説明会の
お申込み

【Webサイトでの技術紹介】金沢大学 新技術説明会

日時:2020年08月18日(火) 00:00~00:00

会場:本Webサイトでの技術の紹介

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、金沢大学、金沢大学ティ・エル・オー

発表内容詳細

  • 計測

1)自動運転の手動運転切替え時に事故を防ぐドライバ状態推定

発表資料

金沢大学 理工研究域 フロンティア工学系 教授 得竹 浩

http://aero.w3.kanazawa-u.ac.jp/cgi-bin/wiki.cgi?page=FrontPage

新技術の概要

レベル3、4の自動運転で手動運転切替え時にドライバの注意力が散漫である場合、事故の恐れがある。そこで適切に切替えるために周辺環境を注視するドライバの視線移動をリアルタイムモデリングし、モデルパラメータから自動運転時のドライバの注意状態を推定する。周辺環境情報は自動運転システムで検出したものを利用し、オンボードのアイトラッカーで視線方向を計測する。

従来技術・競合技術との比較

自動運転時にドライバは車両操縦を行わないため、操縦履歴を使ったドライバ状態推定は行えない。また心拍や脳波などの生体信号を使った手法は計測に困難が伴う。一方視線はカメラを用いて比較的容易に計測でき、注視対象を追尾する視線移動モデルを利用することで、自動運転時のドライバの振る舞いを直接評価することができる。

新技術の特徴

・周辺環境の注視タスクに従事する人の状態推定が行える
・量産品のアイトラッカーを利用する
・注視タスクを実行するドライバの内部状態を直接モデル化する

想定される用途

・自動運転時のドライバの注意力推定
・プラントのオペレータの注意力推定

  • 情報

2)ストリーム型非対称データ圧縮装置の高安定化技術

発表資料

金沢大学 理工研究域 電子情報通信学系 准教授 藤崎 礼志

https://ridb.kanazawa-u.ac.jp/public/detail.php?id=3123

新技術の概要

Asymmetric Binary Systems (ABS) は、A社データ圧縮アルゴリズムに採用され、一般ユーザーにも広く使用されているが、アルゴリズムの入力である確率p(0<p<1) とパラメータlが原理的に指定されておらず、特にp=1/2近傍で、正常に機能しなくなる。本技術により、高速で効率的なデータストリームの圧縮がより安定的に実行される。

従来技術・競合技術との比較

ハフマン符号に基づくデータ圧縮装置とストリーム型ABSを用いたデータ圧縮装置を比較し、同程度のデータ量を圧縮するならば、ストリーム型ABSを用いた装置の方が、データ圧縮率が大きく、符号化および復号化スピードが共に速いことがDudaにより報告されている。

新技術の特徴

・ストリーム型ABSのアルゴリズムが正常に機能するための、pとlに関する必要十分条件を与えた
・アルゴリズムが正常に機能する改良ストリーム型ABSデータ圧縮装置を開発した

想定される用途

・2進データの大量、高速、安定した送受信
・5G,IoT時代のあらゆる産業で利用可能
・可逆的画像データ圧縮

  • 製造技術

3)エッチング装置・薬液を必要としない、酸化物薄膜の微細加工技術

発表資料

金沢大学 理工研究域 電子情報通信学系 准教授 川江 健

http://materia2.w3.kanazawa-u.ac.jp/advanced%20material%20and%20device%20process/framepage2.html

新技術の概要

水に可溶かつ耐熱性に優れるアモルファス酸化カルシウムを犠牲層とし、目的とする酸化物薄膜の選択成長と微細加工をミクロンオーダかつ高速で行う。
当該技術を用いる事で、酸化物薄膜で構成される各種デバイスに対するプロセスコストの大幅低減が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、反応性イオンエッチング装置や強酸などの環境負荷の高い薬液が必要であったが、当該技術はそれらを用いずにフォトリソグラフィの最小寸法に基づいた微細加工が可能である。
→装置初期投資や廃液処理に要するコスト低減が可能

新技術の特徴

・高額なエッチング装置を必要としない、酸化物薄膜の微細加工
・環境負荷の高い薬液を必要としない、酸化物薄膜の微細加工
・任意の形状を有する酸化物薄膜の選択成長

想定される用途

・酸化物デバイスプロセス
・任意の位置に対する酸化物薄膜の結晶成長

関連情報

・サンプルあり

  • 製造技術

4)置換ポリアセチレンの末端構造を自由に設計できる精密重合法

発表資料

金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 助教 谷口 剛史

http://kohka.ch.t.kanazawa-u.ac.jp/lab5/lab5/index.html

新技術の概要

市販の触媒と試薬を組み合わせるだけで、置換ポリアセチレンの末端構造を思い通りに設計できるリビング重合法を開発した。この手法では、得られるポリマーの分子量、分子量分布および立体規則性のすべてをほぼ完璧に制御することが可能であり、さまざまな特殊構造ポリマー(星形ポリマーや高分子ブラシなど)の合成にも応用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、置換ポリアセチレンの末端構造を自由に設計することが非常に困難であった。また、本技術を用いる重合法は従来技術のものより格段に重合活性が高く、適用できるモノマーの範囲が従来技術より大きく広がった。また、従来技術では不可能であった特殊構造ポリマーの合成も可能である。

新技術の特徴

・ポリマーの末端構造を自由に設計でき、他の材料との融合が可能である
・重合活性が非常に高く、分子量を制御しながらさまざま官能基を有する置換ポリアセチレンを合成できる
・特殊構造ポリマーの合成が可能になり、置換ポリアセチレンの高度な機能化が可能である

想定される用途

・円偏光発光材料
・キラル固定相
・超撥水コーティング材

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

5)通院治療可能な経口投与型低腎毒性白金抗がん剤

発表資料

金沢大学 新学術創成研究機構 教授 小川 数馬

http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~bunseki/

新技術の概要

従来の臨床白金抗がん剤の活性構造を保持した状態での高活性・低腎毒性化を図り、マウスで腎毒性が認められないこと、経口投与での腫瘍縮小が静脈投与のそれと同等である結果を得た。従来の入院生食投与後に薬投与から通院経口または静脈投与可能な薬により患者のQOL向上、がん治療の感染症対策を提供する。

従来技術・競合技術との比較

本開発技術の結果、白金化合物の低腎毒性化、高活性化(低IC50値)、経口投与化が可能となった。従来技術ではカルボプラチンに見られる低腎毒性化までしかカバーされていない。通院治療を目的とした低副作用、経口投与化に焦点をあわせた白金抗がん剤開発は世界的にも類例を見ない。

新技術の特徴

・マウスの経口投与による静脈投与と同等の腫瘍体積縮小
・低腎毒性化による前生理食塩水投与不要
・従来の臨床白金抗がん剤構造を保持した化合物のため使いやすい

想定される用途

・進行がんにも使える白金抗がん剤の経口投与による患者QOL向上
・低腎毒性による前生理食塩水投与不要と用量の拡張による広範囲のがんへの適用
・感染症対策のためがん治療を入院から通院へとスタイル変更

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

6)MHC-class II拘束性のAFP由来ペプチドを用いた癌免疫療法

発表資料

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 助教 玉井 利克

http://www.m-kanazawa.jp/

新技術の概要

MHC-class II拘束性のαフェトプロテイン(AFP)由来エピトープを新規に同定した。本エピトープは複数のHLA-DRB1アリルで反応を示し、本エピトープに反応した肝癌患者は予後が良好であることが示されている。本エピトープを用いた癌免疫療法や試薬の開発が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

MHC-class II拘束性を示したAFP由来の新規エピトープであり、本エピトープを利用して製品化された治療薬や診断薬はまだない。複数のHLA-DRB1アリル(*0405、*0901、*1502)で反応することが示されており、より多くの患者で利用可能である。また、本エピトープに反応した肝癌患者は、反応しなかった患者より予後が良好であった。

新技術の特徴

・既報のエピトープと比較し、免疫原性が強い
・複数のHLA-DRB1アリルに反応することが示されており、より多くの患者で利用可能である
・肝癌患者だけでなく、AFP陽性の他部位癌患者にも応用可能である

想定される用途

・AFP陽性癌患者に対する癌ペプチドワクチンや樹状細胞ワクチンとしての投与
・抗癌剤や免疫チェックポイント阻害剤との併用投与
・本ペプチドに対する宿主免疫応答を検出する測定試薬の作製

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

7)膠芽腫病勢診断の簡易診断キットに使える診断マーカー

発表資料

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 教授 中田 光俊

http://neurosurgery.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

膠芽腫(Glioblastoma)は最も頻度の多い悪性脳腫瘍であり、いまだ予後不良である。我々は、革新型プロテオミクス解析により、膠芽腫病勢診断マーカー候補分子の検出に成功した。今後は診断キットの臨床応用化を目標にライセンス、共同研究など多様な形態の産学連携を検討している。

従来技術・競合技術との比較

膠芽腫の診断マーカーは既にいくつか報告があるが、いずれも臨床診断には使用されていない。膠芽腫診療における問題点に、病勢を反映したマーカーが存在しないことがあり、本技術はこの課題を解決する。

新技術の特徴

・膠芽腫の病勢診断が可能
・診断確定目的の手術が減り、患者の負担が軽減する
・頻回の画像検査よる医療費を削減できる

想定される用途

・膠芽腫病勢の診断簡易キット
・膠芽腫病勢のモニタリング

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

金沢大学ティ・エル・オー
TEL:076-264-6115 FAX:076-234-4018
Mail:infoアットマークkutlo.co.jp
URL:https://kutlo.co.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top