【Webサイトでの技術紹介】山形大学 新技術説明会
日時:2020年10月06日(火) 00:00~00:00
会場:本Webサイトでの技術の紹介
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、山形大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- エネルギー
1)有機分子・CdSナノコンポジットを用いた超効率的な水分解による水素製造
発表資料山形大学 学術研究院(大学院理工学研究科主担当) 情報・エレクトロニクス学科・電気電子工学専攻 准教授 有馬 ボシールアハンマド
新技術の概要
芳香環を有する有機分子(例、ヒスチジン、フェニルアラニン)とCdS光触媒のナノコンポジットの合成法を開発した。合成したナノコンポジットを用いて水分解による水素製造実験を行った結果、通常のCdSより水素製造量が約150倍に増加した。分子の芳香環がCdSの電荷分離を向上させ光腐食防止に貢献したものと思われる。
従来技術・競合技術との比較
水の光分解による水素製造においては、従来のCdSナノ光触媒の太陽エネルギー変換効率は低い(0.1%以下)。本技術で合成した有機分子・CdSナノコンポジットの太陽エネルギー変換効率は従来の約10倍(約1.1%)である。
新技術の特徴
・材料の合成が簡単、安い、低温プロセスであり環境にやさしい。
・ナノコンポジットの太陽エネルギー変換効率が非常に高い。
・他の光触媒のエネルギー変換効率向上にも本技術が期待できる。
想定される用途
・水の光分解による水素製造
・光触媒関連(水汚染物の分解、二酸化炭素の還元、太陽電池など)の全ての分野で応用が期待できる。
・本材料合成技術は他の光触媒(CuS, MoS2, CoS, MnSなど )ナノコンポジットの合成と応用に期待できる。
関連情報
・サンプルあり
- 製造技術
2)どんな素材上でも自在に貼り付けられるCNT薄膜作製法
発表資料山形大学 学術研究院(理学部主担当) 講師 石﨑 学
新技術の概要
CNT電極は厚膜化することで集電力を補える一方で光透過性が犠牲になる。本発明は、特に薄膜・フレキシブルデバイスに好適な活性層(下層)にダメージを与えない無加圧・溶液プロセスによるトップコンタクト電極の作製法を提供し、その活性層への均一・緻密接触、大面積化、仕事関数調整など、付加価値を創造する技術基盤となる。
従来技術・競合技術との比較
CNT分散液を用いて作製した従来の薄膜は、ボトムコンタクト電極としての応用に限定され、ITOなどの実用透明電極材料との差別化が難しい。本手法は、ペロブスカイト太陽電池といった薄膜デバイスの活性層に適合する溶媒・添加剤を任意に選択できる革新的技術であり、特に、トップコンタクト電極作製に適する。
新技術の特徴
・溶液プロセスによるCNT薄膜電極膜の作製法(膜厚調整の自由度)
・トップコンタクトCNT電極としての薄膜デバイス活性層への適合性
・トップコンタクトCNT電極として大面積化
想定される用途
・太陽電池トップコンタクト電極
・薄膜LED電極
・熱電変換素子
関連情報
・サンプルあり
- 機械
3)無制限の可動範囲を有する回転3自由度の球状歯車機構の開発
発表資料山形大学 学術研究院(大学院理工学研究科主担当) 機械システム工学科・機械システム工学専攻 准教授 多田隈 理一郎
新技術の概要
新技術は、球面上において直交する2方向に歯車構造を持たせて「球状歯車」とし、それと噛み合える「鞍状歯車」を、球状歯車の歯面構造に対応した歯車として製作して、球状歯車に動力を伝達することで、可動範囲に制限を持たず、確実に大きな動力を伝達可能な、直交する3軸周りの回転自由度を有する伝達機構を実現した。
従来技術・競合技術との比較
1つの機構に複数の回転自由度を与える従来技術である電磁石、振動子型の球面モータや摩擦車による駆動機構には滑りがあり、動力伝達の確度が低い。一方、従来技術のワイヤ駆動機構とリンク機構は、可動範囲が制限される。今回開発した歯車型3自由度伝達機構は滑りが無く、確実に大きな動力を伝達可能であるという利点を持つ。
新技術の特徴
・大きな動力を滑り無しで確実に伝達可能である。
・直交する3軸周りの回転3自由度を有し、その可動範囲を無制限に設定可能である。
・従来のジンバル機構に比べて小型・軽量に構成可能である。
想定される用途
・ロボットアームの関節機構
・カメラの首振り機構
・医療機器の動力伝達機構
関連情報
・サンプルあり
- 分析
4)フッ化物の簡易検出を可能にするビスマス含有ポリマーの開発
発表資料山形大学 学術研究院(大学院理工学研究科主担当) 化学・バイオ工学科・物質化学工学専攻 助教 松村 吉将
新技術の概要
塩化ビスマス、二硫化炭素、芳香族グリニャール試薬から、ビスマスを主鎖に含有する安定なポリマーが合成できる。このポリマーそのものは全く発光しないが、フッ素アニオンを添加すると蛍光発光するため、フッ化物の検出剤として期待できる。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、フッ素が存在しないときは全く発光しないが、フッ素を加えると発光する仕組みであるため、目視でも分光学的にも認識し易く、微量分析には有利である。そのため、高感度かつ簡易なフッ化物検出方法として期待できる。
新技術の特徴
・ビスマスを含有する安定なポリマーの合成
・フッ素アニオンを加えると蛍光発光する
想定される用途
・工業廃水中のフッ化物の検出
・飲料水中のフッ化物検出
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
山形大学 知的財産本部
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