【オンライン開催】千葉大学 新技術説明会
日時:2021年02月18日(木) 13:30~15:55
会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、千葉大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
千葉大学 大学院工学研究院 機械工学コース 教授 武居 昌宏
新技術の概要
生体やプラントの断面の導電率分布を、高速で可視化する電気インピーダンス・トモグラフィー装置を開発した。このコア技術は、センサ、手のひらサイズの小型計測部、機械学習(AI)、および、クラウド・コンピューティングからなり、生体の脂肪と筋肉や、食肉の脂肪、筋肉、骨、さらに、プラント内の気泡流・スラリーの可視化が可能となった。
従来技術・競合技術との比較
従来のX線CTやMRIと比べ、開発した電気インピーダンス・トモグラフィー(EIT)は超高速・高精度性能を達成した。本EITは、深部静脈血栓症や下肢浮腫などを対象に、従来では実現できなかった救急医療現場や自宅における簡易モニタリングが実現できる。 また、本EITによるプラント内の非侵襲計測により、電池スラリーなどの製品評価にも応用できるようになった。
新技術の特徴
・人間の目には見えない生体・プラント内の動的な変化を、電気測定・数学的アルゴリズム・機械学習により高速に画像化
・新たに開発したウェアラブルセンサとハンディサイズの計測機器により、ヒトの四肢断面の可視化が可能
・計測システムと人工ニューラルネットワークを組み合わせることで回転機械中の3相の混相流の可視化が可能
想定される用途
・生体・食品内部の可視化および医療診断・指針の補助
・電池スラリーやパイプラインの可視化・計測および制御
・固体・液体・気体の混相流などの可視化
- 機械
2)高効率低騒音ロータ
発表資料千葉大学 大学院工学研究院 機械工学コース 教授 劉 浩
新技術の概要
小型無人航空機(ドローン)マルチコプターが障害物と衝突する時における衝撃を緩和できるとともに、回動するハブとブレードとがリンク機構により連結されて飛行安定性を維持することができるロータを提供する。
従来技術・競合技術との比較
フレーム構造のガードを有するブレードは、よく使用されているが、振動によりロータの騒音レベルが上昇することや気流の速度や向きが変動した場合にその影響を受けやすいという問題があり、小型航空機の飛行安定性が損なわれる問題点がある。
新技術の特徴
・回動するハブとブレードとがリンク機構により連結される。
・障害物との衝突時における衝撃が緩和される。
・障害物との衝突時における飛行安定性が維持される。
想定される用途
・小型航空機マルチコプターへの実装
・物流・産業・UAMドローンへの実装
・安全なエアモビリティの実現
関連情報
・サンプルあり
- 計測
3)データマッチングによる3次元時系列解析
発表資料千葉大学 大学院園芸学研究科 ランドスケープ学コース 准教授 加藤 顕
新技術の概要
レーザーによる3次元データは自動運転技術に採用され、欠かせない技術である。環境分野では、バイオマスの非破壊計測に使われている。本発明者は、植物を最も正確に計測できる手法を確立した。本新技術により「3次元データによる時系列解析」を可能とし、災害の被害度を正確に把握できるようにした。
従来技術・競合技術との比較
本新技術は、複雑な形状である森林を対象に取得された3次元データを、自動で重ね合わせる技術である。従来の手法より優れている点は、ターゲット無しで多時期データを正確に合体できることにある。本技術により3次元データによる時系列解析が容易に可能となり、災害前後の変化を3次元データで示すことが可能になった。
新技術の特徴
・複雑な形状を測定した3次元解析技術であり、正確に形状把握ができる。
・ターゲット無しで3次元データを正確に合体できる。
・3次元による時系列変化を容易に、そして正確に把握できる。
想定される用途
・災害前後の違いから被害度の把握(補償業務に応用可能)
・複雑な形状の変化量把握(臓器など、これまで不可能であった形状を対象に変化量を把握)
・植物の成長量を正確に把握(農業分野での成長量計測に適用可能)
関連情報
・デモあり
- 環境
千葉大学 大学院工学研究院 都市環境システムコース 准教授 和嶋 隆昌
新技術の概要
本技術は、アルカリ塩共存下における炭素繊維と周りを固めるエポキシ樹脂の分解反応機構の差を利用し、樹脂のみを分解し炭素繊維にダメージを与えずに比較的低温で回収する。品質・コスト・安定性の点で既存競合技術の課題を解決でき、省エネルギーかつ低コストで大量の処理が可能となる新規処理プロセスとして期待できる。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、これまで検討されてきた熱分解処理、溶媒処理、燃焼処理と比べて、炭素繊維が高強度で回収できる可能性が高く、低温かつ常圧で処理ができ、また処理で発生するガスを燃料として利用可能である。また、触媒として用いるアルカリ塩は繰り返し利用可能であるため、ランニングコストも既存技術に比べて低い。
新技術の特徴
・燃焼法や高温での熱分解法など他の方法で起こる回収炭素繊維の強度低下を起こさずに回収が可能となる。
・アルカリ塩は分解触媒として作用し反応後も残存するため、回収し再利用が可能である。
・アルカリ塩共存下におけるエポキシ樹脂の熱分解で、水素・メタンなど燃料利用可能なガスが発生する。
想定される用途
・炭素繊維強化プラスチックのリサイクル
・ガラス複合材料のリサイクル
・廃電子基板等電子材料のリサイクル
- 電子
5)ラインセンサを用いた高速イメージング技術
発表資料千葉大学 大学院工学研究院 電気電子工学コース 教授 下馬場 朋禄
新技術の概要
本発明は、ラインセンサと呼ばれるフォトダイオードを一次元に並べた素子を用いて、機械的走査をせずに高速2次元/3次元イメージングを可能にする。
従来技術・競合技術との比較
イメージングを行う従来技術にシングルピクセルイメージング(SPI)やCCD・CMOS高速カメラ技術がある。CCDやCMOSによる高速カメラは高速撮影が可能であるが、速度に反比例して画像解像度が小さくなる。また撮影できる波長帯も狭い。SPIは波長帯が広いが解像度の高い画像を得るには多くのパターンを投影する必要がある。
新技術の特徴
・本発明ではリニアイメージセンサを用いた新しいイメージング手法を開発した。
・CCDなどのイメージング素子とシングルピクセルイメージングの中間の特性を持つ。
・従来よりも大きな撮像を高速に行える。
想定される用途
・大画素数・高速なイメージング
・3次元イメージング
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