新潟大学 新技術説明会
日時:2018年12月13日(木) 10:00~11:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、新潟大学
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 情報
1)行動の連続性から導く自動車運転の定常・異常性
新潟大学 工学部 工学科 知能情報システムプログラム 准教授 今村 孝
新技術の概要
本技術では、時系列モデリング手法により自動車ドライバの行動モデルを構築し、リアルタイム処理可能な異常検出手法を提供します。これにより、運転中の危険要因検出等の認知・判断能力評価や、「急ぎ」「焦り」などの心理変化による行動変化の検出が期待できます。
従来技術・競合技術との比較
車両やドライバへの加速度センサの装着、カメラの搭載や撮像などを要する従来手法と比較して、車両内で取得可能な車両速度やアクセル・ブレーキ操作などの時系列データを用いるとともに、過去数サンプルのデータから次サンプルの状態予測・検出が可能となり、実装容易性の向上が期待できます。
新技術の特徴
・時系列データの連続性をモデル化することで、行動や動作特性が時間変化として埋め込まれる状況に応用可能
・低次数のモデルでも有効であり、リアルタイム処理に適用可能
想定される用途
・人の運動や動作や、機械装置の連続動作のパターン学習と異常検出
・異常/正常の状態判定とフィードバックによる技能訓練への応用
関連情報
・デモあり
- 環境
2)消化汚泥のリン含有量低減による汚泥燃焼炉の長寿命化 -汚泥燃焼炉のリンによるトラブル解決-
新潟大学 工学部 工学科 化学システム工学プログラム 教授 金 熙濬
新技術の概要
消化汚泥の高濃度リンによる汚泥燃焼炉のダメージ問題を解決するため、汚泥の消化処理過程でリンをドロマイトで吸着し、消化汚泥のリン含有量を燃焼炉仕様以下に除去することで燃焼炉の保護とリンの蒸発による運転トラブルを防止する。リン吸着ドロマイトは重金属吸着剤として活用できる。設置が簡単で低価、低運転コスト、汚泥灰の発生量の低減が可能になる。
従来技術・競合技術との比較
競合する同じ技術はないが、汚泥燃焼炉内へリンと反応する成分(Fe、Ca,Al)を添加し、燃焼中で反応させ、リン酸カルシウム、リン酸鉄、リン酸アルミ等へ変化させ、運転トラブルを解決方法が考えられる。しかし、汚泥燃焼灰量の増加、高運転コストの問題がある。本特許は以上の問題を全部解決でき、リン吸着後のドロマイトも重金属吸着剤として商品化可能である。
新技術の特徴
・汚泥の消化処理過程で消化液からリンを吸着除去させるので、設置・運転が簡単
・消化汚泥のリン含有量が低下するので、リン吸着剤の使用量と汚泥灰発生量を同時に低減が可能
・低運転コストと、リン吸着後のドロマイトは重金属吸着剤として商品化可能
想定される用途
・リンによる腐食防止で汚泥燃焼炉の長寿命化と、蒸発リンによる運転トラブル防止
・高性能重金属吸着剤の生産(ヒ素の吸着)
・汚泥の消化処理過程またはメタン生成工程でのリン回収
- 医療・福祉
3)CBCTによる3次元自動歯軸・歯列の新規決定法
新潟大学 医学部 保健学科 教授 坂本 信
新技術の概要
コーンビームCT(CBCT)による生体内画像から3次元(3D)再構成した上下顎骨の特徴点よりワールド座標系を構築し、上下顎歯の歯軸と歯列の3次元絶対位置を精度良く自動計算的に求める新たな手法を開発した。6名の被検者に対して、任意の3名の検者による座標原点誤差は、平均0.45 ± 0.20 mmであった。
従来技術・競合技術との比較
これまでの3次元歯軸は手動によるものが多く、歯列はキャスティング等により歯表面形状を型取りしたものから求めており、客観性や精度に問題があった。本技術は、これらを解決する新規技術である。
新技術の特徴
・歯科以外の形成外科、耳鼻科等においても3D口腔内座標系が使用できる
・歯軸や歯列以外の歯科分野に3D口腔内座標系が応用できる
・これまで生体内情報だけで得ることが困難であった咬合接触を求めることができる
想定される用途
・個人特有の歯列を3次元的に正確に求めることができる
・矯正時の歯の移動量を3次元的に求めることができる
・補綴において、インプラント等の術前計画・術後評価をコンピュータ上の3次元絶対値で表現できる
- 創薬
4)細胞の品質評価方法、品質評価システム及び品質評価プログラム
新潟大学 歯学部 歯学科 生体組織再生工学 教授 泉 健次
新技術の概要
本技術は、培養口腔粘膜上皮細胞のタイムラプス顕微鏡撮影写真を画像処理することによって、非侵襲的、無菌的に異なる2つの指標(NCCとOF)を用いて、口腔粘膜上皮細胞特異的な”細胞運動能”を定量化した。口腔粘膜上皮細胞の増殖能との相関性を明らかにしたことで、再生医療に利用できる細胞評価システムを構築した。
従来技術・競合技術との比較
顕微鏡画像情報による細胞/コロニーの”形態変化”観察から、不均質な間葉系幹細胞/iPS細胞の品質予測技術は開発されているが、本技術は“動”を測定する。一方、フィーダー細胞と共培養する表皮細胞に対し、"回転運動”を運動能指標とした技術があるが、本技術ではフィーダー細胞を用いない培養細胞にも利用可能である。
新技術の特徴
・複雑な動きを示す培養細胞の”運動能”を2種類の画像処理により定量化した
・定量化したデータは、細胞の増殖能と相関する
・本技術により、非侵襲的かつ無菌的に測定が可能
想定される用途
・再生医療に使用する培養細胞の品質管理・評価
・細胞培養のオートメーション化の一環
・培養細胞に使用する薬剤などのスクリーニング
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
新潟大学 地域創生推進機構
TEL:025-262-7554 FAX:025-262-7513Mail:onestopadm.niigata-u.ac.jp
URL:http://www.ircp.niigata-u.ac.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp