芝浦工業大学 新技術説明会
日時:2019年06月13日(木) 13:25~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、芝浦工業大学
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 材料
芝浦工業大学 工学部 材料工学科 教授 石崎 貴裕
https://www.shibaura-it.ac.jp/laboratories/takahiro_ishizaki.html
新技術の概要
低温非平衡の溶液中のプラズマを利用することで、高い導電性を有するカーボンナノチューブ等のカーボンファイバーと異種元素をドープしたカーボンナノ材料の複合材料を合成することが可能である。本プロセスは大気圧環境下で簡便にカーボン系複合触媒材料を合成することができる。
従来技術・競合技術との比較
従来の異種元素ドープカーボン材料の合成では、異種源をドープするために、真空や高温環境等が必要であったため、プロセスが煩雑になり、コストが高くなるという欠点があった。本技術では、大気圧環境下かつ室温で異種元素ドープカーボン系複合触媒材料を低コストで合成できる点に優位性がある。
新技術の特徴
・高い酸素還元活性を有する材料
・簡易プロセスで合成可能
・ドープする異種元素の種類や濃度を制御可能
想定される用途
・燃料電池や金属空気電池のカソードの活物質
・触媒材料
・ポリマーとの複合材料
関連情報
サンプルあり
- 材料
2)新規成膜技術 超音速フリージェットPVDによる高品質コーティング
発表資料芝浦工業大学 工学部 材料工学科 教授 湯本 敦史
https://www.shibaura-it.ac.jp/laboratories/atsushi_yumoto.html
新技術の概要
超音速フリージェットPVDは、ナノ粒子をマッハ4.5の超音速ガス流により高速に加速させ基板に吹き付け、膜形成する新規成膜法です。本法は、様々な基板(金属、セラミックス、ガラス等)に対して緻密な高品質膜を形成させることができます。これまでに、種々の金属膜、セラミックス膜、複合膜の形成を達成しています。
従来技術・競合技術との比較
既存の成膜技術と比較して、超音速フリージェットPVDでは、原料を歩留まり良く・高い成膜速度(高い生産性)で優れた膜質(高品質)の膜を室温近傍の低温環境下で成膜することができ、パターン成膜(任意の場所に任意の形状の膜)も可能な技術です。得られる皮膜はナノ結晶組織を呈し、優れた特性を有しています。
新技術の特徴
・高特性ナノ結晶膜
・膜材質/基板材質の組み合わせ自由度が広い
・パターン成膜も可能
想定される用途
・MEMS
・耐摩耗が必要な部品
・半導体関連部材
関連情報
・サンプルあり
- デバイス・装置
3)ソフトアクチュエータで構成された風船形状スピーカ
発表資料芝浦工業大学 工学部 機械機能工学科 教授 細矢 直基
https://www.shibaura-it.ac.jp/laboratories/naoki_hosoya.html
新技術の概要
膜状の誘電エラストマーアクチュエータ を空気圧によって、その形状を球殻状に膨張させ、これを風船が膨らんだり縮んだりするように拍動させることで、風船形状スピーカ を実現する。このスピーカは、アクリルゴムで構成されているが、16 kHzという高周波数帯域における応答性を十分に有している。
従来技術・競合技術との比較
点音源の生成としては、スパーク音源、多面体スピーカーがある。スパーク音源は理想的な点音源を生成できるが、対象音場が可燃性物質で満たされている室内では用いることができない。また、一般的に良く用いられている多面体スピーカーは、複数のラウドスピーカーで構成されるため質量が大きく、高周波領域で指向性を有することから、理想的な点音源と見なすことはできない。
新技術の特徴
・安価
・あらゆる形状に対応かつ軽量
・ほぼ球面波
想定される用途
・音響計測用スピーカ
・ソフトロボット(クラゲやタコのような水中ロボット)
・エンターテイメント用の音響デバイス
関連情報
論文投稿
- 機械
芝浦工業大学 システム理工学部 機械制御システム学科 教授 飯塚 浩二郎
新技術の概要
被災地の荒れた地盤、 自然災害による崩壊された軟弱不整地あるいは、 農業用地の軟弱土壌などにおいて、 軟弱地盤を移動すること、 あるいは滑りを伴いながらの耕運作業などといったさまざまな移動法・移動要求が存在する。 そのような難しい条件の中で、 振動・停止を利用した新しい移動手法を提案する。
従来技術・競合技術との比較
従来の軟弱地盤移動は、 筐体側の工夫によって実施されてきた。 一般的には車輪を用いた移動車両や、 履帯を用いたクローラなどが存在する。 筐体側の走行性能に依存させた車両開発であり、さまざまな地盤への対応ができない。 本提案は, オリジナルの移動体およびこれらの車両にも利用できる手法となっている。
新技術の特徴
・振動・停止
・能動的地盤環境可変技術
・締め固め効果
想定される用途
・軟弱土壌中に移動および任意設定されたスリップ運動
・被災地現場での調査作業車両
・宇宙探査ロボット用移動機構
関連情報
サンプルあり
- 情報
芝浦工業大学 工学部 情報工学科 教授 菅谷 みどり
新技術の概要
心理学分野のモデルをもとに、脳波、心拍などの生体信号のセンサの値を対応させ、感情のもとになる短期的な状態変化である情動をリアルタイムに精度よく推定する方法を提案します。また、推定値をもとにした制御手法をロボットインタラクション、運転、ストレスオフ、メンタルコントロールなどの応用をご紹介します。
従来技術・競合技術との比較
脳波、心拍(自律神経)で計測される情動の反応は不随意神経系が担うもので、恣意的な変更がないことが特徴です。よって人の認知反応による影響を受けず、センサ値から安定的に感情推定することができます。本手法は世界的にも評価されております。直接的な感情反応を利用することで様々な応用が可能です。
新技術の特徴
・脳波・心拍(自律神経)計測を用いた感情推定
・感情推定技術を用いた人の感性反応計測
・感情計測を用いたリアルタイムな印象評価
想定される用途
・ロボットインタラクション
・メンタルコントロール,ストレスオフ
・ドライバーの感情推定
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
芝浦工業大学 研究推進室
TEL:03-5859-7180 FAX:03-5859-7181
Mail:sangakuow.shibaura-it.ac.jp
URL:https://www.shibaura-it.ac.jp/research/academic_industrial_collaboration/index.html
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