【Webサイトでの技術紹介】慶應義塾大学 新技術説明会
日時:2020年07月30日(木) 00:00~00:00
会場:本Webサイトでの技術の紹介
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、慶應義塾大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
1)テラヘルツレーダーによる透過型振動計測:着衣状態のまま心拍動を非接触計測
発表資料慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 准教授 門内 靖明
新技術の概要
テラヘルツ波を使うレーダーを発明し、例えば人のわずかな心拍動を衣服越しに非接触計測できるようにした。テラヘルツ帯では、レーダーの重要な要素であるフェーズシフタおよびサーキュレータの実現が未だ困難である。そこで、対称ペア型の漏れ波導波路構造を提案し、それらを使うことなくレーダーを構築できるようにした。
従来技術・競合技術との比較
競合のミリ波レーダに比べ奥行分解能が1桁程度改善するため、心拍等の微小変位を詳細に検出でき、計測技術において質的な変化をもたらす。近赤外線を使った競合技術と比較して、機械走査が不要になり、布、木、プラスチックなどの不透明体への透過性が向上するため、対象物の種類を拡大した高速計測が可能となる。
新技術の特徴
・ミリ波レーダに比べ奥行分解能が1桁程度改善する
・不透明体への透過性が向上するため、対象物の種類を拡大した高速計測が可能
・フェーズシフタおよびサーキュレータが不要である
想定される用途
・非接触心拍計測
・ジェスチャ認識
・非接触振動計測・硬さ計測
関連情報
・外国出願特許あり
- 製造技術
2)脱ニュートンのリンゴ:繊細な生体物質を触れずに操る方法の開発
発表資料慶應義塾大学 理工学部 生命情報科学 准教授 松原 輝彦
新技術の概要
生物や生体物質は繊細であり、わずかな物理的負荷によって変質したり活性が失われることがあり得る。そこで本研究では生理活性物質や細胞などを含む溶液を空中に浮揚させることにより、接触する界面がどこにもない状態(全方位非接触界面)を創出することで、物理的負荷を無くした革新的バイオリアクターの実現を目指す。
従来技術・競合技術との比較
生命科学研究で用いる反応容器は、従来のガラスや金属等に代わり、近年使い捨てプラスチックに置き換わったが、生体物質がプラスチックと接触して望まない変質や失活が起きやすい。また研究者1人あたり年間数十キロのプラスチックゴミが出るが、研究室内での脱プラスチックは進んでいない。
新技術の特徴
・常温常圧の無容器バイオリアクター
・全方位が非接触な気–液界面を有する反応場
・脱プラスチック化によりSDGsに貢献
想定される用途
・次世代の創薬や製剤の手法の開発、化粧品などの合成法
・分子生物学反応の完全自動化
・微小重力環境での液体の動きを地球上で再現
- 製造技術
3)シリコンナノ粒子の製造方法及び装置
発表資料慶應義塾大学 理工学部 機械工学科 教授 閻 紀旺
新技術の概要
透明な上基板を通して廃シリコン粉末(ワイヤソーなどから排出されるシリコン切りくず)にレーザを照射し、レーザ照射による加熱作用とプラズマ発生によってシリコン粉末の一部を蒸発させ、結晶化されたシリコンナノ粒子を前記上基板の下面に堆積させることができるシリコンナノ粒子の製造方法。
従来技術・競合技術との比較
イオン注入法、プラズマC V D によるシリコンナノ粒子合成法、化学析出法、電気化学エッチング法によりシリコン粉末あるいはシリコンウエハからシリコンナノ粒子を製造する方法に対して、粒径や結晶性の揃ったシリコンナノ粒子を容易に製造でき、生産コストも下げることが可能。
新技術の特徴
・シリコンインゴット切断時の廃シリコン粉末の埋め立て廃棄を低減
・シリコンナノ粒子を低コストで生成可能
・廃シリコン粉末の再利用問題(不純物混入でのインゴット化不可)が解決
想定される用途
・メモリ素子や量子コンピューターに使用されるシリコン( S i ) ナノ粒子の製造
・高容量リチウムイオン電池負極の製造
・バイオイメージング用シリコンナノ粒子製造
- 医療・福祉
4)非接触による心拍検出方法
発表資料慶應義塾大学 理工学部 情報工学科 教授 大槻 知明
新技術の概要
提案技術は、レーダの受信信号から得られるスペクトログラムを、 心拍や呼吸や体動などの源信号の線形混合とみなし、非負値行列因子分解(NMF)によるブラインド信号処理によって心拍成分のみを抽出する。抽出した信号に対しスペクトルの再構成技術等を適用することで、従来技術に比べロバストで、高精度な検出が可能である。
従来技術・競合技術との比較
提案技術は、非負値行列因子分解(NMF)によるブラインド信号処理によって抽出した信号に対しスペクトルの再構成技術等を適用することで、従来技術に比べ体動や環境雑音に対してロバストで、高精度な心拍検出が可能である。そのため,デスクワーク時や車を運転時など,従来技術では難しかった環境でも心拍検出が可能である。
新技術の特徴
・体動などの雑音に対してロバスト
・個人の事前知識なしに検出可能
・呼吸検出にも適用可能
想定される用途
・デスクワーク時の疲労・ストレスチェック
・睡眠時・リラックス時の健康チェック
・車の運転時のドライバーの疲労・ストレスチェック
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
慶應義塾大学 研究連携推進本部
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