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ものづくり技術 新技術説明会

日時:2019年05月23日(木) 10:00~14:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京都立産業技術研究センター、栃木県産業技術センター、群馬県立産業技術センター、静岡県工業技術研究所、神奈川県立産業技術総合研究所、新潟県工業技術総合研究所、山梨県産業技術センター

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 材料

1)プリント技術を用いてゴム材料をパターン配置したCFRPの開発

発表資料

東京都立産業技術研究センター 事業化支援本部多摩テクノプラザ 複合素材開発セクター 副主任研究員 武田 浩司

https://www.iri-tokyo.jp/index.html

新技術の概要

CFRPの課題である脆性破壊しやすい点と物性の制御が難しい点の解決を目的に、スクリーンプリント技術を用いて、炭素繊維積層間にゴム材料が格子パターンで配置されたCERPを開発した。

従来技術・競合技術との比較

脆性破壊:従来は緩衝材を全面配置しており弾性率、強度が大きく低下していたがパターン配置によりその低下の程度を抑制しつつ脆性破壊抑制効果が得られた。
物性制御:従来は繊維配向の設計や複雑な配向が必要であったが、ゴム材料の配置面積により操作可能。

新技術の特徴

・高い弾性率および強度を維持して脆性破壊を抑制可能
・ゴム材料のプリント配置面積により曲げ特性を操作可能
・全体ではなく任意の部位のみにゴム材料を配置し、特性操作が可能

想定される用途

・自動車など移動体の耐衝撃性向上
・CFRP製スポーツ用品(ゴルフシャフト、釣竿など)のしなり具合の操作
・CFRP内部へ機能性材料をパターン配置

  • アグリ・バイオ

2)ナス下漬液から得られる抗酸化機能を持つ新規紫色素素材

発表資料 プレゼン動画

栃木県産業技術センター 食品技術部 食品加工研究室 特別研究員(TL) 伊藤 和子

http://www.iri.pref.tochigi.lg.jp/

新技術の概要

ナスの浅漬け製造の際に残る下漬液(ナス下漬液)を合成吸着剤で処理し塩分等を除去した後、溶液から有用成分(ナスニン、クロロゲン酸)を酢酸で溶出し、γシクロデキストリンを添加・撹拌後フリーズドライすることで、抗酸化機能・抗アレルギー機能・抗炎症機能を持ち、紫色も有する機能性色素素材を作製する技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

廃液として処理されていたナス下漬液から、ナスの色素成分(ナスニン)を素材化した初めての技術である。ナスニンは他の植物色素と比較すると独特の青味の強い紫色を呈するとともに、より強い抗酸化機能を有している。

新技術の特徴

・ナス下漬液(廃液)を利用するリサイクル技術
・抗酸化機能、抗アレルギー機能および抗炎症機能を持つ素材
・紫色を付与できる素材

想定される用途

・機能性と色を付与した食品及びサプリメントの開発
・機能性と色を活かした化粧品の開発

  • 材料

3)サルファーフリー灯軽油の実現に向けた酸性白土による簡易脱硫技術の提案

発表資料

群馬県立産業技術センター 環境・エネルギー係 独立研究員 小松 秀和

http://www.tec-lab.pref.gunma.jp/

新技術の概要

硫黄分を含む灯軽油に対し酸性白土(モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物)を接触させることで、簡便に硫黄分を除去できる。特に4,6-ジメチルジベンゾチオフェンなどの難脱硫成分に対して高い除去効果を示す。

従来技術・競合技術との比較

石油精製プロセスにおける灯軽油の脱硫は水素化脱硫が主体である。水素化脱硫は高温・高圧のプロセスで水素も必要であるが、4,6-ジメチルジベンゾチオフェンなどの難脱硫成分が残留する。本技術ではこれらを吸着除去できる。常温・常圧の省エネプロセスであり、水素を用いる必要がない簡便な処理技術。

新技術の特徴

・常温・常圧の処理技術
・接触させるだけで処理可能
・付帯機器が不要で小型化も容易

想定される用途

・石油ストーブ用燃料の硫黄分除去(排気のクリーン化)
・灯軽油を用いる燃料電池向け脱硫技術
・炭化水素油中の硫黄分除去

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

4)汎用温湿度センサを用いた高精度熱中症危険値測定方法の開発

発表資料

静岡県工業技術研究所 企画調整部 部長 櫻川 智史

https://www.iri.pref.shizuoka.jp/

新技術の概要

近年、高齢者が夏の暑い時期に、屋内外を問わず熱中症になるケースが急増していることから、熱中症予防のため簡便に精度良く熱中症の危険度が判定できる予測方法及びそれを用いた熱中症警報システムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

熱中症の発生率と相関が高いとされるWBGT(湿球黒球温度)を、相対湿度と気温により精度良く予測する方法を開発した。また、熱中症警報システムを試作し、高齢者施設や在宅訪問介護でモニター試験を実施し、その有効性を検証した。

新技術の特徴

・エアコン等で用いられる汎用温度センサと湿度センサの温湿度値から正確に熱中症危険値を算出できる。
・熱中症に至るまでの熱中症危険値の記録や危険ランクに対応した警告等を出力することができる。
・乾燥、多湿、温度差による様々な注意報との組み合わせが可能となる。

想定される用途

・ユニットケア施設、在宅介護における熱中症対策
・節電時におけるオフィスや工場の熱中症対策
・住宅、オフィス、学校、工場等における温湿度管理及び制御

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

5)力触覚のディジタル化を実現する医療デバイス

発表資料 プレゼン動画

神奈川県立産業技術総合研究所 力を感じる医療・福祉介護次世代ロボットプロジェクト プロジェクトリーダー 下野 誠通

https://www.kanagawa-iri.jp/r_and_d/project_res/labo_intro/shimono_project/

新技術の概要

人が操作するマスタシステムと被操作部であるスレーブシステムとの間での鮮明な力触覚の工学的伝送は、リアルハプティクス技術により実現することができる。本技術を活用し、鮮明な力触覚の伝送、記録、再現が可能な鉗子システムや鑷子システムといった医療デバイスを実現した。

従来技術・競合技術との比較

鉗子や鑷子といった医療デバイスを操作している際の把持力等のデータ化、見える化が達成可能となり、動作の分析やトレーニングシミュレータに活用できる。また、力触覚の倍率変換が可能であり、感覚の増幅機能などを実装できる。また、リミッタ機能などを搭載することで安全性を向上させることができる。

新技術の特徴

・鮮明な力触覚の伝送、記録、再現が可能な医療デバイスを実現できる
・動きと力加減をデジタルデータとして抽出し、トレーニングなどに活用できる
・力触覚の増幅や、力のリミッタ機能を付与することで、安全性を向上させることができる

想定される用途

・医療機器
・パワーアシスト装置
・電動工具

関連情報

・外国出願特許あり

  • 製造技術

6)窒素添加によるステンレス鋼の硬度と耐食性の向上

発表資料

新潟県工業技術総合研究所 素材応用技術支援センター 参事 三浦 一真

http://www.iri.pref.niigata.jp/

新技術の概要

ステンレス鋼の特性を改善するための添加元素として、資源的制約がなく安定供給が可能な窒素をガス雰囲気で熱処理してステンレス鋼中に窒素を固溶する窒素吸収処理技術を開発した。この技術を各種ステンレス鋼に適用することで、硬さ・強度・耐食性に優れた特性を有する数種の窒素含有ステンレス鋼を提案した。

従来技術・競合技術との比較

窒化処理が表面に硬い窒化物層を形成するものであるのに対して、本技術は高温熱処理で素材に均質に窒素原子を固溶する。また、特殊な設備で行う加圧ESR(Pressurized Electro Slag Remelting:P-ESR)溶解法、加圧誘導溶解法のようなバルク溶解処理と異なり、真空排気設備を付帯した熱処理炉を用いた処理である。

新技術の特徴

・添加元素に広く用いられる希少金属と異なり、気体である窒素を利用
・市場に流通しているステンレス鋼を利用
・数種類の窒素含有ステンレス鋼を提案

想定される用途

・腐食環境(海洋環境)で使用される構造用部品、機械部品、エネルギー関連部品
・耐食性と硬さが要求される機械製品
・刃物、作業工具等

  • 製造技術

7)基板やデバイスにダメージを与えない酸化物薄膜の成膜法

発表資料 プレゼン動画

山梨県産業技術センター 材料・燃料電池技術部 工業材料科 主任研究員 阿部 治

https://www.pref.yamanashi.jp/yitc/

新技術の概要

基板表面付近で亜鉛原子と反応性の高い酸素ラジカルを反応させて酸化亜鉛を成膜する。基板温度や原料供給量、さらにドーパント原子の供給量を制御することで所望の抵抗率と可視光透過率となるように成膜することができる。従来方法と異なり基板温度を高くする必要がなく、熱に弱い基材に対しても成膜することができる。

従来技術・競合技術との比較

現在の透明導電膜と比較して原料入手が容易で安価に透明導電膜を成膜することが可能。さらに従来方法と異なり基板温度を高くする必要がなく、プラスチック基板などの熱に弱い基材に対しても成膜可能である。さらに、成膜時に基材に与えるダメージが低く、デバイス上へ成膜可能であり、積層デバイスへの活用も見込まれる。

新技術の特徴

・酸化亜鉛は現在の透明導電膜と比べて原料入手が容易で安価に製造できる
・従来方法と異なり基板温度を高くする必要がないため、熱に弱いプラチックに対しても成膜することができる
・成膜原料を独立に制御・供給することが可能なため、膜の性質(導電性・透明度など)を調整しやすい

想定される用途

・各種ディスプレイ(液晶、有機ELなど)
・フレキシブルデバイス
・太陽電池

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京都立産業技術研究センター 開発本部 開発企画室
TEL:03-5530-2528 FAX:03-5530-2458
Mail:kaihatsuアットマークiri-tokyo.jp
URL:https://www.iri-tokyo.jp/

栃木県産業技術センター 技術交流部
TEL:028-670-3391 FAX:028-667-9430
Mail:sangise-sougouアットマークpref.tochigi.lg.jp
URL:http://www.iri.pref.tochigi.lg.jp/

群馬産業技術センター 企画管理係
TEL:027-290-3030 FAX:027-290-3040
Mail:gitc-kikakuアットマークpref.gunma.lg.jp
URL:http://www.tec-lab.pref.gunma.jp/

静岡県工業技術研究所 企画調整部
TEL:054-278-3028 FAX:054-278-3066
Mail:sk-kikakuアットマークpref.shizuoka.lg.jp
URL:https://www.iri.pref.shizuoka.jp/

神奈川県立産業技術総合研究所 企画部 知財戦略課
TEL:044-819-2035 FAX:044-819-2026
Mail:strアットマークnewkast.or.jp
URL:https://www.kanagawa-iri.jp/

新潟県工業技術総合研究所 企画管理室
TEL:025-247-1303 FAX:025-244-9171
Mail:infoアットマークiri.pref.niigata.jp
URL:http://www.iri.pref.niigata.jp/

山梨県産業技術センター 企画連携推進部 総合相談・連携推進科
TEL:055-243-6111 FAX:055-243-6110
Mail:yitc-capアットマークpref.yamanashi.lg.jp
URL:https://www.pref.yamanashi.jp/yitc/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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