JST戦略的創造研究推進事業 新技術説明会 ~エネルギー~
日時:2019年10月18日(金) 13:30~15:25
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- エネルギー
筑波大学 数理物質系 物質工学域 助教 武安 光太郎
新技術の概要
表面科学的手法を用いた活性点やメカニズムの基礎研究に基づいて高活性の窒素ドープグラフェン触媒を調製することに成功した。また、CO2から150℃程度の低温でメタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコールを合成する触媒の調製にも成功した。
従来技術・競合技術との比較
窒素ドープカーボン系燃料電池触媒に必要な機能を基礎研究で明らかにしたうえで、活性点を設計しさらに疎水性を付与した。その結果、世界トップクラスの活性が得られている。また、CO2水素化によるメタノール、エタノールおよびプロパノールに150℃で転換する触媒を見出した。これは世界初の技術である。
新技術の特徴
・燃料電池用の高活性窒素ドープカーボン触媒
・温室効果ガスCO2の有用化合物への転換
・CO2を低温で大量にアルコールに転換できる
想定される用途
・燃料電池
・CO2排ガスの資源化
・エネルギーキャリア
関連情報
・サンプルあり
- エネルギー
2)酸素還元電極触媒、低分子量有機分子で成功 【研究評価グループ】
発表資料愛知工業大学 工学部 応用化学科 教授 森田 靖
新技術の概要
グラフェンの部分骨格を有するトリオキソトリアンギュレン(TOT)と命名される空気中および水中でも安定な有機中性ラジカルが、酸素還元(ORR)電極触媒として効果的に機能することを見出した。構造が明確かつ単一な低分子量のメタルフリー有機分子であり、明確な触媒構造-ORR活性相関が発現した。
従来技術・競合技術との比較
代表的な酸素還元電極触媒である白金は、希少金属であり高コスト、微量の一酸化炭素による被毒が深刻な問題。カーボンアロイ触媒は本質的に混合物であり、さらなる活性強化や耐久性の向上に向けた分子・原子レベルでの設計指針の案出が困難。我々の材料は構造が明確かつ単一な低分子量有機分子。構造–活性相関によるさらなる改良が可能。
新技術の特徴
・構造が明確かつ単一な低分子量の有機物から成る酸素還元電極触媒
・アルカリ性条件下酸素分子を2電子還元
・構造–活性相関による改良が可能、金属不純物の影響無し
想定される用途
・有機分子レドックス触媒
・燃料電池
・空気電池
関連情報
・サンプルあり
- エネルギー
3)アンモニア合成用複合希土類酸化物担持金属触媒の開発 【CREST】
発表資料名古屋大学 大学院工学研究科 化学システム工学専攻 教授 永岡 勝俊
新技術の概要
電子供与能の強い酸化物で金属ナノ粒子を抱合することで、非常に高いアンモニア合成速度を示す触媒を得た。希土類の複合酸化物を担体の構成成分に用いることで、アンモニア合成触媒で問題となる水素被毒の緩和に成功した。そのため反応圧とともにアンモニア合成速度が上昇する。
従来技術・競合技術との比較
本発明のRu触媒は高活性なアンモニア合成触媒として報告のあるアミド化合物にRuを担持した触媒と同レベルの活性を示す。アミドを用いた触媒には大気中で不安定なため扱いにくいという欠点があるが、本発明の触媒は大気中で安定なため、製造・取り扱いが容易であり工業化に適しているというメリットがある。
新技術の特徴
・電子供与性の強い酸化物で金属ナノ粒子を抱合することで、高い活性を実現
・大気中で安定なため、製造・取り扱いが容易
・水素被毒が緩和されているため、反応圧とともに活性が大きく向上
想定される用途
・ハーバーボッシュ法よりも遥かに温和な条件で、同等のアンモニア合成速度を得ることができるRu触媒
・必要な場所、必要なときにアンモニアを合成できるオンデマンド型アンモニア合成プロセス
・ハーバーボッシュ法よりも温和な条件で、同等のアンモニア合成速度を得ることができる非貴金属触媒
関連情報
・サンプルあり
・外国出願特許あり
- エネルギー
4)カーテンがいらない生活を目指して ~EC遮光ガラス~ 【CREST】
発表資料物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 電子機能高分子グループ グループリーダー 樋口 昌芳
新技術の概要
発表者らが開発した新しいエレクトロクロミック(EC)材料であるメタロ超分子ポリマーを用いて、遮光部分を自由に変えることができるEC遮光ガラスを開発した。オフィスや自動車などに「遮光と眺望を両立できる窓」として応用する。
従来技術・競合技術との比較
メタロ超分子ポリマーは、酸化タングステンなどの従来のエレクトロクロミック材料に比べ、色変化の応答性が速く、着色効率も高い。そのため、電極配線を工夫することで、従来材料では実現困難な自在遮光を初めて実現した。
新技術の特徴
・遮光部分を自由に変えることができる
・基材は、ガラスでもプラスチックでも可能
・豊富なカラーバリエーション
想定される用途
・調光ガラス
・超低消費電極の表示体
・ファッション用品
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
・外国出願特許あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
科学技術振興機構 戦略研究推進部 (CREST)
TEL:03-3512-3531 FAX:03-3222-2066
Mail:crestjst.go.jp
URL:http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/
科学技術振興機構 戦略研究推進部 (研究評価グループ)
TEL:03-3512-3523 FAX:03-3222-2066
Mail:erp-ir-seikatjst.go.jp
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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Mail:scettjst.go.jp