説明会の
お申込み

工学院大学 新技術説明会

日時:2018年12月04日(火) 09:55~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、工学院大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 計測

1)機械製品の疲労寿命予測のためのX線3次元残留応力推定法

工学院大学 工学部 機械システム工学科 助教 小川 雅

新技術の概要

中性子を用いることなく、現場で利用可能なX線回折法を用いて、3次元の残留応力分布を現場で非破壊に評価することができる。この方法は、残留応力の原因となる非弾性ひずみを推定し、有限要素法の弾性計算により部材全域の残留応力分布を出力する。

従来技術・競合技術との比較

X線回折法では、部材表面しか計測できない。中性子を用いれば、深さ数十ミリまで非破壊計測できるが、専用の照射施設でしか利用できない。現場から部材を切除して計測しても、切断時に応力が解放されてしまい、本来の値が得られない。溶接シミュレーションのような定性評価では個体差を評価できない。

新技術の特徴

・現場で非破壊に3次元残留応力分布を評価できる
・必要なパラメータは、部材の形状と材質(ヤング率とポアソン比)のみである
・実測値に基づく定量評価方法であるため、個々のバラツキを評価できる

想定される用途

・新幹線の台車、摩擦攪拌接合材、スポット溶接材など、溶接構造物の疲労寿命(品質)評価
・エネルギープラント、化学プラントの溶接配管における応力腐食割れの破壊寿命予測
・溶射円筒材やピーニング材など、表面改質材の品質評価

  • 材料

2)超高彩度酸化鉄系赤色顔料

工学院大学 先進工学部 応用化学科 助教 橋本 英樹

新技術の概要

無機顔料は極めて安定であり長期間使用しても退色が少ないことから、セラミックス製品、プラスチック製品、化粧品等、日用品の着色材として利用されていますが、有機顔料に比べて彩度に劣るため、高彩度の無機顔料の開発が望まれています。本発明では、鉄酸化物を主成分とした超高彩度赤色顔料を開発しました。

従来技術・競合技術との比較

ヘマタイトを主成分とする赤色無機顔料は、有機顔料に比べると彩度に劣る。また、陶磁器などの高温で使用する用途において、ヘマタイト粒子は粒成長を起こし、退色するという問題がある。本発明では、市販の赤色顔料の約1.7倍の彩度を有し、1100℃の高温に曝されても市販品と同等の彩度を示す赤色顔料を開発した。

新技術の特徴

・市販の酸化鉄系赤色顔料市販品を遥かに凌駕する彩度(C* = 66.3、市販品の約1.75倍)を有する
・特異なナノマイクロ構造と細孔構造を有するため、他材料への分散が容易である
・1100℃の高温に曝されても市販品と同等の彩度を示す高耐熱性を有する

想定される用途

・食器、琺瑯(ほうろう)、プラスチック製品、建材、絵具、車両塗装などの着色材
・リチウムイオン電池の負極活物質

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

3)ITO代替新透明導電酸化物

工学院大学 工学部 電気電子工学科 准教授 相川 慎也

新技術の概要

現行の透明電極材料として用いられるSnドープ酸化インジウム(ITO)よりも透明性に優れる新しい元素構成の透明導電酸化物を開発した。ITOのSnに対し、酸化インジウムの移動度向上に寄与するイオン半径の小さいドーパントを導入。成膜直後の未熱処理薄膜にてITOと同程度の抵抗率。

従来技術・競合技術との比較

ITOは、導電性に優れるが、高いキャリア密度のため近赤外領域での透過率低下が可視光領域に影響する。開発材料ではキャリア密度を抑制し、移動度の向上に着目。また、低薬品耐性と高温での安定性が問題となっているZnを用いていない。

新技術の特徴

・平均透過率がITOに比べて10%向上
・成膜方法はITOとコンパチであり、原料の置き換えのみで既存設備が使える
・新しい原料構成

想定される用途

・タッチパネル
・薄膜太陽電池用透明電極
・上記のほか、スマートウィンドウなどの透明性が求められる製品の電極材料として

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

4)光で充電するリチウムイオン電池

工学院大学 先進工学部 応用物理学科 准教授 永井 裕己

新技術の概要

リチウムイオン電池は、スマートホンをはじめとする情報端末などのポータブル機器に不可欠な二次電池です。溶液を塗布・熱処理するだけで簡便に機能性薄膜を形成できる分子プレカーサー法で、太陽光で充電する薄膜リチウムイオン電池(PV-LIB)を紹介します。電解液をゲル化して組立てた全固相型や全固体化への取組みも紹介させて頂きます。

従来技術・競合技術との比較

従来のリチウムイオン電池とは異なり、板状の電池です。したがって、本リチウムイオン電池の容量はおおよそ20 µAhです。しかし、大面積化等で容量の増加は可能です。また、安全性の観点から全固体化を試みています。

新技術の特徴

・光で充電可能なリチウムイオン電池
・太陽電池としても利用可能
・エレクトロクロミックデバイスとしての利用も可能

想定される用途

・非常用携帯バッテリー
・配線不要なバッテリー
・エレクトロクロミックガラス

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

工学院大学 研究戦略部 研究推進課 産学連携担当

TEL:03-3340-3440 FAX:03-3342-5304
Mail:sangakuアットマークsc.kogakuin.ac.jp
URL:http://www.kogakuin.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top