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ライフイノベーション 新技術説明会(2)

日時:2018年11月27日(火) 09:55~14:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、鹿児島大学、宮崎大学、大分大学、琉球大学、山口大学、北九州市立大学、佐賀大学

後援:特許庁、関東経済産業局

協力:鹿屋体育大学、都城高専、鹿児島高専

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)揮発性口腔癌バイオマーカー及び匂いによる口腔癌診断

北九州市立大学 国際環境工学部 エネルギー循環化学科 教授 李 丞祐

新技術の概要

口腔癌の早期診断又はその予後に利用できる、口腔癌に特異性を示す唾液からの新規の揮発性メタボローム及びその分析技術を提供する。匂い群の代謝プロファイルから簡便かつ迅速に口腔癌を検知・診断することができる。

従来技術・競合技術との比較

トランスクリプトーム及びプロテオームに基づく従来の口腔癌の研究は、臨床用途に潜在的な核酸やタンパク質、アミノ酸由来のバイオマーカーの発見に貢献してきたが、分子量決定に前処理や複数の分析手法を組み合わせる必要があるなど、分析時間が長く操作が煩雑である普及を妨げる課題が残されている。

新技術の特徴

・唾液中の揮発性口腔癌バイオマーカーの特定
・代謝プロファイルに基づく口腔癌スクリーニング
・匂い群による口腔癌スクリーニング及び進行・病態の識別

想定される用途

・揮発性バイオマーカーによる口腔癌スクリーニング
・口腔癌診断関連匂い検知技術及び計測デバイスの開発
・匂い情報に基づく総合ヘルスケア

  • 医療・福祉

2)歯を自動的に削る歯科治療ロボット

鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 教授 菊地 聖史

新技術の概要

口の中で歯や骨の切削を自動的に行う歯科治療ロボット(加工装置)を実現するためには、装置の小型軽量化が不可欠である。新技術は、装置を口腔内部分と口腔外部分に分離し、両者を独自の動力伝達装置でつなぐことでこれを実現する。

従来技術・競合技術との比較

歯科へのCAD/CAM技術の導入により、歯を削った後の工程については、デジタル化が急速に進んでいる。一方、歯の切削は、依然としてハンドピースによる手作業で行っており、切削の良否、ひいては治療の質が術者の技量に大きく左右される状況のままである。新技術は、歯の切削を歯科医師の管理下で自動的に行うものである。

新技術の特徴

・既存の歯科用CAD/CAMシステムとの統合により歯科治療のデジタル化が加速する。
・“Software-Defined Dentistry”(歯科治療をソフトウェアで記述すること)が具現化できる。
・治療の最適化や治療技術の蓄積と継承が可能となる。

想定される用途

・歯科治療
・歯学研究
・歯学教育

  • 医療・福祉

3)細胞内・外での核酸高次構造・機能解析及び核酸アプタマーの安定化新規核酸の開発

宮崎大学 医学部 機能制御学講座物質科学分野 教授 徐 岩

新技術の概要

本技術を用いて、2'-デオキシグアノシンを出発物質として、8-トリフルオログアノシン誘導体などを合成し、これをDNA及びRNA配列に導入することにより、細胞内・外での核酸高次構造・機能の解析を可能にした。さらに標的蛋白質などと特異的に結合する核酸アプタマーを安定化することが明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

種々の修飾核酸による核酸構造の安定化剤は知られているが、細胞内・外での解析に利用することは難しい。今回、合成した8-トリフルオログアノシン誘導体などを含む核酸オリゴヌクレオチドを用いれば、安定な核酸高次構造を形成することでき、かつ細胞内・外での核酸構造解析が可能となった。さらには、標的蛋白質などと特異的に結合する核酸アプタマーが安定化することも明らかとなった。

新技術の特徴

・細胞内・外の機能解析に適した安定な核酸高次構造体の創出
・細胞内・外で核酸構造解析に有用かつ安定な核酸高次構造体の創出
・核酸アプタマーを安定化する

想定される用途

・基礎科学への応用(生化学・分子生物学のツール)
・基礎医学への応用(遺伝病の発症メカニズム解明など)
・医薬用途(新規がん治療薬、核酸医薬の開発などへの応用)

関連情報

・展示品あり

  • 創薬

4)脊髄オピオイドμ受容体を標的とした創薬開発

琉球大学 大学院医学研究科 腎泌尿器外科学講座 准教授 宮里 実

新技術の概要

オピオイドμ受容体選択的作動薬である[D-Ala2, NMe-Phe4, Gly-ol5]-enkephalin(DAMGO)が、腹圧性尿失禁モデルラットにおいて、くしゃみ時の尿道反射圧を上昇させることにより、尿失禁を防ぎうることを見出した。その作用部位として、脊髄のオピオイドμ受容体であることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

腹圧性尿失禁の有効な薬剤は確立されていない。脊髄のオピオイドμ受容体が腹圧性尿失禁の創薬開発につながる可能性を初めて見出した。

新技術の特徴

・脊髄に豊富に存在するオピオイドμ受容体が標的であること。
・オピオイドμ受容体作動薬の投与経路として経口投与が可能であること。
・本発明により、腹圧性尿失禁の治療薬の提供が可能となった。

想定される用途

・腹圧性尿失禁の創薬開発

  • 医療・福祉

5)スナップスルー動作を行う生体吸収性ポリマーステント

山口大学 大学院創成科学研究科 機械工学分野 教授 南 和幸

新技術の概要

バルーンカテーテルによるステント拡張時に、ステントストラット内の双安定構造が飛び移り座屈(スナップスルー動作)によりもう一方の安定な変形状態に移ることにより、変形後の形状安定性を向上させて、血管等の管腔の保持力を向上させた。これにより医療器具としての信頼性においても格段の向上が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

・ポリマー製で有りながら、金属製ステントと同等のラジアルフォースを示す(最大ラジアルフォース(圧力)284kPa)。
・既存の生体吸収性ポリマーステント(BVS、肉厚150µm)よりも肉厚の薄い(肉厚100µm)ステントが実現できる。

新技術の特徴

・双安定構造を持つため、形状保持能力が高い。
・生体吸収性ポリマーで製作可能

想定される用途

・冠動脈用ステント
・その他生体吸収が期待される管腔の保持器具

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

6)コンプライアント関節を搭載した転倒予防シューズ

大分大学 理工学部 創生工学科・福祉メカトロニクスコース 准教授 菊池 武士

新技術の概要

本発明では、板ばねと円形弾性体(ゴム等)を組み合わせた安価で軽量な非線形弾性機構を用いて、高齢者等の転倒を予防できる靴を提案した。提案部品は、回転方向によって補助抵抗力を変えることができる。これにより、つま先の垂れ下がりを防ぎながら歩行を阻害しない。

従来技術・競合技術との比較

室内での転倒を予防するための靴下は存在するが、屋外で靴を履いた状態では効果が低い。モータや空気圧人工筋などのアクチュエータを用いた装具はあるが、重たく・高価であるために日常的に使用できない。本発明は、軽量・安価であり屋外でも使用できる。

新技術の特徴

・板ばねと円形弾性体(ゴム等)を組み合わせた非線形弾性機構を有する。
・無動力であり、機械部品のみで身体補助を行う。
・軽量・安価でありながら、回転方向によって補助抵抗力を変えられる。

想定される用途

・歩行リハビリテーションのための短下肢装具
・高齢者等の転倒予防シューズ
・労働者の作業負担軽減具

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

7)呼吸監視用電波センサの研究開発

北九州市立大学 国際環境工学部 情報メディア工学科 教授 梶原 昭博

新技術の概要

電波(超広帯域無線)センサにより室内にいる人の呼吸などを非接触・無侵襲で監視する技術。本技術は、例えば体動や睡眠時の寝返りなどの動きに対しても連続して呼吸を監視できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の電波センサと異なり,1個のセンサで同時に複数人の呼吸を検出できる。このため夫婦の健康管理や保育園の園児睡眠時見守りなどにも応用できる。またトイレでの排便時の発作や失神などの見守りにも応用できる。

新技術の特徴

・自宅での家族の健康管理や介護施設(相部屋)での見守り
・トイレ内見守り
・保育園での睡眠時の見守り(乳幼児突然死症候群SIDS)

想定される用途

・自宅用健康管理
・高齢者夫婦の見守り
・保育園の睡眠時見守り

  • 建築・土木

8)音響解析と動画像解析を応用する外壁打診システム

鹿児島大学 理工学域工学系 建築学専攻 教授 塩屋 晋一

新技術の概要

足場を用いないで、外壁を叩くタッピングマシンで収集される打音データをマシン内の装着されているマイクロコンピュータにより、特許技術の半減方法による音響処理を行い、Wi-Fiで仕上げの浮きデータを受信コンピュータに送信して、リアルタイムで画像処理を行い、外壁面の仕上げ材の浮きを表示して、対象の外壁面の調査終了直後に、それを保存・印刷できるシステム。

従来技術・競合技術との比較

外壁の仕上げ材の診断方法としては,打音法と赤外線画像診断法の2種類がある。実用性の高い調査方法は打音法であるが,これまで殆ど人間の聴覚に基づいており,多分野の高度な工学的技術の応用が試みられてきていない。音響工学(音響因子抽出法),画像工学(監視カメラ技術,WiFi),電子素子工学(マイクロコンピュータ,マイクロチップ)の多岐の分野の先進技術と知見を融合したシステムである。

新技術の特徴

・外壁の浮きの打音データの特徴を捉えた簡便で精度の高い判断指標が用いられている。
・監視カメラ技術を応用して、タッピングマシンを自動追尾して、浮きの位置をリアルタイム特定して画像表示して、多数のスマホでモニタリングができる。
・浮きがレベル化されて、その位置とレベルが電子データとして保存でき、その画像も印刷できる。

想定される用途

・マンション等鉄筋コンクリート造建物外壁診断
・土木の鉄筋コンクリート造構造物の劣化診断
・高速道路橋脚やトンネル内の鉄筋コンクリート造内壁天井の劣化診断

  • 医療・福祉

9)血圧上昇をマイルドにする ペースト状醤油

佐賀大学 理工学部 機能物質化学科 准教授 成田 貴行

新技術の概要

醤油に特定の多糖類を混ぜ、適切な濃度及び成分で醤油と混合することで、醤油中の塩分を抑え、通常の醤油よりも旨み食感が強い醤油ペーストを調製することが可能であることを見出した。通常醤油に比べて最大50w%のNaCl濃度で十分な旨みと塩味、甘味を備えた醤油ペースト作ることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

増粘による塩味感増幅効果(テクスチャー効果)、さらには血圧上昇防止との複合効果についての見地は無かった。さらには、旨みによる塩味感増幅効果、使いすぎ防止効果、成分による血圧への影響等の複合的な効果を盛り込んだ食品添加物は今までない。

新技術の特徴

・通常醤油に比べて最大50 w%のNaCl濃度で十分な旨みと塩味、甘味を備えた醤油ペースト

想定される用途

・おいしい減塩醤油
・携帯用醤油
・ジュレ状だし醤油

  • 製造技術

10)変形するゲルの間隙でさまざまなカタチの粒子を分離

佐賀大学 理工学部 機能物質化学科 准教授 川喜田 英孝

新技術の概要

変形する球状ゲルをカラムの内部に充填し分離対象粒子群分散液を注入後水を透過すると、ゲルはカラムの下部になるほど変形するために下部のゲルの間隙が形成する孔は狭小化する。その間隙によって小さい粒子はカラムの外に流出し、大きな粒子ほどカラムの上部に捕捉される。ゲルの流れ方向の勾配を用いて、粒子を分離する技術の提案である。

従来技術・競合技術との比較

膜分離法では運転の初期段階において膜の孔によって分離できるが,粒子が徐々に膜の孔表面に堆積し膜の孔本来の分離性能が発現しなくなる。また、孔表面に堆積した粒子層によって著しく粒子分散溶液の透過性が低下する。また、ながれによる粒子分離では、大量な粒子群を分離・処理することは困難であった。

新技術の特徴

・一つの装置で水中に分散した様々なサイズの粒子を分離可能
・スケールアップが可能
・ゲルのサイズや弾性によって分離できる粒子範囲を制御可能

想定される用途

・半導体や自動車産業でのセラミックス粒子の分離
・形状の違いを用いた微生物や細胞の分離や分析

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

鹿児島大学 研究推進部社会連携課知的財産係

TEL:099-285-7043 FAX:099-285-3886
Mail:tizaiアットマークkuas.kagoshima-u.ac.jp
URL:http://www.rdc.kagoshima-u.ac.jp/

宮崎大学 産学・地域連携センター知的財産部門

TEL:0985-58-7592 FAX:0985-58-7793
Mail:chizai-sアットマークof.miyazaki-u.ac.jp

大分大学 研究・社会連携部 研究・社会連携課 外部資金・知的財産係

TEL:097-554-7375 FAX:097-554-7740
Mail:gaibushikinアットマークoita-u.ac.jp

琉球大学総合企画戦略部地域連携推進課産学連携推進係(知的財産担当)

TEL:098-895-8031 FAX:098-895-8185
Mail:chizaiアットマークto.jim.u-ryukyu.ac.jp
URL:http://www.iicc.u-ryukyu.ac.jp/

山口大学 大学研究推進機構

TEL:0836-85-9961 FAX:0836-85-9962
Mail:yuicアットマークyamaguchi-u.ac.jp
URL:http://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/sangaku/

北九州市立大学 企画管理課 企画・研究支援係

TEL:093-695-3311 FAX:093-695-3368
Mail:kikakuアットマークkitakyu-u.ac.jp
URL:http://www.kitakyu-u.ac.jp/

佐賀大学 リージョナル・イノベーションセンター 知財戦略・技術移転部門

TEL:0952-28-8151 FAX:0952-28-8186
Mail:tloアットマークmail.admin.saga-u.ac.jp
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TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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