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豊橋技術科学大学 新技術説明会

日時:2018年06月14日(木) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、豊橋技術科学大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 材料

1)位相差フィルム等への展開を指向した新しい高複屈折性液晶材料

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 環境・生命工学系 助教 荒川 優樹

新技術の概要

一般に液晶性を示しにくい硫黄系置換基を導入した棒状分子において、液晶性を付与するための分子設計指針を見出し、それらが高い複屈折性を有するだけでなく、室温付近にて液晶相を示すことを明らかにした。高分子化することで位相差フィルムや偏光フィルムなどへの応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

液晶分子の複屈折を向上させるためには、分子構造への分極率の高い置換基の異方的な導入が有効であるが、一般には融点が向上するため、室温付近で液晶相を示す棒状分子は少ない。我々は、硫黄系置換基を有する液晶分子類縁体が、室温付近で液晶性を有する新しい高複屈折性分子となることを見出した。

新技術の特徴

・低融点
・高屈折率
・高複屈折

想定される用途

・位相差フィルム
・コレステリックフィルム
・偏光フィルム

  • アグリ・バイオ

2)アンモニア酸化細菌に結合する核酸分子と検出への応用

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 環境・生命工学系 講師 山田 剛史

新技術の概要

アンモニア酸化細菌 (AOB) は、硝化反応の最初の微生物反応を担っており、廃水処理や自然環境の浄化能を示す指標微生物として利用できる。AOBの細胞表層タンパクに結合する核酸分子を利用することよる、廃水処理プロセスや自然環境に生息するアンモニア酸化細菌のオンサイト計測について世界に先駆けて紹介する。

従来技術・競合技術との比較

アンモニア酸化細菌 (AOB) の検出や計測には、リアルタイム定量PCR法やDNAプローブを用いた蛍光染色法が用いられるが、測定操作も煩雑であり長い測定時間を必要とする。細胞表層タンパクに結合する核酸分子を用いた本方法では、短時間かつ簡便な操作によって、AOBの検出や計測をオンサイトで達成できる。

新技術の特徴

・多様な種のアンモニア酸化細菌の識別
・迅速・簡便なアンモニア酸化細菌の検出
・オンサイトでのアンモニア酸化細菌の検出

想定される用途

・廃水処理プロセスや各種浄化槽における硝化能力の簡易評価
・河川、湖沼や海域における窒素成分に対する浄化能の簡易評価
・アンモニア酸化菌の検出・計測の迅速化

  • 計測

3)針の端点が分離できる電極プローブ

豊橋技術科学大学 エレクトロニクス先端融合研究所 准教授 鯉田 孝和

新技術の概要

金属電極を生体内に刺入して電位を記録した際に、微弱な電流を流すことで記録端点を離脱できます。脱離した点は後処理不要で視認でき、記録部位をこれまでにない精度で特定できるようになります。利用する素材は安価で生体適合性もよく、加工も簡便です。

従来技術・競合技術との比較

神経生理学では金属電極を生体内に刺入し電位変化を記録するとともに、記録部位を知るためにマーキングを行います。既存の手法は空間分解能が100µm程度と大きく、細胞を特定することは不可能でした。本技術は10µm以下の細かさがあり、記録点そのものを保存するため究極の精度を誇ります。

新技術の特徴

・電極の記録位置が10倍以上の細かさで特定できます
・安全、安価で、既存のどの金属電極にも適応可能です
・離脱部に薬剤やラベル物質を仕込むことで、離脱後に投与したりIDを埋め込むことができます

想定される用途

・神経科学、医学生理学のマーキングツール
・めっき、電池などの電気化学
・入れ墨やマイクロチップに代わる、超微細なIDタグ

関連情報

・サンプルあり

  • 機械

4)ばねをロータに用いたフレキシブル超音波アクチュエータ

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 機械工学系 准教授 真下 智昭

新技術の概要

本技術は超音波振動を用いて、コイルばねのようなやわらかい物体を、回転または直動することができるアクチュエータの技術である。従来の機器に柔軟性を持たせることにより、狭く細長い空間(工業用パイプやヒトの消化管)での移動能力・作業能力を向上することができる。

従来技術・競合技術との比較

近年のロボット開発では、空圧などを用いた柔らかいロボットが注目されている。しかし、空圧は、コンプレッサー、チューブ、バルブなどの部品が必要になり大型化する。提案する技術であれば、柔らかいロボットを、電気駆動で小さく作ることが可能になる。

新技術の特徴

・構造がシンプル
・アクチュエータとしての安心安全
・高い柔軟性・耐衝撃性

想定される用途

・医療ロボット
・内視鏡ロボット
・災害ロボット

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

5)表面プラズモン共鳴を利用した低消費電力フルカラー表示素子

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学系 講師 高橋 一浩

新技術の概要

伸縮性フィルム上に金属細線のナノ構造体を周期的に配列し、表面プラズモン共鳴を利用した波長フィルタ機能による画像表示素子を実現した。MEMS静電アクチュエータを用いて、フィルムの2次元伸縮動作を行い、励起する表面プラズモンの共鳴波長を変調し、透過・反射スペクトルを可視域450~600 nmの範囲で制御する。

従来技術・競合技術との比較

有機LED等の電流駆動発光型表示素子に比べて消費電力が小さく、エナジーハーベスタ等の微小電力で駆動可能である。また、50%以上の高い反射率・透過率を持つことから、外光を利用した表示において、高い輝度を示すことができる。

新技術の特徴

・低消費電力(発光型表示素子と比べて約1/10)
・フルカラー(RGB)波長帯域で連続可変
・高い反射率(高輝度)

想定される用途

・カラー表示電子ペーパー
・外光反射を利用した高輝度電子皮膚(e-skin)
・透過型表示素子

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

豊橋技術科学大学 研究推進アドミニストレーションセンター

TEL:0532-44-6975 FAX:0532-44-6980
Mail:tut-sangakuアットマークrac.tut.ac.jp
URL:http://rac.tut.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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