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九州工業大学 新技術説明会

日時:2018年12月20日(木) 10:25~15:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、九州工業大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 計測

1)ナノ粒子の三次元挙動が見れる携帯型全反射顕微鏡法および装置

九州工業大学 大学院情報工学研究院 機械情報工学研究系 准教授 カチョーンルンルアン・パナート

新技術の概要

多波長近接場光により、観測対象である作用表面近傍(ナノスケール)で発生するナノ粒子の挙動・現象を各撮影フレームで、二次元の映像から、多波長(多色)の強度の対数比で、奥行きの深さ位置情報(三次元目)を測定する手法である。また、構築した光学系は小型カメラ採用の場合、長さ300mmで、現場に容易に持ち運べられる。

従来技術・競合技術との比較

一般に使用されている全反射顕微鏡では、高コントラストで、ナノスケールの現象を観測するもので、三次元で観測することは行っていない。本特許では、検出した多波長(多色)の光強度対数比により、ワンショットで三次元目の深さ位置情報を求めることが可能になる。更に小型軽量の為、携帯が可能である。

新技術の特徴

・従来の全反射顕微鏡の特徴を有する
・ワンショットで三次元の情報が得られる
・光学系が携帯型である。

想定される用途

・半導体分野、電池開発
・ドラッグデリバリー、バイオマーカ など
・以上の作用表面近傍における生の動的三次元現象を電子顕微鏡を用いずに観測

関連情報

・展示品あり

  • 機械

2)加工機に簡単に取付できる高精度画像計測システム

九州工業大学 大学院工学研究院 先端機能システム工学研究系 准教授 脇迫 仁

新技術の概要

加工機での加工作業中にワークの加工精度を測るために、加工機に簡単装着できる照明付カメラモジュールと画像を表示するタブレットからなるシステムである。タブレット上で加工中のワーク画像とCADデータを重ねて表示でき加工状態が一目瞭然である。計測精度はミクロンレベルで画像処理によるエッジ検出機能もある。

従来技術・競合技術との比較

芯出し顕微鏡による計測に比べて計測精度が優れる。また、投影機での精度確認では、ワークを一度取り外さなければならないが、本システムでは機上計測が可能である。さらにCADデータの取り込み機能により加工基準との比較が容易である。

新技術の特徴

・加工機への簡単装着
・CADデータとの比較機能
・画像処理によるエッジ検出

想定される用途

・放電加工機など様々な加工機への応用
・加工ツールの摩耗計測
・カメラのピントを利用した高さ計測

  • 製造技術

3)低屈折率透明パッドによる難加工研磨技術への展開

九州工業大学 大学院情報工学研究院 機械情報工学研究系 教授 鈴木 恵友

新技術の概要

半導体プロセスを利用したマイクロ金型技術を適用し、低屈折率透明樹脂に転写することで難加工材料に対する高効率研磨パッドを考案した。本パッドでは低屈折率であるため加工しながら水中の微粒子の運動観察や膜厚などのモニタリングすることが可能である。そのため加工・研磨技術全般に適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では難加工材料を高効率に研磨することが困難であったが、新規にマイクロパターンを持った研磨部材を導入することで、高効率な研磨が実現可能となった。また、従来技術では研磨パッドは透明でなく観察しながら研磨することは不可能であったが、本技術により加工・研磨箇所を直接モニタリングすることが可能となった。

新技術の特徴

・マイクロ金型を適用した高効率研磨パッド
・低屈折率透明パッドによる研磨・加工中のモニアリング技術
・マイクロパターンを利用した寸法計測技術

想定される用途

・半導体用研磨技術
・工作機械
・水中測定技術

  • 計測

4)FPD製造工程などの静電気放電の検出評価技術とEMC用高感度低周波磁界プローブ

九州工業大学 大学院工学研究院 電気電子工学研究系 准教授 大塚 信也

新技術の概要

本発表では2つの新技術を紹介する。一つは、液晶パネルや有機ELなどガラス基板を用いるフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造工程で発生する静電気放電の発生及び発生位置を非接触で精度よく検出評価する技術。もう一つは近傍磁界を低周波から高感度・高空間分解能を有して測定できる磁界プローブ。

従来技術・競合技術との比較

静電気放電を検出し位置を評価する技術は色々と開発されているが、本技術は形態の異なる複数発の放電でも、それらを検出し発生位置を評価できる。開発した低周波磁界プローブはペンシルサイズで商用周波数から数10MHz程度までの近傍磁界を、ゲインを3段階変化させて測定できる特徴を有する。

新技術の特徴

・ガラス基板での静電気放電の発生と位置を非接触で精度よく検出評価できる
・複数発の異なる形態の放電信号を検出し評価できる
・商用周波数から数10MHz程度までの近傍磁界を高感度に計測できる

想定される用途

・静電気放電の検出と対策
・EMC
・電磁界計測

  • 機械

5)超電導軸受を用いた非接触軸受装置と応用および極低温ポンプ

九州工業大学 大学院工学研究院 先端機能システム工学研究系 教授 小森 望充

新技術の概要

酸化物高温超電導体と永久磁石から構成される非接触軸受装置と、その利用方法について述べる。非接触軸受装置の超電導のピン止め効果による磁気浮上を利用しているので、振動の減衰効果を高める必要がある。他に非接触搬送装置や低温下で駆動可能な非接触回転ポンプについても述べる。

従来技術・競合技術との比較

非接触軸受を用いた回転軸の浮上方法として、永久磁石軸受、超電導軸受、制御軸受などを併用した特許や文献は数多い。そして、回転損失低減、振動抑制、冷却の必要性、などの問題がある。関係特許として、特開平8-170645、特開平7-35139、特開平7-42737などがある。

新技術の特徴

・回転軸がコマのように軸の支点を中心とした回転動作を行う。
・1つの超電導軸受を用いて(冷却が容易)、回転軸を安定に浮上させる。
・永久磁石軸受を用いてラジアル(半径)、スラスト(軸)各方向の剛性を最適化する。

想定される用途

・精密機器生産現場での瞬時停電防止用フライホイール電力貯蔵装置
・病院での瞬時停電防止用フライホイール電力貯蔵装置
・大きなギャップを必要とする回転運動や直線運動の非接触軸受装置

関連情報

・サンプルあり

  • 情報

6)心地よい自動運転を実現するセンシング技術とアルゴリズム

九州工業大学 イノベーション推進機構 グローバル産学連携センター 教授 佐藤 寧

新技術の概要

心地よい自動運転走行を実現させるために、搭乗者の姿勢や生体情報から認識しAIを活用させ、自動運転の走行状態を自動的に制御する技術を紹介します。また、実際に自動運転車を一般道で走行させ、実際の走行中の紹介や、センシング方法、解析アルゴリズムを説明します。

従来技術・競合技術との比較

従来では心地よさなどは、視線検知や心拍のRR間隔ゆらぎを利用していましたが、高価なシステムになりRR間隔法は自動車の振動に弱く計測できません。本技術は、非常に『安価』に、搭乗者の心地よさ(感情)を走行中でも検知できる技術です。

新技術の特徴

・非常に安価で、自動車の設置が簡単
・自動車が走行中での感情認識が可能
・通信によるビッグデータ解析が可能

想定される用途

・自動運転車への搭載
・鉄道、長距離バスやトラックなど疲労計測
・工場などの作業員の疲労計測

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

7)細胞刺激計測デバイスで創薬・医療に貢献する

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授 安田 隆

新技術の概要

半導体加工技術を利用して、窒化シリコン製の細胞培養膜に微小孔アレイと微小電極アレイを形成した。これを用いれば、微小孔を通じて薬剤刺激を行いながら細胞の電気的応答を多点で計測したり、微小孔からの栄養分供給により細胞組織の生存期間を延ばし長期に渡って細胞電位を計測することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来のマルチ電極アレイシステムでは、局所的な薬剤刺激のためにはピペット等を用いる必要があり、刺激の制御性や操作性が悪かった。また、細胞組織設置面上で栄養分が枯渇し細胞組織が壊死するため、長期計測が困難であった。新技術では、電極形成面に物質輸送用の微小孔を設けることで、これらの問題を解決した。

新技術の特徴

・培養細胞や細胞組織を用いる様々な医薬品開発や再生医療研究に応用可能
・半導体・MEMS技術を用いた医療創薬関連のデバイス機器開発が可能
・化粧品開発、食品検査、環境計測等における細胞を用いた評価にも応用可能

想定される用途

・医薬品開発における薬効・安全性評価のための細胞刺激計測
・再生医療研究における分化誘導技術構築のための細胞刺激計測
・疾病メカニズムや細胞機能の解明を目的とした基礎研究における細胞刺激計測

関連情報

・サンプルあり

  • 計測

8)1/1000に小型・低コスト化:電力用インテリジェント電流センサ

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授 大村 一郎

新技術の概要

プリント基板上への集積化と信号処理IC技術と融合した、新しい概念の電流センサ。特殊なプリントパターンと独自の信号処理技術で1000分の1に小型化・低コスト化を実現。1A以下~1000A以上までの広い電流範囲とDCから100MHzまで周波数レンジをカバー可能。電気自動車や太陽光発電などに使われるパワー半導体や、サーバー用スイッチング電源のプリント基板上に集積化するなど様々なパワーエレクトロニクス機器への応用が広がる。専用ソフトウエアの開発で、電流検出だけではなく故障診断などの機能を付加できることも特長。

従来技術・競合技術との比較

既存センサに比べ体積を1/1000に低減、低コスト化を実現。パワー半導体モジュールやスイッチング電源プリント基板に内蔵可能な超小型電流センサの開発に成功。小型化と高精度化を両立し、数1000Aまで計測可能なため、IGBTモジュール内蔵を実現した。

新技術の特徴

・特殊なプリントパターンと独自の信号処理技術で1000分の1に小型化・低コスト化を実現
・用途に応じて形状と材質を変えられる
・IGBTと配線の隙間に挿入できるサイズ

想定される用途

・自然エネルギー用パワーコンディショナ
・電気自動車・ハイブリッド自動車
・鉄道車両駆動、ICT用サーバー

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

九州工業大学イノベーション推進機構 グローバル産学連携センター 知的財産部門

TEL:093-884-3499 FAX:093-884-3531
Mail:chizaiアットマークjimu.kyutech.ac.jp
URL:http://www.ccr.kyutech.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

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