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材料 新技術説明会(2)

日時:2018年10月30日(火) 09:55~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、四国産学官連携イノベーション共同推進機構(徳島大学、香川大学、愛媛大学)、高知工科大学、株式会社テクノネットワーク四国

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 材料

1)フレキシブルデバイスに向けた高品質酸化物半導体の新たな低温形成技術

高知工科大学 環境理工学群 教授 古田 守

新技術の概要

プラスチック等のフレキシブルな素材上でのディスプレイやセンサーといった機能デバイス形成が注目されている。これらフレキシブル素材は耐熱温度が低く、デバイス作製における最高温度を150℃以下に抑える必要がある。今回、高品質酸化物半導体InGaZnOx (IGZO)の新たな低温形成技術を開発したので紹介する。

従来技術・競合技術との比較

一般に半導体材料の作製温度とそのデバイス特性・信頼性はトレードオフにある。今回、酸化物半導体IGZOの新たな成膜プロセスを開発することで、欠陥の少ない高品質膜の形成、最高プロセス温度150℃にて良好な特性を持つ薄膜トランジスタやダイオードを実現した。

新技術の特徴

・低温(150℃)での高品質酸化物半導体IGZO形成技術
・フレキシブルトランジスタ作成技術
・フレキシブルショットキーダイオード形成技術

想定される用途

・プラスチック基板によるフレキシブルディスプレイ
・紙の上での電子デバイス実現
・ウエアラブル・生体適合デバイス

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

2)ナノ凹凸多孔体の一段階大量合成

高知工科大学 環境理工学群 講師 大谷 政孝

新技術の概要

数nmサイズの極めて微細な「凹凸表面」と「細孔」を兼備する多孔質材料を合成する新たな合成手法を開発した。本手法では、鋳型を用いることなく一段階の反応で種々の金属酸化物あるいは複合酸化物で構成されるナノ凹凸多孔体を合成可能である。また、パイロットプラントにより1日あたり500g程度の量産化も実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来法では、細孔や表面形状が制御された多孔体を得るには、界面活性剤などの鋳型を用いる必要があった。また、長時間の反応や合成後の焼成処理など多段階の工程を伴う場合もある。様々な金属酸化物・複合酸化物を鋳型フリーの一段階反応で合成可能である点で、本手法は極めて汎用性が高く有用な合成方法である。

新技術の特徴

・鋳型フリーのナノ凹凸多孔体の一段階合成
・様々な金属酸化物あるいは組成制御された複合酸化物の合成
・表面・細孔形状の制御と極めて大きな比表面積の実現

想定される用途

・触媒・光触媒
・電池・電極材料
・高分子複合材(フィラー・光学材料用途など)

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

3)炭素繊維複合材料の非破壊検査・モニタリング-材料の成形から運用までの新しいソリューション-

愛媛大学 大学院理工学研究科 生産環境工学専攻 生産システム学 助教 水上 孝一

新技術の概要

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形時に発生する欠陥や運用中の内部損傷を非接触かつ高速で検出するための非破壊検査技術と、成形中および成形後の物性測定のためのモニタリング技術を開発した。特に従来手法では測定困難であった欠陥、損傷、物性を対象としているほか、測定の高速化に重点をおいて測定法の開発を行っている。

従来技術・競合技術との比較

CFRPの非破壊検査法として、従来は水中超音波試験やX線CT試験がよく採用されている。愛媛大学炭素繊維複合材リサーチユニットでは光音響を利用した非接触超音波顕微鏡、渦電流を用いた非接触検査法などの新技術を開発し、従来法よりも検査の高速化、高効率化を行いながら十分な精度と感度で欠陥や損傷の検出を実現している。

新技術の特徴

・従来の検査法で検出が難しかった繊維のうねりもやあらゆる深さの層間はく離も高速かつ非接触で検出可能。
・CFRPの品質に関わる物性や欠陥を成形中から成形後までのあらゆるステージで測定。
・成形中の樹脂物性、成形品の導電性、材料内部のばらつきなどの評価にも対応可能。

想定される用途

・炭素繊維複合材を利用する構造材料全般の、成形から運用までの検査。
・非接触かつ高速なメリットを生かした、製品の全数検査。
・成形過程,成形後の詳細な品質検査による製造プロセスの最適化。

  • 材料

4)全く新たな、慢性腎臓病・急性腎障害の創薬・診断法樹立のためのミニ腎臓プラットフォーム

徳島大学 大学院医歯薬学研究部 医学域 腎臓内科学 准教授 安部 秀斉

新技術の概要

世界の腎臓病の有病者数は8億5,000万人に至るが、有効な治療法がなく、末期腎不全・透析患者が増加の一途にある。再生医療のロードマップの最高尾に位置する腎臓病に対し、腎を構成する細胞の機能低下を抑制する、新たな標的分子治療法探索のためのミニ腎臓によるプラットフォームを樹立した。

従来技術・競合技術との比較

本技術のミニ腎臓は、簡便かつ極めて高い再現性を有する。iPS細胞等の万能性幹細胞から誘導するorganoidは、その分化能ゆえ、最終分化した腎構成細胞へのアプローチは、時間・多額の予算を要し、未だ再現性は十分でない。ミニ腎臓は、分化が腎に限局し、24時間で作成可能であり、疾患モデルなどへの多彩な応用が可能。

新技術の特徴

・生体の定常状態にある全身の恒常性を担う腎臓という臓器・組織に近似している。
・作成が容易であり、24時間で完成するため、ミニ腎臓ごとのprofileのバラツキが極めて低い。
・遺伝子編集や患者の尿中脱落細胞を含めたミニ腎臓が作成でき、個別医療に向けた疾患モデル作成が容易。

想定される用途

・尿細管細胞・ポドサイト等の各細胞を標的とした、HTPの創薬。
・新薬等の腎障害をin vivoにより近い条件で施行可能な毒性評価。
・難治性腎疾患等の治療標的分子の探索。

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部

TEL:087-813-5672 FAX:087-813-5673
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