千葉大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年02月15日(火) 13:00~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、千葉大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:00~13:25
- 情報
千葉大学 大学院工学研究院 情報科学コース 教授 須鎗 弘樹
新技術の概要
高い採点精度を保ちながら、採点時間や人的コストなどの採点コストの大幅な低減が可能な、日本語記述式問題の自動採点システムである。その特徴として、事前に学習データを必要とせず、短時間で実行できるため、複数回の実行が可能で、従来の人による採点の様々なブレも防止できる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、人の採点とは別の手段として、自動採点を設定している。つまり、全ての答案を人が一度は採点する必要がある。しかし、本技術では、一人目の採点者として自動採点を設定できる。高い採点精度を維持する本技術の自動採点は見直し不要で、自動採点不可の少ない答案の手動採点に採点コストを集中できる。
新技術の特徴
・学習データを必要としない。
・高い採点精度と高い自動採点率(自動採点できる答案の割合)
・高速に実行できるため、採点基準の見直しなどにより何度でも実行可能
想定される用途
・大規模な模擬試験の記述式問題の採点業務
・オンライン学習における記述式問題の自動採点
・正誤判定の必要がある大量の文章の自動判定
- 13:30~13:55
- 環境
千葉大学 大学院工学研究院 先進理工学専攻 助教 吉村 彰大
新技術の概要
本手法では、塩化鉄を主体とする溶融塩を「固体王水」として利用し、従来よりも大幅に穏和な条件で白金族金属を処理する手法を提供する。これにより、従来の手法に対して大幅に環境負荷やコストを軽減したリサイクル手法を操業でき、白金族金属のライフサイクル全体の環境負荷を軽減できる。
従来技術・競合技術との比較
極端な高温や強力な薬品の利用により環境負荷が大きい従来の白金族金属のリサイクルに対し、比較的低温で溶融塩となる塩を用いる本研究の「固体王水」は、直接塩化での溶解後に容易に回収出来る点に加え、極めて容易に元素同士を相互分離できることから、リサイクルの大幅な負荷軽減を期待できる。
新技術の特徴
・従来の手法と比較して大幅に穏和な処理法による白金族金属のリサイクル
・溶媒抽出を利用しない低環境負荷での元素の相互分離
想定される用途
・使用済み触媒などからの白金族金属の回収
・複数の白金族金属同士の相互分離 (混合スクラップの処理など)
・難溶性白金族金属の処理
- 14:00~14:25
- 創薬
3)有機分子へのヨウ素導入法の開発
発表資料千葉大学 大学院理学研究院 化学研究部門 教授 荒井 孝義
新技術の概要
ヨウ素は、日本が世界第2位の生産量を誇る重要な資源で、千葉は特に産出量が多い県です。このヨウ素の有効活用を目指して、千葉ヨウ素資源イノベーションセンターを創設しました。発表では、医農薬や機能性材料の開発に役立つ、新規な「有機分子へのヨウ素導入反応」を紹介します。
従来技術・競合技術との比較
例えば、芳香族化合物のヨウ素化反応は、これまで強酸性条件や高温を必要としてきました。我々の手法を用いれば、触媒を用い、極めて温和な条件で、高収率、高立体選択的にヨウ素が導入された化合物を得ることが出来ます。
新技術の特徴
・有機分子への立体選択的なヨウ素の導入
・ニトリル化合物の新規供給法
・触媒反応
想定される用途
・医農薬などの合成
・機能性材料の開発
・化成品などの供給
- 14:30~14:55
- 材料
千葉大学 大学院工学研究院 共生応用化学コース 教授 上川 直文
新技術の概要
酸化セリウムなどの高屈折率な酸化物の板状粒子分散ゾルの溶媒除去・乾燥により、板状粒子の周期的自己集積構造体膜を作製する簡便な手法を提供する技術である。この自己集積膜は、低湿度で光透過性を有し、高湿度で板状粒子の周期的積層による構造色を発現する。
従来技術・競合技術との比較
無機粒子と液相との交互積層によるゲル状膜や液晶分子による環境応答性構造色膜などがあるが、これらの従来技術に対して本技術は、湿度に対する早い応答性や高い視認性(発色コントラスト)を有している。
新技術の特徴
・乾燥状態では基本的に透明であり、一定湿度以上で構造色発現
・コーティング液の塗布乾燥のみの簡便なプロセスで種々の基板上に製膜可能
・構造色発現の有り無しでの光学的スペクトル変化が速やかではっきりとしている
想定される用途
・気相中の水蒸気などの蒸気圧センサー
・化粧品などの顔料(汗や水分で色味が変わる)
・溶媒中の水分などの定量センサー
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- アグリ・バイオ
5)カット野菜の保蔵性向上に寄与する物理的処理技術
発表資料千葉大学 大学院園芸学研究科 生物生産環境学領域 准教授 小川 幸春
新技術の概要
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度100ppm)のpHを6程度の微酸性に調節して40~50℃に加温し、通常の殺菌処理と同様に90~180秒浸漬する。殺菌処理後は冷水洗浄して水分を切ったうえで低O2、高CO2濃度に調節したパッケージに封入する。これにより1週間以上の生菌数抑制、変色抑制が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
生体試料の変質を抑制するには酵素活性を低下させる必要があり、液体であればエタノールなどを混合する。カット野菜、果物は酵素活性由来の変色による外観品質低下が問題となる。通常、その短期的な抑止策として食塩水などの物質が塗布される。それらに対して本技術は物理的な操作のみで効果を期待できる。
新技術の特徴
・微温湯による選択的な酵素活性の抑制
・微酸性条件下での殺菌処理
・低濃度O2環境での呼吸活性の抑制
想定される用途
・カット野菜の保蔵性延長
・生鮮食品の保蔵中劣化の抑制
・生体試料の変質防止
- 15:30~15:55
- エネルギー
6)蓄電池による再生可能エネルギー発電の出力平滑化制御
発表資料千葉大学 大学院工学研究院 融合理工学府基幹工学専攻 助教 小岩 健太
新技術の概要
太陽光・風力発電をはじめとした再生可能エネルギー発電を電力系統に接続するためには、蓄電池によりその変動電力を平滑化しなければならない。本技術は、その変動電力平滑化において、性能を低下させることなく蓄電池の所要定格出力の低減を達成可能とする技術である。
従来技術・競合技術との比較
再生可能エネルギー発電の出力平滑化を蓄電池により行うシステムでは、一次の低域通過フィルタが一般的に広く用いられている。それに対し、本技術を用いることで約25%の蓄電池容量の低減が期待できる。加えて、本技術は構造も単純であるため、実用上のハードルも低いといえる。
新技術の特徴
・再生可能エネルギー発電を有するシステムの低コスト化を実現できる。
・構造が単純である。
想定される用途
・蓄電池
・再生可能エネルギー発電を含むシステムのエネルギーマネジメント
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