東北大学 新技術説明会
日時:2019年12月05日(木) 13:25~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、東北大学
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- 環境
東北大学 大学院工学研究科 化学工学専攻 教授 渡邉 賢
新技術の概要
将来の急激な需要増が予想されるリチウムイオン電池の正極材活物質をグリーンプロセスで回収すべく、バイオ分子を用いた水熱酸浸出プロセスを開発した。条件により浸出金属を選択することもできる他、後段の単離プロセスとの組み合わせでCo濃縮を可能とした。
従来技術・競合技術との比較
濃厚な強酸と爆発性のある還元剤が併用された湿式精錬が従来技術として用いられている。持続可能性やプロセス操業の安定性が担保できる他、連続プロセスが可能であり装置サイズを小さくできる特徴を有する。
新技術の特徴
・環境に優しいバイオ分子を用いる
・環境適合型溶媒のみを用いる
・短時間・連続処理ができる
想定される用途
・リチウムイオン電池のリサイクル
・レアメタル含有廃棄物から有価金属を単離できる
・資源開発において有価金属を高効率で回収できる
関連情報
・サンプルあり
- 環境
東北大学 大学院工学研究科 金属フロンティア工学専攻 助教 平木 岳人
新技術の概要
金属(特にアルミニウム合金)の溶解プロセスにおける環境をコントロールすることで、容易にドロスの発生を抑制する。ドロスの発生抑制により、メタルの損失および廃棄物(ドロス)処理量を劇的に低減させ、生産効率を飛躍的に向上させる。同時に、溶融金属中の介在物等を低減させ、高品質なメタルの供給を実現する。
従来技術・競合技術との比較
現在、ドロス発生抑制に主としてベリリウム添加が行われているが、毒性が極めて高いため、将来的な使用規制は避けられない。
新技術の特徴
・環境コントロールによるドロスの発生抑制
・ドロス発生抑制による生産歩留まりの向上および環境負荷低減
・ドロス発生抑制による介在物等の低減(製品金属の高品質化)
想定される用途
・金属の溶解プロセス全般
・溶融めっきプロセスへの適用
・溶融接合プロセスへの適用
関連情報
・サンプルあり
- 材料
3)セルロースナノファイバーを利用したチタンの力学特性向上
発表資料東北大学 大学院工学研究科 材料システム工学専攻 助教 栗田 大樹
新技術の概要
ポリマーの強化繊維として期待されるセルロースナノファイバーを金属であるチタンへ転化し、その強度増加と破断伸びの両立を確認した。セルロースナノファイバーの用途拡大に貢献するとともに、航空宇宙・自動車用の高強度チタン材料の開発に利用可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来の高強度チタン材料はTi-6Al-4Vに代表されるチタン合金が主である。チタン合金はレアメタルを使用するため、価格の高騰や資源の枯渇が懸念される。本特許により、レアメタルを使用せず、チタンの高強度化を実現した。
新技術の特徴
・セルロースナノファイバーの金属材料への拡張
・2種類の強化理論による強度の向上
・強化にレアメタル使用以外の新しい選択肢を提示
想定される用途
・チタン構造部材
・医用材料
関連情報
・サンプルあり
- 材料
東北大学 金属材料研究所 加工プロセス工学研究部門 准教授 山中 謙太
新技術の概要
本発明では、微細な炭化物が分散した高硬度鋼の耐食性が微量のCu添加により著しく改善することを見出し、耐摩耗性と耐食性を両立した鉄鋼材料の開発に成功した。また、開発鋼を用いて射出成形装置部材を試作し、ガラス繊維強化PPS樹脂(スーパーエンプラ)を用いた実機試験において既存材料の2倍以上の耐久性を実証した。
従来技術・競合技術との比較
ハイス鋼に代表される既存の工具鋼は多量に分散された炭化物により高硬度かつ優れた耐摩耗性を示すが、炭化物の形成に起因した腐食が起こり、耐食性に課題があった。開発鋼では腐食環境において表面に自己修復性のCu皮膜が形成するため、高硬度とともに硫酸や塩酸の水溶液に対する優れた耐食性が得られる。
新技術の特徴
・高硬度・高耐摩耗性かつ耐食性に優れた鉄鋼材料
・スーパーエンプラの射出成形など、厳しい摩耗・腐食環境に幅広く応用可能
・通常の製造設備(溶解、熱間鍛造)を用いて低コストで製造可能
想定される用途
・射出成形機部材
・腐食環境で用いられる工具・金型
・エネルギー、半導体、化学等の分野における機器・装置部材
関連情報
・サンプルあり
・外国出願特許あり
- 環境
東北大学 未来科学技術共同研究センター 開発研究部 教授 松岡 隆志
新技術の概要
本技術は、太陽電池の変換効率を飛躍的に改善する。その特徴は、窒化物半導体では、その組成制御による太陽光のスペクトルの幅広い吸収、および、窒化物半導体に存在する結晶構造由来の分極電界の利用によるキャリア取り出し効率の改善にある。
従来技術・競合技術との比較
本技術の構成により、窒化物半導体を用いた太陽電池において従来技術と比較して格段に速い速度でキャリアを電極に引き出すことが可能となり、その結果、太陽電池における光電変換効率を格段に向上させることが可能となった。
新技術の特徴
・主表面をC面として形成された窒化物半導体から構成される光吸収層
・n型半導体層からp型半導体層を見たときに、結晶の極性が窒素極性
想定される用途
・太陽電池
・光学・電子デバイス
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