環境研究・技術開発 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年03月10日(木) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、 環境再生保全機構、
北陸先端科学技術大学院大学、関西大学、
東京農工大学、東北大学、秋田大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 材料
1)イタコン酸由来で光誘起親水化する分解性バイオナイロン
発表資料北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 環境・エネルギー領域 教授 金子 達雄
新技術の概要
麹菌からとれるイタコン酸を原料として塩モノマー法を適用することでピロリドン環を主鎖に有する世界初の構造のバイオナイロンが得られた。本バイオナイロンは水中で紫外線を照射することで親水化しこれに伴い分解性を示した。従って使用時には安定な一方海洋環境で分解する適所分解性プラとして利用可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来のバイオナイロンは分解性に乏しく海洋プラゴミ問題の解決には影響しない。また、直鎖構造であり従来のナイロンと同等の構造であった。一方、本バイオナイロンはピロリドン環を有するために、今までには無い新規機能である光誘起親水化によるスイッチ型分解性を示すものである。
新技術の特徴
・マイクロプラスチックを出さない繊維
・高耐熱化ナイロン材料
・親疎水性の光コントロール
想定される用途
・衣服のテキスタイル
・釣り糸
・玩具
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 環境
東北大学 大学院環境科学研究科 先端環境創成学専攻 助教 熊谷 将吾
新技術の概要
直径数mm~数百μmからなる非常に細い被覆電線(細線)から、被覆材および導電体を高度に回収可能とする湿式剥離技術。具体的には、被覆材を適切な有機溶媒により膨潤することで脆化させ、さらにボールミル等で適度な衝撃を加えることで、導電体から被覆材を剥離することができる。
従来技術・競合技術との比較
一般的に用いられるナゲット処理は、細線を更に細かく破砕した後に物理選別するため、回収した被覆樹脂および導電体の純度に限界がある。本技術は、被覆樹脂および導電体双方の過破砕を防ぎつつ剥離する技術であるため、より高純度の被覆樹脂および導電体の回収が可能である。
新技術の特徴
・常温常圧の温和な条件において高品位の被覆樹脂および導電体を回収可能
・適切な溶媒選定による被覆樹脂の脆化とミル等による物理衝撃を組み合わせたハイブリッド技術
想定される用途
・廃自動車や廃家電から発生するワイヤーハーネスのリサイクル
・電線製造工程で発生する製造ロス品のリサイクル
- 14:30~14:55
- エネルギー
関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 准教授 近藤 亮太
新技術の概要
MgとFeを複合化することにより、MgH2の速やかな生成による水素の貯蔵や脱水素化が可能となる。本技術では、大気中保管下であっても3か月劣化することなく水素貯蔵量が維持されており、変動エネルギーの長期保存に利活用可能である。
従来技術・競合技術との比較
水素貯蔵材料の多くは粉末形状であり、ハンドリングや活性化、熱管理の観点からシステムが大掛かりになり、コスト高が懸念されていた。本Mg/Fe複合材は安価な原材料、連続工程での作製が可能なことに加え、数mm単位のバルク形状を持つことが特徴である。
新技術の特徴
・Mg基水素貯蔵材料
・長期水素貯蔵
・ハンドリング性
想定される用途
・エネルギー貯蔵
・バッテリー
・エネルギー輸送
- 15:00~15:25
- 環境
秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 准教授 松本 和也
新技術の概要
白金族金属である白金、パラジウム、ロジウムは自動車触媒として利用されるが、それらを個別に分離して回収するのは困難である。本技術ではベンジルアミノ基を2つ有する化合物を沈殿剤とすることで、白金やパラジウム、ロジウム等が含まれる塩酸溶液から白金、ロジウム、パラジウムを逐次分離回収することが可能となる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では白金族金属を選択回収することは困難であった。また、1つの回収剤で複数の白金族金属を逐次分離回収することはできなかった。本技術では自動車触媒に用いられる白金、ロジウム、パラジウムをこの順番で逐次分離回収することができる。
新技術の特徴
・様々な金属を含む塩酸溶液から白金族金属を選択的に回収できる
・白金、ロジウム、パラジウムを逐次分離することができる
・市販のアミン化合物を沈殿剤として用いることができる
想定される用途
・白金族金属のリサイクル
・白金族金属の精製
・白金族金属の除去
関連情報
・サンプルあり
- 15:30~15:55
- 環境
5)ppbの有機分子を検出可能にする小型高感度センサ
発表資料東京農工大学 大学院工学研究院 先端物理工学部門 助教 生田 昂
新技術の概要
分子は含有する官能基に応じた特性を持つことが多く、官能基を分析することで分子の性質を予測することが可能である。本技術では、半導体微細化技術で小型化可能なグラフェンを利用した電子素子と官能基と特異的に反応を起こす分子を相補的に利用することにより官能基分析が可能な小型素子の開発に成功した。
従来技術・競合技術との比較
分子中の官能基検出は核磁気共鳴(NMR)や赤外線分光などの大型で専門知識が必要な装置が必要であった。このため、有害物質等をその場で簡便に検出することは困難であった。本技術では、官能基検出にグラフェンセンサを利用することにより、高感度センサの小型化が可能になり、官能基の簡便な高感度検出が実現できる。
新技術の特徴
・グラフェンデバイスを利用してppb (parts per billion)の低濃度領域での分子内官能基を検出
・反応性分子を変更することにより様々な分子に対応可能
・ポータブルな高感度センサの実現
想定される用途
・悪臭物質であるチオール、アミンセンサ
・ニトロ化合物を標的とした爆発物探知センサ
・シックハウス症候群原因物質探索用アルデヒドセンサ
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
環境再生保全機構 環境研究総合推進部 研究推進課
TEL:044-520-9509
Mail:erca-suishinhi erca.go.jp
URL:https://www.erca.go.jp/suishinhi/
北陸先端科学技術大学院大学 産学官連携本部
TEL:0761-51-1070
Mail:ricenter ml.jaist.ac.jp
URL:https://www.jaist.ac.jp/ricenter/
関西大学 産学官連携センター(事務:研究支援・社会連携グループ)
TEL:06-6368-1245
Mail:sangakukan-mm ml.kandai.jp
URL:https://www.kansai-u.ac.jp/renkei/industry/
東京農工大学 先端産学連携研究推進センター
TEL:042-388-7550
Mail:suishin ml.tuat.ac.jp
URL:https://www.rd.tuat.ac.jp/urac/
東北大学 株式会社東北テクノアーチ
TEL:022-222-3049
Mail:okada t-technoarch.co.jp
URL:https://www.t-technoarch.co.jp
秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門
TEL:018-889-3020
Mail:chizai jimu.akita-u.ac.jp
URL:https://www.akita-u.ac.jp/crc/
新技術説明会について
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TEL:03-5214-7519
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