナノシート膜であり、近年報告されている酸化グラフェン膜や市販NF膜と同等もしくはそれを上回る性能が得られている。

新技術の特徴

・金属酸化物ナノシートを利用したナノシート膜
・金属酸化物ナノシートと酸化グラフェンの複合型ナノシート膜
・市販NF膜を上回る膜性能

想定される用途

・染料・色素分離
・有用物質の分離回収
・油水分離

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

神戸大学 学術・産業イノベーション創造本部

TEL:078-803-5945 FAX:078-803-5947
Mail:oacis-sangakuアットマークedu.kobe-u.ac.jp
URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/sangaku/
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