省エネルギー 新技術説明会
日時:2019年10月10日(木) 12:55~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、広島県立総合技術研究所、島根県産業技術センター、山口県産業技術センター
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 製造技術
島根県産業技術センター 技術第一部 無機材料技術科 専門研究員 上野 敏之
https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/syoko/kikan/shimane_iit/
新技術の概要
風車ブレードの落雷による破損が発電事業の採算性を低下させる。そこで落雷時の破損を抑制する技術を開発した。これはレセプター周辺への導体テープ貼付けによる雷捕捉性向上と、新素材によるブレード受雷部(レセプター)の耐久性向上により、ブレードの雷被害を抑制するものである。
従来技術・競合技術との比較
従来のレセプターのみの設置ではレセプター外への着雷を捕えきれず、ブレードが破損することがあった。本技術により捕捉性を向上できた。またレセプター素材としてステンレス、銅、アルミニウムといった金属が用いられていたが、溶融損傷が大きかった。ここに新素材を用いることで耐久性を向上させた。
新技術の特徴
・安価な導体テープ貼付けによる落雷対策
・新素材STCによるレセプター耐久性向上
・雨水侵入を抑制する施工方法
想定される用途
・風車ブレードの落雷対策
・ブレードと同様な樹脂構造物への落雷対策
・放電部の溶損抑制
関連情報
・サンプルあり
- 機械
広島県立総合技術研究所 東部工業技術センター 加工技術研究部 主任研究員 佐々木 秀和
新技術の概要
本技術は、コルヌスパイラルと呼ぶ緩和曲線を歯車の基本歯形に適用した特殊歯形歯車の設計技術であり、最も一般的な歯車であるインボリュート歯車の長所(設計手法や加工方法)をできる限り継承して、より強く・より効率良く・そして使い易い歯車を目指して開発したものです。
従来技術・競合技術との比較
本技術であるコルヌ歯車は、従来技術であるインボリュート歯車と比較して、歯形形状の改善により歯元の曲げ疲労強度の向上や、歯面摩耗量の低減といった機械的強度面において優れた性能を実現しました。さらに伝達効率の改善も確認できたことから省エネルギー化や長寿命化を必要とする機械装置に好適です。
新技術の特徴
・歯車の機械的強度を高めることができる
・動力伝達を高効率で実現できる
・歯車は一般的な歯車と同じように加工できる
想定される用途
・優れた機械的強度特性を活かした既存製品の歯車機構の小型軽量化や高耐久化
・省エネ効果がある特徴を活かしたバッテリ駆動機械
・摩耗が少ない特徴を活かした食品機械やクリーンルーム内の歯車
関連情報
・展示品あり
- 製造技術
山口県産業技術センター 企業支援部 産学公連携室 室長 磯部 佳成
新技術の概要
油性加工液を使用しない機械加工法を実現する。本技術は、加工液の機能技術(潤滑:潤滑性を持つ水溶液で潤滑する。冷却:水溶液をミスト化し潜熱冷却する。切屑の排出:泡技術で切屑を捕集する。)および工具技術(加工点へ直接水溶液を供給できる連通気孔構造を形成し、加工性・冷却性・潤滑性に寄与する。)である。
従来技術・競合技術との比較
従来の油性加工液は、加工中の飛散等で作業環境汚染、作業員の健康被害、使用後加工液の産廃処理費増、加工機周辺の補機動作による消費電力過多等の課題があったが、本技術は、これらを解決するものである。
新技術の特徴
・連通気孔を有する多孔質構造研削砥石
・油性加工液を使用しない機械加工技術(補器電力低減、廃油処理軽減、作業環境改善、既存機への適用可)
・従来技術では困難な高粘性液体の微粒化
想定される用途
・内部から加工液を供給することができる研削砥石
・既存加工機での水溶性加工液による機械加工
・高粘性液体の微粒化
関連情報
・サンプルあり
- 製造技術
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 材料技術研究部 主任研究員 河野 洋輔
新技術の概要
本技術は、熱可塑性樹脂をマトリックスとする炭素繊維複合材料(CFRP)基材を、工業用ミシンを用いて自動的に縫着し、成形体に引張力が生じる方向に対し炭素繊維一致させて積層する技術です。
従来技術・競合技術との比較
CFRP部品の成形工程において、基材の積層は従来手作業で行うため、時間がかかり配置精度にばらつきが生じます。本技術では、工業用ミシンを使用して基材を自動積層させることで、基材を必要な位置へ正確に短時間で自動配置できます。
新技術の特徴
・材料廃棄を低減できる
・設計どおりにCFRP基材を積層できる
・積層時間を短縮できる
想定される用途
・炭素繊維、ガラス繊維複合材料部品の手作業製造工程の機械化
・炭素繊維、ガラス繊維複合材料の多品種部品の量産化
・炭素繊維、ガラス繊維複合材料の自動車部品への適用
関連情報
・外国出願特許あり
- 製造技術
山口県産業技術センター 企業支援部 産学公連携室 サブリーダー 山田 誠治
新技術の概要
壁面に沿って流れる噴流に対して、壁面から所定の距離の位置に、流れに平行、或は迎角を持たせて翼を設置することで、噴流の速度低減、流れに垂直方向への広がりが抑制され、壁面からの噴流の剥離抑制ができるため、壁面噴流の生じる装置内部でのエネルギー効率向上、乾燥・冷却・メッキ等の効率向上、均一化ができる。
従来技術・競合技術との比較
壁面噴流の剥離防止には、壁面上に渦発生器を設置する方法があるが、その効果は不十分であり、渦発生器による抵抗増加が生じる問題点がある。また、壁面自体が製品である場合には渦発生器を設置することができない。本技術は、これらの問題点を解決する。
新技術の特徴
・構造がシンプルで既存装置へ取付が容易な壁面噴流の制御技術である
・壁面自体が製品となる場合にも適用できる壁面噴流の制御技術である
・エネルギー効率向上とともに製品品質も向上できる
想定される用途
・エアコン室内機内部に生じる壁面噴流への適用
・連続メッキ・乾燥工程等に生じる壁面噴流への適用
・車等のデフロスターへの適用
- アグリ・バイオ
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 食品加工研究部 副部長 柴田 賢哉
新技術の概要
食材に物質を急速導入する含浸技術です。加熱食材を高温状態のまま含浸溶液につけて減圧する方法で、1~2分の短時間で含浸できます。また、給食調理や家庭調理でも簡単に使える含浸処理用の物質保持基材も考案しました。食材と物質保持基材を接触させて減圧処理すると、基材中の物質を食材内に容易に含浸できます。
従来技術・競合技術との比較
食材に物質を急速導入する技術として広島県の凍結含浸法が知られています。凍結含浸法の食材への含浸時間は5~10分ですが、新技術は1~2分に短時間化され、生産性が向上します。また、全く新しい物質保持基材による簡易含浸技術は、家庭でのやわらか食調理・時短調理ニーズの解決手段を提供します。
新技術の特徴
・形ある食材中心部まで1~2分で物質を急速含浸できる
・調味液、栄養成分、機能性成分、酵素など、様々な物質を急速含浸できる
・物質保持基材を用いた調理シートで手間いらず、簡単に急速含浸できる
想定される用途
・食材への物質含浸時間の短時間化により、食品製造の生産性が向上
・調味食品、栄養強化食品、機能性強化食品、形状保持軟化食品(高齢者食)等の新規食材開発
・食品製造用含浸装置の開発、家庭用含浸調理器・調理シートの開発
関連情報
・外国出願特許あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
広島県立総合技術研究所 企画部
TEL:082-223-1200 FAX:082-223-1421
Mail:sgkkikakupref.hiroshima.lg.jp
URL:http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-soken/
島根県産業技術センター 企画調整スタッフ
TEL:0852-60-5141 FAX:0852-60-5144
Mail:sangisenpref.shimane.lg.jp
URL:https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/syoko/kikan/shimane_iit/
山口県産業技術センター 経営管理部 経営企画室
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Mail:infoiti-yamaguchi.or.jp
URL:http://www.iti-yamaguchi.or.jp/
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