ものづくり 新技術説明会
日時:2019年07月11日(木) 13:30~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、岐阜大学、三重大学
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 機械
岐阜大学 工学部 機械工学科 教授 伊藤 聡
新技術の概要
本ロボットは通常の台車と同様に、受動車輪(キャスター)で構成されています。しかし、水平面内のロータ回転で推進力を得、自律移動も可能です。つまり、自由に押せる手動モードと自律移動する自動モードをギアなしで実現しています。その自律移動を一つのモータを利用するだけで行っているのも本ロボットの特徴です。
従来技術・競合技術との比較
車両の制御には、通常加減速とハンドル操作の2つのモータが必要ですが、それを1つのモータで実現しました。旋回も可能で、目標位置まで自律到達可能です。キャスターを使用しているので、自動車のようにギアをニュートラルにすることなく、自由に押して進ませることもできます。
新技術の特徴
・キャスター車両なのに自律移動可
・モータが一つなのに、直進と旋回が可能
・モータが一つで済むため、削減できたモータとその制御装置分の重量・費用が削減
想定される用途
・ショッピングカート,スーツケースなどキャスターをもつものパワーアシスト
・攪拌しながら運ぶ必要のあるものの搬送車
・ロボット教材
- 建築・土木
2)集成材・LVL等の鋼板補強の技術的発想とその利用
発表資料三重大学 大学院工学研究科 建築学専攻 教授 富岡 義人
新技術の概要
ロール供給可能な有孔有爪薄鋼板を内装する集成材・LVLの製造方法・構造強度・利用方法にわたるアイデアを説明する。
従来技術・競合技術との比較
これまでの木・鋼ハイブリッド材は、強度・剛性に対する鋼材の寄与が非常に大きく、製造に特別の配慮が必要だった。本発明は、特殊加工の薄鋼板を集成材に内装するだけで製造でき、既存の製造工程に無理なく挿入できる。
新技術の特徴
・木質材の利用促進
・製造容易性の高さ
・エンジニアリング・ウッドとしての性能信頼性
想定される用途
・建築物
・柱梁材
・アーチ材
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- 製造技術
岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 准教授 加藤 邦人
新技術の概要
複数の判定対象物のデータをエンコーダ、デコーダ構造ネットワークに入力して、判定対象物の特徴を抽出し、ディスクリミネータが判定対象物の特徴の分布が「正規分布」に従っているか否かを判定する。これを繰り返して特徴の抽出誤差を最小化し、判定対象物の異常度を算出して、しきい値処理を行って正常品が異常品かを判定する。
従来技術・競合技術との比較
本発明によれば、大量の正常データのみ、もしくは大量の正常データとごく少数の異常データを用いてニューラルネットワークの機械学習を行った場合でも、異常品の判定を精度高く行うことができる。
新技術の特徴
・異常データが少数であっても、正常/異常の判定を精度高く行える。
想定される用途
・工業製品や農産物の外観検査
・画像データの中の異常な場面の検出
- 機械
4)炭素繊維強化複合材料(CFRP)への小口径穴あけ加工
発表資料三重大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授 中西 栄徳
新技術の概要
鋭利な刃先を持つ打ち抜き用の円筒形状工具を超音波振動にて高速に振動させ、適切な速度で材料に対して押し込む事で、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)への穴あけ加工をおこなう。なお、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらの母材でも加工可能である。
従来技術・競合技術との比較
CFRP加工用の専用ドリルでは必ず大量の粉塵が発生するが本加工方法では非常に少ない量である。そのため、吸塵装置も簡易的なもので十分である。回転工具では無く、鋭い刃先を高速振動させるため、刃先が炭素繊維を過度に引張る事が無く加工面性状が良い。
新技術の特徴
・円形以外の形状での打ち抜き加工が可能である。
・切り粉が非常に少ないため、作業環境にやさしい。
・様々な種類の母材に対応が可能である。
想定される用途
・リベット(ファスナ)穴の加工
・トリミング
・長穴・飾り穴等の非円形形状の穴あけ
- 製造技術
5)進化的画像処理を用いた安価で調整容易な極薄紙の枚数計測
発表資料岐阜大学 工学部 機械工学科 助教 佐藤 惇哉
新技術の概要
安価なウェブカメラを用いて、顔の脂取り紙のような極薄紙の枚数を高速かつ高精度に計測できる技術を開発した。非接触計測が可能なため、皺やゴミがつかない利点がある。進化計算と呼ばれるAIを導入することで、紙の種類や照明条件の変化に自動で対応できる。
従来技術・競合技術との比較
画像処理で物体を高精度に計測するためには、撮影環境に適した画像処理パラメータを事前に調査して設定する必要がある。これは面倒なため、我々は進化計算と呼ばれるAIを導入することで自動化した。撮影環境に柔軟に対応可能なため、従来技術のように特殊な装置や複数の照明機器が不要である。
新技術の特徴
・画像処理パラメータ調整の自動化
・高精度な画像中の直線検出
・複数パラメータの同時最適化
想定される用途
・紙や髪、本、鉄板、陳列商品等の非接触カウントやセンシング
・撮影環境の変化に自動対応可能な画像センシング
・設備や機器を制御する複数パラメータの同時最適化
関連情報
・デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
岐阜大学 研究推進・社会連携機構
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Mail:chizaigifu-u.ac.jp
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三重大学 知的財産統括室
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Mail:chizai-mipcrc.mie-u.ac.jp
URL:http://www.mie-u.ac.jp/
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