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先端ものづくり技術 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2021年09月14日(火) 10:00~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、茨城大学、群馬大学、埼玉大学

発表内容詳細

  • 製造技術

1) 厚みの分布を理解しやすい機械部品の新しい厚み可視化手法

発表資料 プレゼン動画

茨城大学 理工学研究科 機械システム工学専攻 教授 乾 正知

https://info.ibaraki.ac.jp/Profiles/6/0000552/profile.html

新技術の概要

部品に適切な厚みを指示することは、機械設計において究めて重要な作業だが、既存の3次元CAD技術では、厚みの定義とその表示に問題があった。本技術を用いることで、機械部品内部の厚みの分布を高速に計算し適切に可視化することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、部品の厚みは部品表面の各点に定義していた。そのため部品内部の厚みの分布を知ることが困難であった。本技術は部品内部の厚みの分布を計算する。さらにその分布をボリュームレンダリング手法を用いて部品表面へ投影することで、厚みの分布を正確かつ分かりやすく表示する。

新技術の特徴

・立体内部の厚みの分布を計算できる。同じ手法で空間中の隙間の分布も計算できる。
・厚みの分布や隙間の分布を分かりやすく可視化できる。
・計算にはGPUの並列処理技術を利用しており、結果を高速に得ることができる。

想定される用途

・機械設計支援

  • 製造技術

2)金属の塑性加工と鋳造の研究

発表資料 プレゼン動画

群馬大学 大学院理工学府 知能機械創製部門 助教 西田 進一

https://researchmap.jp/shinichinishida

新技術の概要

主に工場用配管として使用されているSGPおよびSUSの長い大径鋼管の端末部を冷間にてフレア成形加工し継手部のフランジを精度良く塑性加工する技術。
フランジ部の平坦度および鋼管長手方向に対する直角度ならびに成形限界を有限要素解析にて予測する技術。

従来技術・競合技術との比較

従来、大径鋼管の継手部は溶接工法が主流であり、溶接により作業周囲環境の悪化および工程数の増加が課題であった。
一方で、スタブエンドを用いる場合も溶接が必要であった。本技術は溶接をせずに大径鋼管同士をボルト締結可能である。

新技術の特徴

・大径鋼管の継手部を冷間触フレア成形加工する技術
・溶接レスにより工程が短縮可能
・有限要素法解析によりフレア成形加工の寸法精度および成形限界が予測可能な技術

想定される用途

・工場用配管として用いられるSGPおよびSUSの大径鋼管の継手部の成形
・エアコン等の熱交換器に用いられる金属パイプの端末加工
・この他一般的に用いられる金属パイプの端末加工

  • デバイス・装置

3)電流遮断装置及び電流遮断方法

発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門  助教 稲田 優貴

http://www.epower.ees.saitama-u.ac.jp/Drupal/

新技術の概要

従来技術の延長線上にない、全く新しい動作原理を採用した電力用遮断器を紹介する。この新遮断器では、機器老朽化や落雷等に起因する異常電流を『即座に検出・抑制(=限流)し遮断する』ことができるため、電気機器の故障リスクを劇的に低減し、電気の安全性が著しく改善可能である。これにより、電気機器の電流耐性が軽減できるため、電気システムが小型化・低コスト化できる等のメリットもある。

従来技術・競合技術との比較

この新遮断器では、異常大電流の限流と遮断を時刻再現性良く遂行することで、異常大電流に起因した設備被害を最小化できる点が革新的である。さらに①交流・直流・電圧値・電流値の別を問わず適用可、②圧倒的なコンパクト性と経済性、③高い設計自由度なども従来技術には無い優位性である。

新技術の特徴

・限流・遮断の時刻再現性が高く、異常大電流の通電を毎回確実に阻止し遮断し切ることが可能。
・設計自由度が高いため用途毎の最適化が容易であり、環境適合性も高い。
・現電力システムのSF6ガス遮断器や真空遮断器、アークシュートと比べ、サイズと価格は1/100以下。

想定される用途

・送配電システム(直流も交流も)
・ハイブリッド車や電気自動車、電動航空機、電気鉄道を始めとしたエレクトロモビリティ
・データセンター

関連情報

・展示品あり

  • デバイス・装置

4)磁気を利用した熱電変換素子

発表資料

茨城大学 工学部附属グリーンデバイス教育研究センター 電気電子システム工学科 准教授 小峰 啓史

http://dirac.dmt.ibaraki.ac.jp/

新技術の概要

熱電効果の一種であるネルンスト効果を有効に引き出すため、磁性体およびネルンスト効果を用いたロール型ネルンスト素子を提案する。ネルンスト効果を増強するための材料設計指針およびネルンスト電圧を増強するための構造上の工夫について説明する。

従来技術・競合技術との比較

熱電素子はp、n型材料を接続したΠ型素子であり、pn両方の材料開発が必要である。本提案は熱電効果の一種であるネルンスト効果を利用するもので、単一材料で素子形成できる利点がある。一方、ネルンスト素子は磁場が必要であること、電圧が小さいという問題があり、本提案ではこれらを改善する手法を提案する。

新技術の特徴

・熱電変換技術
・ロール型ネルンスト素子
・磁性体/熱電複合材料

想定される用途

・IoT用分散型電源
・災害検知システム用電源
・熱利用

  • デバイス・装置

5)ピエゾでつるつる・ざらざらを創出

発表資料

埼玉大学  大学院理工学研究科 機械科学系専攻  教授  高崎 正也

http://control.mech.saitama-u.ac.jp/

新技術の概要

圧電性セラミクス板に1MHz程度の超音波振動を励振するとそれに接触しているものとの間の摩擦を低減することができます。この仕組みを利用すると、「つるつる」「ざらざら」といった皮膚感覚を創出することができるようになります。効率を向上させるための電極構造を工夫しました。

従来技術・競合技術との比較

圧電性セラミクス板全面に電極を設けるとかえって効率が落ちます。本研究では、電極をパターニングし、選択的に電界を印加することで効率の向上をはかりました。

新技術の特徴

・圧電セラミクス振動子
・電極パターン
・振動モード選択

想定される用途

・皮膚感覚ディスプレイ

  • 製造技術

6)ガス吹込み不要で安定粒子輸送が可能なループシール

発表資料 プレゼン動画

群馬大学  大学院理工学府 環境創生部門  准教授  野田 玲治

新技術の概要

従来の循環流動層ループシールでは、粒子滞留部に外部からガスを供給するのに対して、本技術は、振動空気を教習することにより、外部からのガス供給なしで粒子循環を実現します。

従来技術・競合技術との比較

従来のループシールは、出入り口の流動層高や排圧が変化することで、粒子循環速度が大きく影響をうけ、一定の粒子循環速度を実現するのが非常に困難でした。本デバイスでは振動空気を利用することで、粒子循環速度が層高変化等の外乱の影響をうけにくい特徴を持ちます。さらに、外部からのガス供給が不要のため、コンタミの低減も可能です。

新技術の特徴

・外部からのガス供給が不要(コンタミの低減が可能)
・外乱に対して安定した粒子移動を実現

想定される用途

・化学プラント
・製薬プロセス

  • 材料

7)工業的合成法による繊維状炭化ホウ素の製造方法

発表資料 プレゼン動画

群馬大学  大学院理工学府 分子科学部門  助教  撹上 将規

http://polymer.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/kakiage/index.html

新技術の概要

高硬度、低比重などの優れた特性をもつセラミックスである炭化ホウ素は、複雑形状をもつ成形体の作製が困難であり、これまでその利用形態は粉末あるいは単純形状の焼結体に限られていた。本技術では有機化合物を利用することで、工業的合成法である熱炭素還元法による繊維状炭化ホウ素の作製に成功した。

従来技術・競合技術との比較

これまで報告されている繊維状炭化ホウ素の作製法はいずれも特殊な原料あるいは特殊な手法を用いるものであり、工業的な発展は困難であった。本技術は、汎用原料から工業的手法の発展的手法によって比較的低温にて繊維状炭化ホウ素を作製するものであり、その工業的利用が期待される。

新技術の特徴

・工業的合成法による繊維状炭化ホウ素の作製
・サブミクロン・ミクロンサイズの繊維状・ウィスカー状構造

想定される用途

・複合材料フィラー
・添加剤

  • アグリ・バイオ

8)染色体を伸長解析するバイオチップの微細加工と応用

発表資料 プレゼン動画

群馬大学  大学院理工学府 知能機械創製部門  教授  鈴木 孝明

https://mems.mst.st.gunma-u.ac.jp/

新技術の概要

高分子ファイバ(染色体やナノファイバなど)を伸長固定し解析する方法として、微細加工技術を用いて作製した特殊微細構造を有するマイクロチップを用いる。マイクロチップ上に対象物を含む溶液を滴下、遠心することで、微細構造上に、吊り橋状に浮かせた状態で伸長固定することができる。

従来技術・競合技術との比較

他の染色体伸長操作技術に比べて、簡単な操作で、多数の高分子を伸長固定し、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法などと組み合わせてインタクトな状態の染色体を伸長分析できる。利用する微細加工技術は、3Dマイクロ鋳型を用いたモールディング法であり、使い捨てバイオマイクロチップとして大量作製できる。

新技術の特徴

・染色体を断片化させることなくインタクトな状態で伸長固定し、特定遺伝子の長さを定量的に測定できる。
・簡単な操作で、高分子、ファイバを簡単に伸長し、平面上に展開したり、方向を揃えて束状に並べたりできる。
・3Dマイクロ鋳型を用いることで複雑形状を有するバイオマイクロチップを大量作製できる。

想定される用途

・高速遺伝子検査
・テロメア長の定量計測
・高分子を各種操作する際のサンプルプレパレーション装置

関連情報

・サンプルあり (連携希望企業等からの要望があれば提供できる)
・デモあり
・展示品あり

  • デバイス・装置

9)タンパク質の生成結晶核数の制御を可能とする微小流路デバイス

発表資料 プレゼン動画

茨城大学  工学部 物質科学工学科  教授  田中 伊知朗

http://nsb.mat.ibaraki.ac.jp/lab/index.html

新技術の概要

過飽和のタンパク質溶液を一定の流路断面積のマイクロ流路デバイスに注入し、一定時間静置することで結晶核の生成数を予測することができ、生成した結晶核を結晶育成用のリザーバーへ移動して、少数の結晶を育成することができる装置を開発した。

従来技術・競合技術との比較

タンパク質の結晶核の生成数を制御する技術は開発されていたが、当該技術は、結晶育成条件だけでなく流路断面積の選択により結晶核生成数を制御できるほか、インキュベートしたタンパク質溶液を移動して生成した結晶核を別の結晶化条件での育成を可能としている点が特徴である。

新技術の特徴

・マイクロ流路デバイス
・結晶核生成数制御
・小数核での結晶育成

想定される用途

・中性子結晶構造解析
・X線結晶構造解析

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

茨城大学 研究・産学官連携機構(日立オフィス)
TEL:0294-38-5005 
Mail:iric アットマークml.ibaraki.ac.jp
URL:http://www.iric.ibaraki.ac.jp/

群馬大学 産学連携・知的財産活用センター
TEL:0277-30-1172~1175 
Mail:tlo アットマークml.gunma-u.ac.jp
URL:https://www.ccr.gunma-u.ac.jp/

埼玉大学 オープンイノベーションセンター
TEL:048-858-3849 
Mail:coic-sangaku アットマークml.saitama-u.ac.jp
URL:http://www.saitama-u.ac.jp/coalition/coic/access/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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