【オンライン開催】東京理科大学 新技術説明会
日時:2020年10月29日(木) 13:00~14:55
会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、東京理科大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
東京理科大学 理学部第一部 物理学科 教授 徳永 英司
新技術の概要
界面ポッケルス効果を利用した初めての光変調素子。振動分光、X線回折、AFM、数値計算に続く第5の界面物性探索手段にもなる。ポッケルス効果とは、印加電場に比例する屈折率変化で、電場の向きが反転すると屈折率変化の符号が反転するのが特徴。巨視的反転対称性が破れていることが発生の必要条件で、あらゆる界面が利用可能になる。
従来技術・競合技術との比較
光通信で実用化されている固体ポッケルス結晶LiNbO3は、10GHzの高速応答性を持つが、数Vの電圧で深い光強度変調を起こすには数μmの断面と数cmの長さの単結晶が必要であり、高価(数十万円)であるのに対し、本変調素子は界面効果を用いていてナノスケールで動作し、波長選択性があり、1cm角で30円程度と極めて安価である。
新技術の特徴
・水(あるいはアルコール)とガラス基板上の酸化物透明電極薄膜だけで光変調器が構成できる。
・変調される波長は酸化物透明電極の膜厚で制御でき、変調方向選択性がある。
・水が透明な170nmの深紫外光まで変調でき、きわめて安価。
想定される用途
・マイクロ流路上のミクロ光変調器
・水と透明電極による指向性ディスプレイ
・液中の固液界面の屈折率、電場、電解質濃度の高感度センサー
関連情報
・サンプルあり
- 計測
東京理科大学 理学部第一部 物理学科 助教 山下 恭平
新技術の概要
非侵襲で汎用性の高い生死判定法は、再生医療、遺伝子工学、単一細胞分析、微生物培養など細胞への負荷が懸念される研究、産業分野での基礎技術として必要とされています。安価かつ取扱いが容易で、ヒトや環境にやさしい判定法は、食品分野や一般家庭の衛生管理のような、高い安全性が求められる環境でも利用が期待されます。
従来技術・競合技術との比較
細胞の生死判定は、死細胞のみが試薬によって染色される色素排除法により行われます。一般に使われる侵襲的な合成色素に代わり、天然食用色素の紅麹色素や紫芋色素を使用した結果、同程度の高感度で短時間な染色と、より高い耐薬品性が確認されました。ヒト乳がん細胞から緑藻ミドリムシまで、構造の異なる様々な細胞での適用が確認できました。
新技術の特徴
・サンプル細胞(様々な種に対応可能)や周囲環境に対して安全・安価で、特殊な装置・技術が不要
・3日以上の長期モニタリングが可能で、同一サンプルの経時変化測定、嫌気密閉環境での利用が可能
・抗がん剤や逆性石けんのような化学物質が混在した溶液中でも色素は安定して生死判定可能
想定される用途
・従来合成色素の代用(トリパンブルーやメチレンブルー)
・長期の生死判定モニタリング(密閉、嫌気環境での培養)
・微生物検出 : 衛生管理(高い安全性を要する食品加工現場、食堂、一般家庭など)、セルカウンタ用標識剤
関連情報
・サンプルあり
- 情報
東京理科大学 理工学部 情報科学科 准教授 入山 聖史
新技術の概要
ユーザの個人情報を秘匿させたまま、高速かつ安全に横断的な認証サービスの提供を可能とする。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、鍵交換をしないで認証を可能とする暗号情報処理技術を前提とし、個人情報を秘匿したまま、高速かつ安全なサイングルサインオン等の認証サービスの提供を実現可能とする。従来技術は鍵交換が必要であるが、本技術は鍵交換を行わないため、攻撃者による通信の盗聴やサーバー攻撃が生じた場合でも、個人情報の漏洩リスクが低く抑えられる。
新技術の特徴
・復号化せずにサーバーで計算し、照合機で結果のみ復号化するため、事業者とサーバーを異なる事業体で運用できる。
・外部のクラウドサーバーを用いることで導入・管理のコストを低く抑えることができる。
・安全性の根拠としてワンタイム暗号を用いており、認証速度も向上している。
想定される用途
・医療アプリケーション
・宿泊施設の予約管理
・オンラインチケット
関連情報
・デモあり
- 材料
東京理科大学 理工学部 先端化学科 助教 赤松 允顕
新技術の概要
溶液中ならびに固体/液体界面での会合形態を光照射のon-offで高速制御可能な新規機能性両親媒性分子(両親媒性ロフィンダイマー)を開発した。溶液中での光制御は香料や薬剤のコントロールリリースやUVインクに、また固体/液体界面での光制御は濡れ性制御や光メモリーなどへの展開が期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来の光応答性両親媒性分子では、高速での界面物性制御は発表者らの既報も含めて困難であった。一方、ロフィンダイマーの光開裂反応は高速で進行するものの、その再結合反応は遅いという問題があった。本研究では、ロフィンダイマーに親水性部位を導入して自己会合能を付与することにより、高速での光制御を達成した。
新技術の特徴
・水溶液中での会合体形成を、光のon-offにより高速で制御可能である。
・会合体内部に保持した薬剤や香料などを、光のon-offにより高速でリリース可能である。
・固/液界面における親水性/疎水性の制御を光のon-offにより高速で制御可能である。
想定される用途
・溶液中での光制御においては、香料や薬剤のコントロールリリースへの応用
・溶液中での粘性の光制御において、UVインクへの応用
・固体/液体界面での光制御においては、濡れ性制御や光メモリーなどへの応用
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
東京理科大学 研究戦略・産学連携センター
TEL:03-5228-7431 FAX:03-5228-7442
Mail:uraadmin.tus.ac.jp
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