豊橋技術科学大学 新技術説明会
日時:2019年06月11日(火) 13:30~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、豊橋技術科学大学
後援:特許庁、関東経済産業局
発表内容一覧
発表内容詳細
- エネルギー
1)水中で通信と電力を同時に伝える無線伝送システム
発表資料豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学専攻 准教授 田村 昌也
新技術の概要
淡水中や海水中などを自由に移動し、配管や橋梁、海底資源探索や断層調査などに用いる水中ドローンや無人潜水艇が、海底や川底に設置されたステーションに着底するだけで、電力も情報も同時にワイヤレスにやり取りできる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術である磁界方式は、伝送効率向上のため径の大きな金属コイルを環状に多数回巻いたり、フェライトや金属遮蔽を必要とする。それに対し、提案方式は平板電極と着底時の衝撃を緩和するダンパを用いるだけで同等の伝送効率を実現できる。そのため、軽量化に非常に優れており、浮力制御が容易である。
新技術の特徴
・送受電器構造が非常にシンプル
・薄型電極板で構成できるため非常に軽量
・送受電器間に電界が集中するため漏洩電磁界が少ない
想定される用途
・橋梁やダムの堤体壁面などの構造ヘルスモニタリングに用いる常駐型水中ドローン
・下水管や排水管の劣化診断に用いる常駐型水中点検ロボット
・海底資源探査や海底断層調査に用いる無人潜水機
関連情報
・デモあり
- アグリ・バイオ
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 応用化学・生命工学専攻 准教授 沼野 利佳
新技術の概要
被験対象生物へのダメージを低減して脳波等の電気信号を低侵襲で計測するための組織信号計測方法。低侵襲な微細プローブを用いて、刺入時の表面歪が20um以下になるようにコントロールし、かつ刺入による損傷なく信号計測する方法。従って、脆弱な生体からの信号計測も可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来の刺入型電極の先端径は40~100um程度と太く、刺入時の表面歪が極めて大きい。また、刺入後の組織損傷も大きく、信号計測できない場合もある。従って、これまで脆弱な生体からの信号計測はできなかった。
新技術の特徴
・刺入型超微細低侵襲プローブ電極
・低侵襲刺入、および信号計測方法
・数か月にわたる長期安定計測
想定される用途
・脆弱な生体組織からの信号計測
・微小生物(例えば、ハエ、蚊など)への刺入、および信号計測
・農薬の効果検証(病害虫からの神経信号計測による)
- 情報
3)IoT時代の経路探索方法および経路探索システム
発表資料豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 情報・知能工学専攻 教授 石田 好輝
新技術の概要
新しい経路探索システムは、L-systemを用い、成長と収縮の二つのルールを付与することにより、リソース量を評価しながら、探索環境に適合させ、たとえ探索環境が未知であっても多様な経路を求めることができる。
従来技術・競合技術との比較
従来のL-systemに含まれない収縮のアルゴリズムを付与することで、複雑な環境や条件下での経路探索をリアルタイムに行うことができる。オフラインでも画像データがあれば経路を求めることができクラウド技術とエッジ技術の双方を取り込めるIoT時代のシステムである。
新技術の特徴
・複雑な環境や条件下でのリアルタイム探索が可能
・端末がオフラインでも動作可能
・環境が未知であっても多様な探索が可能
想定される用途
・複数の移動手段を組み合わせたナビゲーション
・惑星探査等の燃料を最小とする経路探索
・血管や神経などのリアルタイム画像染色
関連情報
・デモあり
- アグリ・バイオ
4)廃水処理における有用微生物の簡易計測
発表資料豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 応用化学・生命工学専攻 講師 山田 剛史
新技術の概要
硝化反応を構成するアンモニア酸化反応および亜硝酸酸化反応の内、亜硝酸酸化細菌 (NOB) は、後者の微生物反応を担っており、硝化反応には欠かせないため、指標微生物として利用できる。NOBの細胞表層に特異的に結合する核酸分子を利用することによって、廃水処理、湖沼や河川に生息する亜硝酸酸化細菌のオンサイト計測について世界に先駆けて紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来、亜硝酸酸化細菌 (NOB) の検出や計測には、リアルタイム定量PCR法や蛍光in situハイブリダイゼーション法が用いられるが、測定操作も煩雑であり長い測定時間を必要とする。NOBの細胞表層に特異的に結合する核酸分子を用いた方法では、短時間で簡便な操作によって、NOBの検出や計測をオンサイトで達成できる。
新技術の特徴
・複数種の亜硝酸酸化細菌の識別
・迅速・簡便な亜硝酸酸化細菌の検出
・オンサイトでの亜硝酸酸化細菌の検出
想定される用途
・活性汚泥プロセスや各種浄化槽における硝化能力の簡易評価
・河川や湖沼における窒素成分に対する浄化能の簡易評価
・亜硝酸酸化細菌の検出・計測の迅速化
- デバイス・装置
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学専攻 教授 澤田 和明
新技術の概要
CMOS半導体プロセス技術で作製したセンサ(電位検出器)上に薄膜強誘電体層を積層形成することで、力、圧力を検出するセンサを実現する。多数のセンサをアレイ配置することができ、2次元イメージを検出することができる。
従来技術・競合技術との比較
人間の触覚を模擬するセンサとして、シート状フィルムを利用する薄膜デバイス等があるが、これらの空間解像度はミリ(mm)程度である。本発明では、ミクロンレベルの微小領域の力、圧力情報をリアルタイムに検出するセンサを実現する。
新技術の特徴
・ミクロンレベルの空間解像度を実現
・力、圧力(物理現象)とイオン濃度(化学現象)を同時に検出可能
・リアルタイムで2次元画像が取得可能
想定される用途
・微小領域での力、圧力と化学反応の同時観察
・細胞活動の観察
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
豊橋技術科学大学 研究推進アドミニストレーションセンター
TEL:0532-44-6975 FAX:0532-44-6980
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