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ライフサイエンス~医療系大学~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2021年11月18日(木) 10:00~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構 、
久留米大学、札幌医科大学、産業医科大学、
福島県立医科大学、兵庫医科大学、関西医科大学、
東京医科歯科大学、福岡大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 医療・福祉

1)サルコペニア簡易診断プログラムと汎用小型診断装置

発表資料

久留米大学 医学部附属病院 メディカルセンター(循環器病センター) 准教授 佐々木 健一郎

http://www.kurume-shinzo.com/

新技術の概要

従来のサルコペニア診断法は、専用機器で測定した骨格筋量から算出した「骨格筋指数」を必要とする。本発明は、①性別・体重・下腿周囲径の3要素を用いて骨格筋指数の代用指数を算出する計算式、②その代用指数のサルコペニア診断カットオフ値、③握力・歩行速度・代用指数の入力によるサルコペニア診断プログラムと装置、の3つで構成される、骨格筋量測定機器不要の「サルコペニア簡便診断法」である。

従来技術・競合技術との比較

サルコペニアは全死亡率や心血管死亡率を高めるため早期診断が望まれる一方、従来の診断法に不可欠な骨格筋量測定用高額装置の購入や設置敷地の確保、測定時の放射線被曝等の問題が、診断検査促進の障壁となっている。本発明は、これらの問題を解決し、診療所から大規模病院、高齢者施設、一般検診会場など幅広い環境条件下において、簡便にサルコペニアの早期診断を行うことができる。

新技術の特徴

・従来の中大型で高額な骨格筋量測定機器を必要としない新規サルコペニア診断プログラム
・握力・歩行速度・性別・体重・下腿周囲径をアルゴリズムに入力するだけでサルコペニア診断が可能
・プログラム情報の修正や更新による日本人以外の人種への応用が可能

想定される用途

・小型かつ安価なサルコペニア簡易診断機器やソフト(アプリ)の開発・生産・販売
・骨格筋測定機器を持たない診療所・小中大規模病院・高齢者施設等でのサルコペニア診断
・一般検診会場でのサルコペニア診断、サルコペニア早期診断と予防の啓蒙活動促進

  • 10:30~10:55
  • 創薬

2)発がんに関わる新規長鎖非コードRNAを標的とした治療法の開発

発表資料 プレゼン動画

札幌医科大学 医学部 医学科・分子生物学講座  助教 北嶋 洋志

https://web.sapmed.ac.jp/biochem2/

新技術の概要

胃がん背景粘膜で発現が亢進する長鎖non-coding RNA (lncRNA) としてTM4SF1AS1を同定した。
胃がん細胞においても高発現し、TM4SF1AS1の阻害により胃がん細胞の増殖・遊走・浸潤能が阻害されたことから、がん遺伝子として機能するlncRNAであることが考えられた。

従来技術・競合技術との比較

現在lncRNAを標的にした臨床の応用例はまだ存在しない。そうした中で慢性炎症から胃発がんに関与し得るTM4SF1AS1の高発現性と、肝がん、乳がん、膵がん細胞株でのノックダウンによる強い細胞増殖抑制効果から、発がんリスク予測マーカーや汎用性の高い新規治療標的分子の候補としての可能性が考えられる。

新技術の特徴

・lncRNA TM4SF1AS1は、胃がんの前がん病変の段階から発現している。
・lncRNA TM4SF1AS1の発現を抑制することにより、細胞増殖抑制効果を発揮する。
・lncRNA TM4SF1AS1は、胃がんに限らず乳がん、肝がん、膵がん細胞株においても高発現し、発現を阻害することで、細胞増殖抑制効果が得られる。

想定される用途

・分子標的薬の開発
・診断マーカーの開発

  • 11:00~11:25
  • 創薬

3)がん細胞の新しい弱点を標的とした抗がん剤の開発

発表資料 プレゼン動画

産業医科大学 産業生態科学研究所 放射線衛生管理学研究室  助教 香﨑 正宙

https://www.uoeh-u.ac.jp/facilities/labo/kenko/hosyasen.html

新技術の概要

希少がんの発がんメカニズムの研究を通して、特殊ながん細胞の特徴を最近発見した。このがん細胞の特徴を利用することで、これまでと違った視点で、がん細胞の弱点が明らかになりつつある。実際にこの弱点を標的阻害すると、非常に低い薬剤の濃度でも、異なる種類のがん細胞の増殖を有意に阻害することを確認している。

従来技術・競合技術との比較

毒性や副作用の少ない抗がん剤は、残念ながら今のところ無い。発表者らが同定した抗がん剤を使うことで、がん治療後にがん細胞で活性化されやすいDNA修復経路を、極低濃度で標的阻害ができるので、安全性の高い抗がん剤の開発が可能である。また、エラーが大きいDNA修復経路を標的阻害することで、薬剤耐性を抑制することも期待できる。

新技術の特徴

・特殊なDNA修復特性を有するがん細胞株
・がん細胞の弱点を標的阻害することが可能な化合物
・上記化合物を開発するためのハイスループットスクリーニング系

想定される用途

・今までとは異なる新しいコンセプトの抗がん剤の開発
・毒性が少ないので、単剤でも併剤でも使用可能
・経口投与が可能なので侵襲性が無く、かつ、コロナ渦で通院が難しいがん患者にも投与可能

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • 創薬

4)活性化好中球を標的とした心血管疾患に対する新規治療法の開発

発表資料 プレゼン動画

福島県立医科大学 医学部 輸血・移植免疫学講座  教授 池田 和彦

https://www.fmu.ac.jp/home/yuketsu/

新技術の概要

我々は、骨髄増殖性腫瘍ドライバー変異のJAK2V617Fが肺高血圧症の7%、他の心血管疾患(心筋梗塞等)の3%の患者にもみられること、マウスでJAK2V617F+好中球が肺血管、単球が大動脈のリモデリングを促進すること、マウスの肺血管リモデリングによる肺高血圧症は、JAK2V617F+好中球に高発現するALK1(Acvrl1)阻害によりほぼ抑制できることを発見した。

従来技術・競合技術との比較

従来の肺高血圧症治療薬は対症的に肺血管を拡張させるのに対し、ALK1阻害薬は肺血管のリモデリングを改善する。JAK2阻害薬は正常のJAK-STATを抑制し骨髄抑制・免疫抑制を来すのに対し、ALK1阻害薬はJAK2V617F+成熟好中球を特異的に抑制する。骨髄増殖性腫瘍症例にしか使用できないJAK2阻害薬よりも、ALK1阻害薬は広く使用できると考えられる。

新技術の特徴

・JAK-STAT-ALK1-SMAD経路を発見し、下流で高発現するALK1を阻害して著効を得た
・ALK1発現は造血幹細胞で低く成熟・活性化した好中球で特異的に発現するため骨髄抑制がない
・JAK2V617Fまたは同様の変異により炎症シグナルが亢進する病態に広く使用できる可能性がある

想定される用途

・肺高血圧症
・動脈硬化症を背景とした血栓性疾患
・骨髄増殖性腫瘍(血栓予防、SMADも抑えるため、骨髄線維化予防・治療)

  • 13:00~13:25
  • 創薬

5)新たな新型コロナウイルス感染予防法、治療法の開発

発表資料 プレゼン動画

兵庫医科大学 医学部 病原微生物学  主任教授 石戸 聡

https://hcm-micro.jimdo.com/

新技術の概要

新型コロナウイルス感染予防に有用な細胞傷害性T細胞(CTL)と、それが認識するウイルスペプチドを同定した。CTLの誘導による長期予防効果を特徴とする新型コロナウイルスワクチンへの応用が期待できる。また、個人にて新型コロナウイルスに対する免疫力を備えているか否かを調べることが出来る。

従来技術・競合技術との比較

現在の新型コロナウイルスワクチンはSpik蛋白に対する抗体生成を目指すものであり、抗体価が比較的早く低下し易いといった課題がある。本ウイルスペプチドは、感染防御を行うCTLの分化・増殖を促すことが出来ると考えられ、より持続した免疫力を誘導できると思われる。また、本ウイルスペプチドの配列に変異の報告がほとんどないことから、様々な型のウイルスに有用なユニバーサルワクチンとして使用できる可能性がある。

新技術の特徴

・様々な新型コロナウイルスを排除するCTLを誘導できると考えられるペプチドであり、さらに、その利用により長期持続可能なワクチン効果が期待できる。
・新型コロナウイルスに対する免疫力の有無に関する検定技術への応用が期待できる。
・日本人を含む多くのアジア人へのワクチンとして利用できると期待される。

想定される用途

・新型コロナウイルスワクチンの開発
・新型コロナウイルスに対する免疫力の有無に関する検定技術
・治療を目指した新型コロナウイルスに対するCTLの培養法や、遺伝子改変T細胞療法の開発

  • 13:30~13:55
  • デバイス・装置

6)低侵襲性により移植細胞の組織親和性を高める細胞注入装置およびその作動方法

発表資料 プレゼン動画

関西医科大学  医学部 iPS・幹細胞再生医学講座  研究教授 服部 文幸

http://www3.kmu.ac.jp/ips_regen/

新技術の概要

再生不能臓器は損傷を受けると直ちに瘢痕化する。このため、治療を目的とした細胞を移植する操作による組織損傷を最小化することが重要である。本発明は、移植時の組織侵襲を最小化することにより、移植細胞とホスト臓器の親和性を向上する作用をもたらす。

従来技術・競合技術との比較

従来の細胞を注入する原理は、細胞懸濁液によって組織を引き裂き、そのスペースを利用して細胞を組織内に留置することである。本発明は、移植細胞が組織内に移ると同時に、細胞懸濁液が組織液の還流により生理的に除去されるため低侵襲であり、移植した細胞が組織と機能的に融和し協調的に機能しやすくなる。

新技術の特徴

・組織液還流速度以下でゆっくりと細胞を注入する装置
・注入時の体温でゾル化し、かつシリンジ内では細胞(隗)を押し出すために硬質ゲル状である細胞懸濁液

想定される用途

・心臓組織内への心筋細胞移植
・脊髄損傷に対する治療細胞移植
・脳室内への神経細胞移植

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 医療・福祉

7)バイオイメージング・微量検体検出のための新規蛍光プローブ技術‐POLArIS法‐について

発表資料

東京医科歯科大学  大学院医歯学総合研究科 神経機能形態学分野  教授 寺田 純雄

https://www.tmd.ac.jp/grad/nana/

新技術の概要

偏光を利用し、任意の生体関連分子の向きをモニター可能な蛍光標識法POLArIS法を開発した。対象分子との結合には、ファージディスプレイ法により得られた抗体様小分子を使用する。同法を利用した顕微鏡観察、蛍光相関分光法計測により、生体分子複合体の挙動のイメージングや微量な生体関連分子の検出が可能である。

従来技術・競合技術との比較

POLAriS法によれば、超解像顕微鏡を含む従来の蛍光顕微鏡では観察不可能な生体分子複合体の構造変化の細胞内イメージングが可能である。更に分子の向きの変化(回転拡散)を計測することにより、通常の蛍光相関分光法では検出が不可能であった分子構造変化や分子間相互作用を、極めて高感度かつ短時間で計測できる。

新技術の特徴

・任意の生体関連分子(バイオマーカーや薬物等)のイメージングや検出に応用可能
・結合能の強い抗体様小分子を使用することにより検出感度は質量分析に匹敵する
・計測時間が数分以下と短時間かつ高感度であり検出機器としてはコンパクトかつ安価

想定される用途

・微量検体検出(バイオマーカーや微量薬物等)
・薬剤スクリーニング(分子間相互作用解析等)
・リサーチ用新規顕微鏡、光学機器構築(蛍光偏光顕微鏡、偏光蛍光相関分光装置等)

  • 14:30~14:55
  • 創薬

8)シアル酸高含有Fc製剤の開発 -川崎病急性期汎血管炎類似モデルマウスにおける評価-

発表資料 プレゼン動画

福岡大学  医学部 西新病院小児科  講師 吉兼 由佳子

新技術の概要

様々な炎症性病態の治療薬となる免疫グロブリンはパパイン処理でFab領域とFc領域に切断される。パパイン処理後、SNA-レクチンアフィニティカラムを用いてシアル酸高含有Fc分画を精製し、川崎病モデルマウスに投与したところ、従来の免疫グロブリンと比較して、1/10の成分量で急性期汎血管炎に対する治療効果を発揮した。

従来技術・競合技術との比較

従来の免疫グロブリン製剤はFab領域・Fc領域両者を含み、本技術で精製される製剤に比較して総投与量が多くなるため、非効率的な製剤である。また、競合技術のTetra-Fc-sialylated IVIG (Washburn et al.)と組替えsialylated IgG1 Fc(Anthony et al.)はシアル酸を人工的に付加するため、製造工程が複雑である。本技術ではシアル酸付与Fc断片を吸着する比較的簡便な手法で、さらにゲルろ過して純度を高めている。

新技術の特徴

・nativeなヒト血漿IgG由来の製剤である
・シアル酸高含有Fc断片をSNA-レクチンアフィニティカラムを用いて吸着し、精製している
・川崎病モデルマウスで、従来技術の免疫グロブリン製剤に比し、1/10の成分量で有効である

想定される用途

・川崎病など難治性血管炎
・特発性血小板減少性紫斑病など自己免疫疾患

関連情報

サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 創薬

9)炎症性腸疾患に対する経口治療剤の開発

発表資料

福島県立医科大学 医学部 消化器内科学講座 助教 鬼澤 道夫

https://www.intmed2.fmu.ac.jp/index.html

新技術の概要

炎症性腸疾患の治療法は、分子標的薬の登場により大きく進歩したが、治療抵抗例が問題となり、新規治療法が切望されている。発表者らは、炎症性腸疾患マウスモデルに対し、発症予防及び治療効果を有する新規経口治療法を見出した。

従来技術・競合技術との比較

【新規性】既存の炎症性腸疾患治療薬とは異なる、新しいカテゴリーの治療剤。               
【有効性】炎症性腸疾患マウスモデルに対し劇的な予防・治療効果を有する。               
【安全性】他疾患に対し臨床試験が複数施行され、その高い忍容性が示されている。

新技術の特徴

・既存の治療薬に併用投与できる可能性が高い。
・経口剤である。

想定される用途

・クローン病に対する寛解導入及び維持療法
・潰瘍性大腸炎に対する寛解導入及び維持療法

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連携・ライセンスについて

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久留米大学 研究推進戦略センター
TEL:0942-31-7916 
Mail:senryaku アットマークkurume-u.ac.jp
URL:https://www.kurume-u.ac.jp/site/joint/

札幌医科大学 附属産学・地域連携センター
TEL:011-611-2111(内線:21590)
Mail:chizai アットマークsapmed.ac.jp
URL:http://web.sapmed.ac.jp/ccci/

産業医科大学 研究支援課 産学連携係
TEL:093-280-0532
Mail:chizai アットマークmbox.pub.uoeh-u.ac.jp
URL:https://www.uoeh-u.ac.jp/industryCo.html

福島県立医科大学 医療研究推進課
TEL:024-547-1791
Mail:liaison アットマークfmu.ac.jp
URL:https://www.fmu.ac.jp/

兵庫医科大学 学務部 研究協力課
TEL:0798-45-6488
Mail:chizai アットマークhyo-med.ac.jp
URL:https://www.hyo-med.ac.jp/research_facilities/intellectual_property.html

関西医科大学 研究部研究課産学知財統括係
TEL:072-804-2328
Mail:sangaku アットマークhirakata.kmu.ac.jp
URL:http://www.kmu.ac.jp/

東京医科歯科大学 オープンイノベーション機構
TEL:03-5803-4736
Mail:openinnovation.tlo アットマークtmd.ac.jp
URL:https://tmdu-oi.jp/

福岡大学 産学官連携センター
TEL:092-871-6631
Mail:sanchi アットマークadm.fukuka-u.ac.jp
URL:http://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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