【Webサイトでの技術紹介】電気通信大学 新技術説明会
日時:2020年05月12日(火) 00:00~00:00
会場:本Webサイトでの技術の紹介
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、電気通信大学
後援:一般社団法人目黒会(電気通信大学同窓会)、株式会社キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)
発表内容一覧
発表内容詳細
- 情報
1)深層学習を用いた雑談対話ログからのユーザの興味推定
発表資料電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 情報学専攻 准教授 稲葉 通将
新技術の概要
人間の対話の6割以上は雑談であると言われています。近年、雑談は対面だけでなく、ビデオ通話、LINEなどのアプリ上、TwitterなどのSNS上など様々な場面で行われており、ユーザの雑談対話の収集も容易になっています。本研究ではそうして得られる雑談対話データから話者の興味を精度良く推定する手法を提案します。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、「私は犬が好き」のように発話内で明示的に示された場合にしか正しく興味を推定することができませんでした。
一方本研究では、発話中で明示されていなくても深層学習によりユーザの興味を推定することができます。
新技術の特徴
・対話ログからのユーザが興味のあるカテゴリの推定
・深層学習を用いた対話処理
・比較的少量のデータでも推定可能
想定される用途
・アプリ上でのユーザに合わせた適切な広告の挿入
・オンラインショッピング上での商品推薦の高精度化
・対話ロボットのユーザ適応
- 情報
2)光沢平面上に直立空中像を表示する可搬式光学系の設計および装置
発表資料電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 情報学専攻 助教 小泉 直也
新技術の概要
裸眼で実空間に映像が見えるしくみとして空中像提示技術があります。本技術は、空中像を結像する光学素子と反射素子を組み合わせて配置することで、光沢のある平面上に装置を置くだけで表示可能にするものです。さらに光沢面内部の映り込みを偏光素子を活用して除去することもできます。
従来技術・競合技術との比較
従来の光学系は装置が大掛かりであり、設置が容易ではなかったものを、光沢面に置くだけの設計にしました。また空中像は視域が狭く見ることができる視点位置が限られるため、従来は台に乗るなどして視点位置の調整をしなければなりませんでしたが、光沢面での反射によって見やすい設計を実現しました。
新技術の特徴
・平面上に置くだけで設置できる
・視点位置の高さ調整が不要で見やすい
・空中像の背景に光学素子がなく、環境に調和した見え方ができる
想定される用途
・デジタルサイネージ
・表示装置
関連情報
・サンプルあり
- 情報
3)商品の推薦理由がわかる情報推薦システム
発表資料電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 情報学専攻 准教授 岡本 一志
新技術の概要
推薦システムにおいて推薦理由を提供する機能を推薦の透明性といいます。推薦の透明性は、推薦の受け入れられやすさやシステムの利用満足度などに寄与することが知られています。本技術は、事前に購買履歴や商品への評価データを学習し、学習済モデルに基づき推薦商品と併せて推薦理由を提示するものです。
従来技術・競合技術との比較
購買履歴や商品への評価を活用する推薦システムにおいて、推薦の透明性の研究はメモリベース法が主流です。メモリベース法は推薦の都度、全ユーザや商品に対する類似度計算が必要なため、計算コストが高くなります。本技術では、モデルベースのアプローチで推薦の透明性を実現することで、推薦の計算コスト削減を図ります。
新技術の特徴
・推薦理由の説明
・高速な学習と予測
・シンプルな実装
想定される用途
・オンラインショッピング
・ヒューマン・リソース・マッチング
・予測に対する説明機能
- 材料
4)気相成長によるフラーレンマイクロ構造体の形成技術
発表資料電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 助教 塚本 貴広
新技術の概要
気相成長を用いたフラーレンマイクロ構造体の形成技術について紹介します。加熱により昇華したフラーレンを原料として用いることにより、マイクロスケールの柱状構造をしたフラーレン構造体を短時間かつ簡便に形成する技術です。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、液液界面を用いてフラーレンマイクロ構造体を形成していましたが、その形成に時間を要することが課題でした。本技術では、気相成長を用いることで従来技術よりも短時間でマイクロ・ミリスケールに及ぶフラーレン構造体を提供可能としました。
新技術の特徴
・柱状のフラーレン構造体を提供する技術
・気相成長による短時間形成
・フラーレンが規則的に配列充填されたマイクロ構造体
想定される用途
・有機エレクトロニクスにおける半導体材料
・電気的な配線材料
・有機太陽電池などの電極材料や触媒担持材料
関連情報
・サンプルあり
- 材料
5)明るい環境下でも視認可能な高輝度蓄光分子の提案
発表資料電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 助教 平田 修造
新技術の概要
既存の蓄光体は輝度が弱いため暗闇での一部用途に限定されている。今回ブラックライトの照射停止後に数秒間通常の蓄光体に対して100倍程度強く蓄光を示す分子の開発に成功した。この分子を用いると、明るい環境下で微小体からの蓄光の検出が可能であり、これまでにない表示サービスやセンシング技術の実現が期待される。
従来技術・競合技術との比較
既存の蓄光体は、輝度が著しく低いため暗闇での用途に限定され、さらにその輝度の低さからマイクロメートル以下の対象物からは蓄光自体の検出ができない。今回の新材料は、励起光停止後数秒間は既存の蓄光体と比較して100倍以上の輝度を示すため、これまでにない表示サービスおよびセンシングにつながる可能性がある。
新技術の特徴
・励起光の照射停止後数秒間は既存の蓄光体の100倍の輝度を示す(励起光停止後数秒間は他のどの材料よりも強い発光を示す)
・周囲が明るい環境においても蓄光機能の視認が可能である
・ナノサイズの対象物においても蓄光機能の検出が可能である
想定される用途
・ガラス、室内白塗り壁、プロジェクタースクリーン(近紫外レーザーポインターやスポットライトで発光の残像を表示させるメリットを描くことができる用途)
・偽造防止用のインク(パスポート、商品券、お札等)
・バイオイメージング用のラベル
関連情報
・サンプルあり
- 医療・福祉
6)スマートフォン型医療診断センシングシステム及び液中試料向け顕微鏡観察セル
発表資料電気通信大学 大学院 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 教授 サンドゥー アダルシュ
新技術の概要
スマートフォンと磁性粒子を利用したバイオセンシングシステムであり、粒子の挙動を観察することにより生体物質の検出を行う。TEMで顕微鏡観察セルを用いて液中試料を循環させながら観察を行う。
従来技術・競合技術との比較
大型装置の利用及び長い検出時間などの従来技術の問題点を解消し、持ち運び可能でたった数分で検出が可能なシステムである。また、遠隔医療などの実現も期待できる。従来、TEMを用いた観察は乾燥試料に制限されていたが、液中試料を循環させながら観察が可能なシステムである。
新技術の特徴
・持ち運び可能であり、スマートフォンを利用した遠隔医療などの実現が可能
・TEMを用いて液中試料を循環させながらの観察が可能
想定される用途
・感染症などの検出による病気の早期発見
・液中の試料や反応、細胞などの観察
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
電気通信大学 産学官連携センター
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