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東京理科大学 新技術説明会

日時:2018年11月13日(火) 09:55~14:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京理科大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 創薬

1)リダイフェンを有効成分とする医薬開発 -G1からG5への展開-

東京理科大学 理学部第一部 応用化学科 教授 椎名 勇

新技術の概要

これまで、椎名研究室の先駆的な有機合成技術を駆使して本学オリジナル化合物であるリダイフェン類を創出し、構造薬理活性相関の調査を通じて新薬のリード化合物を探索してきた。リダイフェンは抗腫瘍活性を有し、ある種のがん細胞に対し顕著な腫瘍増力抑制がみられている。

従来技術・競合技術との比較

天然物ハリコンドリンBの全合成類縁化合物のエリブリン(「ハラヴェン」®)は、62工程で合成され、当研究室で開発中の抗がん剤M-COPA[AFM-26]は、20工程必要である。これに対し、「リダイフェン類」は4~10工程で大量合成できる。低分子医薬の研究開発は有機合成技術が基盤であり、多様なリダイフェン類は創薬研究の再興に繋がると期待される。

新技術の特徴

・大学発の3成分連結反応を用いたリダイフェンの高効率合成
・低コスト合成
・人工化合物ライブラリー構築

想定される用途

・抗がん剤
・骨粗鬆症治療薬
・高脂血症治療薬

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 創薬

2)自己ゲル化核酸技術を利用した薬物・抗原投与システムの開発

東京理科大学 薬学部 薬学科 教授 西川 元也

新技術の概要

DNAの相補的な配列間での塩基対形成能を利用することで、自己組織化によりハイドロゲルを形成可能な多足型DNAナノ構造体が設計可能である。新技術は、自己組織化によりDNAと塩、水のみから成るハイドロゲルを作製するものであり、薬物や抗原等のタンパク質の内包および徐放が可能なデリバリーシステムの開発を可能にするものである。

従来技術・競合技術との比較

新技術で開発可能なDNAハイドロゲルは、生体適合性かつ生分解性である。また、塩基配列や立体構造の制御により、その生理的な活性の制御が可能であり、免疫アジュバント活性を持つDNAハイドロゲルも設計可能である。

新技術の特徴

・ゲル化に加熱や化学反応が不要
・加圧により容易にゾル-ゲル転移するため注射投与
・生分解性を保有

想定される用途

・徐放型ドラッグデリバリーシステム
・免疫アジュバント
・細胞投与補助剤

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 創薬

3)入手の容易な高分子材を用いた新しい薬物担体の開発

東京理科大学 薬学部 薬学科 教授 花輪 剛久

新技術の概要

高分子に電子線照射によって架橋して調製したハイドロゲル、ポリ塩化ビニルの熱可塑性を利用したフィルム等の薬物担体への応用技術を基にした独自の新技術により、特別な装置を使用せず簡便な方法で個々の医療機関で製剤が可能になり、個別化医療に対応した薬効の高いテーラーメイド製剤が実現する。

従来技術・競合技術との比較

①精巧な電子線照射による高分子架橋技術によって、薬物の放出制御、吸液能を種々制御可能なハイドロゲルが調製可能。
②1度の貼付で、患部の状態に合わせた薬物放出の制御を可能とし、患者や介護者のQOL向上を図れる創傷被覆材等の開発が可能。

新技術の特徴

・精巧な電子線照射による新しい高分子鎖架橋技術
・高分子材料の熱可塑性を用いた高機能な薬物放出制御
・高分子化学における物理的、化学的性質の変化に対する制御技術

想定される用途

・薬効を最大限高めることが出来る効率的な経皮吸収剤の開発
・高機能で“患者に優しい” 新しい創傷被覆材の開発
・高分子材の物理的、化学的性質の変化を制御した高分子化学分野への応用

関連情報

・サンプルあり

  • 電子

4)太陽電池で動作可能な人工知能LSI(mW級動作のスマートIoT端末に向けて)

東京理科大学 工学部 電気工学科 教授 河原 尊之

新技術の概要

IoTシステムで、IoT端末側での低電力AI処理ができれば、必要なデータのみをサーバー側に伝送することができ、サーバー側の処理負担とデータ通信量の低減が実現できる。本技術では、全結合のイジングモデルを実現できる低電力LSIアーキテクチャを開発した。これにより、電力は従来比1/10、AI処理の汎用性の拡大が実現可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来のイジングマシン方式では、LSI化時の配線増大の問題のため、部分結合により構成されていた。そのため、解ける問題に制限があり、また、全体の電力消費の大部分を占める特殊なデータ変換処理が必要であった。新技術では、新アーキテクチャで全結合を実現し、特殊なデータ変換処理のない方式を実現することで、汎用性を持ち、かつ、mW級動作を可能とした。

新技術の特徴

・その場(エッジ側)での電池レスAI処理
・幅広い組み合わせ最適化問題に対応可能

想定される用途

・インフラ監視低電力AIシステム
・AIを用いたモノづくりの高効率化
・長時間着衣型健康監視AIシステム

関連情報

・展示品あり

  • 情報

5)超スマート社会を支えるセキュリティープラットフォームの構築

東京理科大学 工学部 電気工学科 教授 岩村 恵市

新技術の概要

新技術は、情報を安全に分散管理する分散管理技術に関する技術である。分散された秘密情報の復元データの検証機能、及び分散管理された情報を秘匿したまま演算を行う秘匿演算を効率的に検証可能とする機能を有する。

従来技術・競合技術との比較

新技術では、秘密分散した秘密情報の復元、秘匿計算において、従来技術では実現できない復元データの検証、及び秘匿計算結果の検証アルゴリズムを提供する。これにより、IoTデバイス等からのデータ収集、それを用いたビッグデータ解析を含む利活用を安全に保護できるセキュリティプラットフォームが構築できる。

新技術の特徴

・安全性の高い秘密情報の秘密分散と復元時の検証機能を保有
・アクティブな攻撃者や装置の誤作動に対しても安全性を確保できる秘匿計算の検証機能を保有
・計算能力の低いIoTデバイスにも適用可能

想定される用途

・電気・ガス・水道等毎月の使用量などの統計値の秘匿計算
・多くの企業同士が自らのデータを秘匿しながら安全に相互のデータを利用できる仕組みの提供
・個人の秘密情報を秘匿しながら安全に有益な統計データとして利用できる仕組みの提供(医療、購買履歴等)

  • 計測

6)光学顕微鏡の分解能を超え、複数成分の動きや変化・光刺激が観察できる測定装置

東京理科大学 理学部第一部 物理学科 助教 瀬戸 啓介

新技術の概要

ポンプ光による試料に対する刺激をもう一つの光、プローブ光で検出するポンプ・プローブ法において、刺激のポンプ光波長依存性を、ポンプ光波長を掃引することなく測定する。例えば、顕微鏡において空間分解能が低い赤外線の吸収を空間分解能が高い可視光で検出することで、赤外吸収超解像イメージングが可能になる。

従来技術・競合技術との比較

従来、プローブ光の分光計測は容易であったが、ポンプ光の分光計測は、ポンプ光の波長掃引以外は困難であった。このため、分光計測に時間を要する。本技術は、波長掃引無でポンプ光分光を実現し、測定を高速化する。その結果、測定の高速化はもちろん、測定位置や試料状態が時々刻々変化しても高い信頼性を担保できる。

新技術の特徴

・波長無掃引で光による刺激の、光の波長依存性(アクションスペクトル)を獲得
・ポンプ光の多波長同時測定により、時々刻々変化する試料や試料位置においても高い信頼性を実現
・空間分解能が高いプローブを用いることでポンプ光の空間分解能を超えた超解像スペクトラルイメージングが可能

想定される用途

・分光器
・超解像顕微鏡
・太陽電池やセンサー材料の特性・効率分析

関連情報

・サンプルあり

  • 機械

7)金属3Dプリンタを用いた新しい多孔質静圧空気軸受

東京理科大学 工学部 機械工学科 准教授 宮武 正明

新技術の概要

多孔質静圧空気軸受は、加圧された空気膜により機械装置の稼働部分を非接触で浮上させる機械要素で、精密加工機や精密測定装置に広く使用されている。金属3Dプリンタの利点を活用し、①多孔質材と支持構造体を一体製作、②造形時のレーザー強度の調節による多孔質材の通気性のコントロールを可能とした。

従来技術・競合技術との比較

現在市販されている多孔質空気軸受は、数mm厚の多孔質材料を用いて製作し、ニューマティックハンマと称される不安定振動を防止する為に表面目詰まり処理を行っている。その為、量産製造時に通気率及び目詰まり度合の管理が必要となり、コスト増となっている。新技術では任意に通気率を調整でき、従来品より高性能な軸受の製造を可能とした。

新技術の特徴

・多孔質材と支持構造体を一体製作することが可能
・造形時のレーザー強度の調節による多孔質材の通気性のコントロールが可能

想定される用途

・精密加工機の案内機構
・精密測定器の案内機構
・非接触浮上装置

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

8)ソフトな高分子材料による新しいセンサー

東京理科大学 理学部第一部 応用化学科 准教授 古海 誓一

新技術の概要

本発表者らは、地球上で最も豊富に存在する天然高分子のセルロースを用いて、鮮やかな反射特性とゴム弾性を兼ね備えたセルロース・コレステリック液晶エラストマー膜に関する研究を進めている。今回、リオトロピック液晶などの特性を活用することで、このエラストマー膜の反射特性とゴム弾性を大幅に向上させることができた。

従来技術・競合技術との比較

従来、液晶エラストマーは、石油資源を原料にして化学合成技術を駆使して製造されている。一方、本発表者らはサーモトロピック・コレステリック液晶を示す架橋性セルロース誘導体を簡単方法で合成し、光架橋するとコレステリック液晶エラストマー膜になることを発見している。しかし、その反射特性とゴム弾性は十分な値でなかったため、大幅に向上させる本技術を開発した。

新技術の特徴

・安価で安全なセルロースを原料にして、簡単な化学反応でコレステリック液晶エラストマー膜を作製可能
・セルロース・コレステリック液晶エラストマー膜に機械的な力を加えると、反射特性(反射色)が変化する
・物体に加わる圧力だけでなく、物体表面の微視的な凹凸も可視化可能

想定される用途

・社会インフラセンサー
・ウエアラブルセンサー
・反射型ディスプレイ

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京理科大学 研究戦略・産学連携センター

TEL:03-5228-7431 FAX:03-5228-7442
Mail:uraアットマークadmin.tus.ac.jp
URL:http://www.tus.ac.jp/ura/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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