【一部オンライン開催】ものづくり技術 新技術説明会
日時:2020年10月20日(火) 12:55~15:55
会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、島根県産業技術センター、岡山県工業技術センター、広島県立総合技術研究所、山口県産業技術センター
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
1)【オンライン開催】印刷法を用いて多彩な検出を自在設計するセンシング技術
発表資料島根県産業技術センター 技術第一部 高機能センシング応用製品開発プロジェクト 専門研究員 岩田 史郎
https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/syoko/kikan/shimane_iit/
新技術の概要
本技術は、印刷法で作製したセンサ電極を用いた静電容量センシング技術です。「導電体の近接測定」「呼吸信号測定」「誘電率/導電率測定」といった多彩な検出機能を実現します。本技術は、例えば空間的制約がある用途、有機物等の衛生的配慮が求められる用途、被検者の負荷・負担を低減させたい用途などに好適です。
従来技術・競合技術との比較
従来の静電容量センサと比較し、センサ電極部がフレキシブル・薄型・軽量・小型な構造となっています。製法に印刷法を採用することで、センサ電極部の量産化・大面積化・多チャンネル化・パターン設計などを比較的容易かつ省コストで行うことができます。
新技術の特徴
・フレキシブル、薄型、軽量のセンサ電極を用いた静電容量センシング技術
・センサ電極を交換可能・使い捨て可能に設計できる静電容量センシング技術
・「導電体の近接」「呼吸信号」「誘電率/導電率」「水分組成」などの検出機能を持つ静電容量センシング技術
想定される用途
・センサ電極の設置空間に制限・制約がある用途
・生体・有機物などを対象とした衛生面での配慮が求められる用途
・対象者への測定時拘束などによる心理的・肉体的負荷の低減が求められる用途
- 製造技術
2)【オンライン開催】細胞などを生きたまま観察可能にする電子線取り出し窓
発表資料広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 加工技術研究部 部長 縄稚 典生
新技術の概要
真空筐体中の電子線源から大気中に電子線を取り出すことのできる電子線取り出し(電子透過)窓を開発した。炭素を主成分とするダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を電子透過の窓材に使用することで、低加速電圧で電子線を取り出すことが可能となった。
従来技術・競合技術との比較
大気中に電子線を取り出す場合、従来、使用されていた電子透過の窓材では加速電圧を高くする必要があった。軽元素である炭素で構成されるDLCを窓材に使用することで、低い加速電圧で電子線を取り出すことができるだけでなく、電子線源の小型化にもつなげることができる。
新技術の特徴
・低加速電圧で大気中に電子線を取り出すことが可能
・電子線源の小型化が容易
・大気圧差に耐える膜強度
想定される用途
・大気圧電子顕微鏡
・電子線印刷、樹脂の硬化
・電子線による注射器や医療容器等の滅菌
関連情報
・サンプルあり
- 材料
3)【オンライン開催】高硬度、高熱伝導でかつ複雑形状のダイヤ部品をめっきで作る
発表資料広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 材料技術研究部 主任研究員 本多 正英
新技術の概要
CVDダイヤモンド膜を薄く成膜した後に厚くめっきを施すことにより、比較的短時間でダイヤモンド自立体を作製する。具体的には、適当な基板上にダイヤモンドコーティングを行い、さらにその上にめっきした後に、適当な方法で基板を除去することにより作製する。
従来技術・競合技術との比較
従来のCVDダイヤモンド成膜技術では、細管の内部など原料ガスやエネルギーを供給しにくい箇所には適応できなく、また、自立体を作製するには非常に長い時間が必要だった。あと、ダイヤモンド粒子を分散させた分散めっきは、細管内部にも適応可能であるが、ダイヤモンドのみではないため強度や熱伝導度などの特性が劣る。
新技術の特徴
・ダイヤモンド皮膜を細管内部にもコーティングできる。
・比較的短時間でダイヤモンド自立体を作製できる。
・アルミニウムやプラスチックなどの低融点材料にも、ダイヤモンドコーティングができる。
想定される用途
・細管内壁のエロージョンコロージョンの防止
・ノズル先端、金型内部の摩耗防止
・PCRリアクターの昇温降温の迅速化
関連情報
・サンプルあり
- 材料
4)【オンライン開催】高速ミキサーを用いた耐水性粉体の製造方法
発表資料山口県産業技術センター 企業支援部 環境技術グループ グループリーダー 前 英雄
新技術の概要
酸化マグネシウムのように水と反応して性能が劣化する粉末の表面に、高速ミキサーを用いて耐水性被膜を形成する。それにより、120℃のオートクレーブ条件やセメント中のアルカリ条件においても水和反応が抑制され、粉体特性が維持される。
従来技術・競合技術との比較
市販されているシランカップリング剤等の表面処理剤と比較して、本技術で使用する表面処理剤の毒性は低く、有機溶剤を使用しないため、高速ミキサーを用いた処理においても有機成分の揮発が殆ど無いことが特徴である。
新技術の特徴
・高速ミキサーを用いた乾式混合による処理が可能である
・形成される被膜は、120℃のオートクレーブ条件に耐える
・形成される被膜は、セメント中のアルカリ条件に耐える
想定される用途
・フィラーの耐水処理
・水に可溶な粉末の防水処理
・親油性処理
関連情報
・サンプルあり
- 製造技術
5)【オンライン開催】切削加工におけるオイルレス極少量潤滑技術の開発
発表資料山口県産業技術センター 企業支援部 加工技術グループ 専門研究員 椙本 英嗣
新技術の概要
水の冷却効果に注目し、潤滑性能をオイルに依存せず、濡れ性を付加した極少量の水ミストを切削加工時の加工点に供給することで、アルミ合金の切削加工において既存技術と同等の切削抵抗を維持しつつ、低コストと環境低負荷を実現する。
従来技術・競合技術との比較
代表的なセミドライ加工であるMQL加工は環境負荷の低い植物油などのオイルミストを圧縮空気とともに加工点に供給する方法であり、切削油の循環用ポンプや廃油処理を不要にした。しかしMQL加工用オイルは高価な上に冷却効果が低いという課題があった。それに対し開発技術は冷却効果と更なる低コスト、環境低負荷を実現する。
新技術の特徴
・オイルレス
・環境低負荷
・極少量潤滑
想定される用途
・切削
・研削
- 製造技術
6)【オンライン開催】天然ウォラストナイトセラミックス多孔体の製造方法
発表資料山口県産業技術センター 企業支援部 環境技術グループ 専門研究員 細谷 夏樹
新技術の概要
ウォラストナイト鉱石を粉砕・分級したウォラストナイト粉体を成形後に焼成することで得られる天然ウォラストナイト多孔体である。この天然ウォラストナイト多孔体は、原料となる天然ウォラストナイト粉体の粒度分布あるいは成形体の密度を変えることで細孔径を0.1~100μmの範囲で制御することが可能である。
従来技術・競合技術との比較
白色度や純度の高いウォラストナイト鉱石を粉砕・分級したウォラストナイト粉体は特に高度な精製や化学処理を必要としないまま利用することが可能である。さらに、ウォラストナイト粉末は異方性のある針状粒子であるため、加圧成形体は多孔質構造になりやすいことから造孔剤などを用いることなく容易に多孔体を作製できる。
新技術の特徴
・安価で埋蔵量の多い鉱石を原料とする。
・原料の高度な精製や化学処理を必要としないため環境負荷が少ない。
・簡便かつ低温焼成による製造プロセスでセラミックス多孔体を製造できる。
想定される用途
・分離膜
・断熱材
・散気材
関連情報
・サンプルあり
- 製造技術
7)【Webサイトでの技術紹介】高耐食・高密着を実現するハードコーティング技術
発表資料岡山県工業技術センター 応用技術部 金属・加工科 専門研究員 國次 真輔
新技術の概要
当センターが単独で開発した新規ハードコーティングである複合窒化物と、機械部品や金型・工具として適用する上で必要となるハードコーティングの密着性と耐食性を実現しうる基材への前処理技術について紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術とは異なる組成の組み合わせとなる全く新しいハードコーティングと前処理技術により、工具や金型・機械部品など機械的特性や耐久性の向上を期待できる。
新技術の特徴
・新規な硬質窒化物
・耐食性・密着性を向上しうる前処理技術
想定される用途
・樹脂・粉末成型、プレス加工用金型
・高耐食・低摩擦・高耐摩耗が必要となる機械部品
・難削材加工用工具
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
島根県産業技術センター 企画調整スタッフ
TEL:0852-60-5141 FAX:0852-60-5144
Mail:sangisenpref.shimane.lg.jp
URL:https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/syoko/kikan/shimane_iit/
岡山県工業技術センター 研究企画部
TEL:086-286-9600 FAX:086-286-9630
Mail:kougi-infopref.okayama.lg.jp
URL:https://www.pref.okayama.jp/site/kougi/
広島県立総合技術研究所 企画部
TEL:082-223-1200 FAX:082-223-1421
Mail:sgkkikakupref.hiroshima.lg.jp
URL:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-soken/
地方独立行政法人山口県産業技術センター 経営企画室
TEL:0836-53-5051 FAX:0836-53-5070
Mail:infoiti-yamaguchi.or.jp
URL:https://www.iti-yamaguchi.or.jp/
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