環境系 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年03月03日(木) 14:00~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、 弘前大学、岩手大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 14:00~14:25
- 環境
弘前大学 地域戦略研究所 新エネルギー研究部門 准教授 吉田 曉弘
新技術の概要
木質バイオマスの構成成分の一つであり未活用であったリグニンから、プラスチック等の原料として利用できる単環芳香族化合物を効率的に得るための触媒技術と、臭気問題の原因となる水産廃棄物をもみ殻を活用して無臭化・肥料化する技術等を開発した。
従来技術・競合技術との比較
本技術では、金属発泡体に固定化した新規リグニン分解触を開発した。この触媒は、従来の均一系触媒や不均一系分体触媒に比べて、触媒分離や連続操業に適している。また、水産廃棄物の処理技術に関しては、化石燃料不使用であること、資源循環が可能である点で既存技術より優れている。
新技術の特徴
・木質バイオマスの構成成分であるリグニンを連続的に分解可能な触媒を開発
・未活用バイオマスで水産廃棄物を処理し、臭気問題を解消するとともに肥料化して資源循環させる
想定される用途
・未利用なバイオマス(稲わら、もみ殻、剪定枝など)を活用した化学物質や肥料の生産
・カルシウムを含有した水産廃棄物(ホタテガイ養殖残渣、カキ殻、ウニ殻等)の無臭化、肥料化
- 14:30~14:55
- 環境
岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 化学コース 准教授 芝﨑 祐二
http://www.chem.iwate-u.ac.jp/labo_web/org_polymer/index.html
新技術の概要
本技術は、天然フェノール配糖体の重合体である合成ポリフェノールにポリイミンを導入し、銀ナノ粒子を非常に安定に固定化できる新規共重合ポリマーを鍵とする。この複合体は、抗酸化、抗菌、抗ウィルス性を持つ新規の機能性材料としての活用が見込める。
従来技術・競合技術との比較
抗菌・抗ウィルス剤は種々の製品が販売されているが、塩化ベンザルコニウム、銀ゼオライトは、人体への毒性や環境調和性等が懸念される。また、次亜塩素酸水は、継続的な大量使用により効果が得られるが、健康への影響は十分に明らかにされていない。本技術開発では新規の高分子を基材としており、抗菌・抗ウイルス効果を保有しつつ、環境への影響を最小限に抑えることができる。
新技術の特徴
・高分子基材を利用し銀根の粒子を最小限に抑制
・銀ナノ粒子を安定的に固定化
・ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料への接着が可能
想定される用途
・抗菌・抗ウィルス剤
・抗菌・抗ウィルス効果のある農業用資材
・抗菌・抗ウィルス効果のある畜産用資材
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- 環境
3)小型の分離型バイオマスガス化炉
発表資料弘前大学 地域戦略研究所 新エネルギー研究部門 教授 官 国清
https://sites.google.com/site/energyconversionengineering/home
新技術の概要
本小型ガス化炉はバイオマスの熱分解、チャーのガス化及びタールの触媒改質を分離し、タール問題を解決する同時に燃料ガス生産効率を高めます。さらに、砂を熱媒体としてシステム内循環させてガス化効率及び熱利用効率を高めます。
従来技術・競合技術との比較
既存の100kW級以下小型バイオマスガス化炉はダウンドラフト式が多く、良質な木質チップ以外使用困難であるほか、副生タールも多く発生します。本分離型の小型バイオマスガス化炉は熱分解、チャーガス化、タール改質を分離し、多種類バイオマス使用可能、低タール生成、効率的な熱回収など特徴を有しています。
新技術の特徴
・バイオマスの熱分解とチャーのガス化を分離し、タール問題を解決する
・ホタテ貝殻等を触媒として使用し、ガス化過程において発生したタールを高効率で燃料ガスへ変換する
・砂を熱媒体としてシステム内循環させてガス化効率及び熱利用効率を高める
想定される用途
・電源確保が困難な場所でも,周辺のバイオマスを利用してガス化・発電が可能
・木質チップ以外にも養殖残渣、農業残渣、食品廃棄物もガス化が可能
・地域のバイオマス資源を利用して、ビニールハウスの電源、熱源と二酸化炭素源になる可能
- 15:30~15:55
- 環境
岩手大学 農学部 植物生命科学科 准教授 アビドゥール ラーマン
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/~abidur/Web%20page%20Japanese/index-japanese.htm
新技術の概要
本技術は、放射性セシウムのファイトレメディエーションに関するものである。本技術は、土壌中のセシウムを効率的に吸収するが、カリウムを吸収しない輸送タンパク質(ABCG33およびABCG37)を世界で初めて特定した技術であり、土壌中におけるセシウム以外の金属除去への応用利用の可能性がある。
従来技術・競合技術との比較
自然界の植物は、セシウムを吸収する際にカリウムも吸収する(カリウム依存性)ため、土壌中のセシウムを多く吸収しようとするほど土壌中のカリウムが枯渇してしまうことが課題となっていた。本技術は、セシウムを効率的に吸収するが、カリウムを吸収しないため、土壌からの金属除去を効率的に行うことができる。
新技術の特徴
・土壌環境を大きく変化させずに汚染土壌の浄化ができる
・カリウム吸収量を増やすことなくセシウム吸収量だけを上昇させる
・セシウム以外の金属への応用可能性がある
想定される用途
・放射線セシウムで汚染された土壌へのファイトレメディエーション
・セシウム以外の有害金属に汚染された土壌へのファイトレメディエーション
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
弘前大学 研究・イノベーション推進機構
TEL:0172-39-3178
Mail:chizai hirosaki-u.ac.jp
URL:https://www.innovation.hirosaki-u.ac.jp
岩手大学 研究支援・産学連携センター 知的財産ユニット
TEL:019-621-6494
Mail:iptt iwate-u.ac.jp
URL:https://www.ccrd.iwate-u.ac.jp/
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