マテリアル 新技術説明会
日時:2019年11月12日(火) 10:30~15:25
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、大阪市立大学、大阪府立大学、兵庫県立大学
後援:特許庁、関東経済産業局、関西SDGsプラットフォーム
発表内容一覧
- セルロースナノファイバーを用いた 低コスト・高機能な金属箔 発表資料 プレゼン動画
- マイクロ積層構造を有する2.5GPa級高強度・高延性合金の創製と超精密部材開発 発表資料 プレゼン動画
- ダイヤモンドと異種材料の直接接合による高効率デバイスの実現 発表資料 プレゼン動画
- 複雑形状物の色彩・光沢・再帰の同時非接触測色システム 発表資料 プレゼン動画
- ウイルス感染能診断デバイス 発表資料 プレゼン動画
- 臭気物質を収着し、紫外線を吸収する新規ナノセラミックス 発表資料 プレゼン動画
- 材料表面の機能性金属箔接合による表面改質 発表資料 プレゼン動画
- 残渣フリーの熱分解性バインダー用ポリマー 発表資料 プレゼン動画
発表内容詳細
- 材料
大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 准教授 椎木 弘
新技術の概要
バイオマスとナノ材料を利用した新しい素材の開発を行った。本技術では、金属ナノ粒子と天然生物資源の複合化によって、それぞれの特性を相補することが可能である。工程が少なく、配線などの金属使用量を低減化できるなど、省資源、低コスト化を実現できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の配線に比べて金属使用量が劇的に低減化(80%以上)されるにもかかわらず、安定した導電性、高い電流密度を示す。柔軟性に優れ、化学的に安定であるため金属アレルギーが抑制できるなど、人体へのストレスがない。
新技術の特徴
・導電性、金属光沢
・機械強度、柔軟性
・金属使用量低減化
想定される用途
・金属箔、フレキシブル配線
・電池電極、センサ電極材
・ウエアラブル機器、スマートテキスタイル
関連情報
・サンプルあり
- 材料
兵庫県立大学 大学院工学研究科 材料・放射光工学専攻 副学長 山﨑 徹
新技術の概要
Ni-W層又はNi-P層とNi層とを交互に積層することにより、機械的強度を向上させた複合材である。電解析出Ni-W合金層と、Ni-W合金よりも収縮量の少ない電解析出Ni層とを、特定の厚さで交互に複数層積層させることによって、界面におけるNi-W層の収縮を抑制した高強度・高延性部材を開発した。
従来技術・競合技術との比較
従来の電解析出されたNi-W合金は、ナノ結晶/アモルファス複合組織を有し、2~3 GPa程度の高引張強度と5%を超える高い塑性伸びを示す。しかし室温保存中に延性が低下し、脆化が進行することが確認されている。本技術ではNi-W合金層とNi層との複数層積によって、経時的な脆化を抑制した。
新技術の特徴
・2.5GPa級の高引張強度と塑性変形性能
・高バネ性能とセラミックスレベルの高硬質・高耐食性
・フォトリソ技術との組み合わせによるマイクロ・ナノスケールの精密成形性
想定される用途
・マイクロ・ナノスケールの超精密・高耐久性金型
・高硬質・高バネ特性を生かした各種マイクロ精密部材
・高耐食性・高耐摩耗性を必要とする摺動部材(印刷用ブレード等)
関連情報
・展示品あり
- デバイス・装置
大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻 准教授 梁 剣波
新技術の概要
ダイヤモンドは物質中に最も高い熱伝導率と最高絶縁耐圧を有し、パワーデバイス用半導体材料として電子機器の高性能化や省エネなどに大いに期待されている。我々は表面活性化接合法を用いて、ダイヤモンドと異種材料(Si、 GaAs、 GaNなど)の直接接合(中間層を用いない接合)に成功した。接合界面が優れた耐熱性を持つことを確認した。
従来技術・競合技術との比較
ダイヤモンドの結晶構造とSi、 GaAs、 GaNなどの半導体の結晶構造とは互いに異なっている。そのため、結晶成長など従来手法によりダイヤモンド基板上にSi、 GaAs、 GaNなどの高品質半導体層を成膜することは極めて困難である。
新技術の特徴
・ダイヤモンドとあらゆる材料の直接接合可能
・常温で接合形成
・高耐熱接合界面可能
想定される用途
・パワー素子
・高機能性素子
・熱センサ
関連情報
・サンプルあり
- デバイス・装置
大阪市立大学 大学院生活科学研究科 居住環境学専攻 准教授 酒井 英樹
新技術の概要
拡散光照明装置に新しくデザインした可動式光トラップを組み合わせることで、製造後の曲率を持った工業製品の表面(曲面)や、天然由来の建材や食品など平らで均一な測定用試料を作ることが困難な物体面(凹凸面)の色彩、光沢、再帰反射を、非接触で同時に測定することができる。
従来技術・競合技術との比較
物体の色彩・光沢・再帰反射を測定するには、産業規格で定められた照明及び受光条件を満たすことが望ましく、それら産業規格に準拠した接触式色彩計・光沢計が数多く市販されているが、平らで均一な測定用試料を作る必要があり、形状を持つ物体をそのままの形で測色することは困難であった。
新技術の特徴
・水平からの45度程度までの傾き面の測色が可能(通常は傾き面は測定不可)
・色彩・光沢・再帰反射を同一精度で同時測色可能(通常は個別に測定、精度も不均衡)
・数秒で測色が可能(通常の変角多点測色の測定時間は数分以上)
想定される用途
・天然由来の建材・石材や生物・植物等の色彩・光沢・再帰反射測定
・建物面や道路面の施工現場での色彩・光沢・再帰反射測定
・生産ライン等での工業製品や食品の外観検査のための色彩・光沢・再帰反射測定
関連情報
・デモあり
- デバイス・装置
兵庫県立大学 大学院工学研究科 材料・放射光工学専攻 教授 住友 弘二
新技術の概要
基板上の井戸構造を人工脂質膜でシールする。ウイルスが人工脂質膜に融合することで井戸構造内に流入する内容物(カプシドやDNA等)を、井戸内部に封入してある蛍光プローブ等との反応で検出する事で、ウイルス感染能の高精度な評価を実現する。
従来技術・競合技術との比較
生体細胞を使用した評価では、その生体細胞の生育状態によって実験で得られる結果が変動し、ウイルス感染能評価の精度が低下する場合があった。人工脂質膜を利用する事で、その融合過程は安定する。さらに、井戸内部でのDNA等の検出には多様な高感度な手法が適用可能となる。
新技術の特徴
・ウイルス感染能の高精度評価
・ウイルスの内容物をDNAレベルで評価
・ウイルスの種類の判別も可能
想定される用途
・疾病の診断
・ウイルス感染抑制方法の検証
・ウイルス感染抑制薬剤の開発
関連情報
・展示品あり
- 材料
大阪市立大学 大学院工学研究科 機械物理系専攻 教授 横川 善之
新技術の概要
樹脂系材料に広くセラミックフィラーが利用されているが、臭気物質を強力に取り去り、著しい臭気の減弱効果をもたらすのみならず、紫外線も効果的に吸収し、形態制御も可能な多機能性新規セラミックフィラーを開発した。
従来技術・競合技術との比較
従来のセラミックフィラーと比べ、吸収面積が広く、臭気物質に関し吸収効果が高いことはラボや歯科臨床等でも確認している。組成を変えることで、紫外線吸収性を持つことを初めて見いだし、多機能性セラミックフィラーとして、高齢者のマウスケア、高耐久性樹脂シートなどへの活用が期待される。
新技術の特徴
・光学的特性、化学的特性を併せ持つ新規多機能性セラミックフィラー
・フィラーとして適した形態制御が可能
・医用~工業用途に幅広く応用できる
想定される用途
・高齢者用マウスケア商品
・紫外線防止化粧品
・高耐久性樹脂シート
関連情報
・デモあり
- 材料
兵庫県立大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 教授 原田 泰典
http://www.eng.u-hyogo.ac.jp/outline/group/group19/index.html
新技術の概要
鉄鋼材料や非鉄材料から作製される製品に対して、材料強度とともに耐食性や耐摩耗性などの表面特性の改善が求められている。本発表では、ショットピーニングを応用した機能性異種金属箔の接合技術について、方法や実施例について紹介する。
従来技術・競合技術との比較
本研究で接合に利用するショットピーニングは、本来、ばねや歯車などの機械部品における疲労特性を改善することが目的である。そのため、従来技術ではほとんど見られない方法である。また、めっきや蒸着などの競合技術において、マグネシウム材料のような難接合材に対しても本手法は異種材接合が可能である。
新技術の特徴
・疲労改善も期待できる接合技術であること
・樹脂やセラミックのような非金属の接合が可能であること
・比較的短時間に厚膜の皮膜形成が可能であること
想定される用途
・化学プラント用製品(構造部材、タンク、配管等)
・医療・福祉分野における軽金属製品(マグネシウム材料、アルミニウム材料)
・搬送機器用製品(自動車、航空機等)
関連情報
・サンプルあり
- 材料
大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 松本 章一
新技術の概要
常温ではバインダーとしての効果を持ちながら、加熱により分解・ガス化して残渣の発⽣が極めて少ない熱分解性メタクリル酸エステルポリマーを開発した。側鎖にBOC基を含むメタクリル酸エステルポリマーをバインダーとして⽤いることにより、⾼温焼結時に分解が促進され、かつ使⽤時の熱安定性を保持することが可能である。
従来技術・競合技術との比較
熱分解時の残渣が極めて少なく、窒素雰囲気での熱分解条件下で重量残渣を1%以下を実現できる。熱分解開始温度が⽐較的⾼く、様々なモノマーと共重合することでポリマーのガラス転移温度を-80℃から150℃の範囲で自在に調節することが可能である。
新技術の特徴
・熱分解時の重量残渣を極めて少なくする事が可能
・⾼温での操作や取り扱いが可能
・ガラス転移温度を広範囲で調整可能
想定される用途
・電⼦回路スクリーン印刷
・焼結用ポリマーペースト
・発泡性ポリマー材料
関連情報
・サンプルあり(有償サンプルの提供が可能)
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
大阪市立大学 URAセンター
TEL:06-6605-3550 FAX:06-6605-2058
Mail:sangaku-ocuado.osaka-cu.ac.jp
URL:https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/research
大阪府立大学 研究推進本部 URAセンター
TEL:072-254-9128 FAX:072-254-7475
Mail:URA-centerao.osakafu-u.ac.jp
URL:http://www.iao.osakafu-u.ac.jp/urahp/
兵庫県立大学 産学連携・研究推進機構 知的財産本部
TEL:079-283-4560 FAX:079-283-4561
Mail:sangakuhq.u-hyogo.ac.jp
URL:http://www.u-hyogo.ac.jp/research/index.html
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp