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岩手大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2021年07月08日(木) 09:55~11:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、岩手大学<

発表内容詳細

  • 製造技術

1)分子接合法(i-SB法)によるガラス基板、シリコンウェハへの高速伝送対応ダイレクトパターンめっき

発表資料 プレゼン動画

岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 准教授 桑 静

http://www.chem.iwate-u.ac.jp/labo_web/inorg_material/index.html

新技術の概要

光反応性分子接合剤をガラス基板あるいはシリコンウェハに付着させ、紫外光を走査またはマスキングにより部分的に照射することにより基板と化学結合させたのち、未照射の分子接合剤を洗い流すことにより、エッチングすることなく、紫外光を照射した部分のみに平滑で高剥離強度の無電解めっき(配線)ができる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、フッ酸等でエッチングしガラス表面に微細な凹凸を形成したのち、無電解めっきを行っている。この手法では、5G等の高速伝送用途には向かない。また、配線を形成する場合にはレジスト剤等でパターン形成する必要がある。

新技術の特徴

・分子接合剤を用いるエッチングレスの平滑めっき
・紫外線走査による直接パターニングめっき(レジスト材不要)
・化学結合による高剥離強度めっき

想定される用途

・5G用アンテナ、回路基板
・シリコンインターポーザ、ガラスインターポーザ等半導体後工程への応用
・センサー、電極

  • 製造技術

2)分子接合法(i-SB法)によるプラスチック成形品への三次元配線形成技術

発表資料 プレゼン動画

岩手大学 研究支援・産学連携センター  客員教授 鈴木 一孝

新技術の概要

光反応性分子接合剤を用いて、プラスチック成形品にエッチングレスで高速伝送対応可能な無電解めっき配線を形成する。成形品に分子接合剤を付着させ、紫外光を走査して成形品と化学結合させたのち、未照射の分子接合剤を洗い流すことにより、紫外光照射部のみに平滑で高剥離強度の無電解めっき(微細配線)を形成。

従来技術・競合技術との比較

金属触媒を混錬した樹脂成形品にレーザーでパターニングを行い無電解めっきで配線を形成する技術や、樹脂成形品全面にスパッタや無電解めっきを施したのちレーザーで非回路部分を切り分け電気めっき後にエッチングして非回路部分の金属成分を除去する技術がある。前者は、高速伝送に使えず後者は工程が煩雑である。

新技術の特徴

・分子接合剤で有機材料(プラスチック)と金属(めっき)を結合できる
・紫外光で描画(パターニング)できる
・透明プラスチックにも適用できる

想定される用途

・車載部品
・医療・ヘルスケア部品
・スマートフォン・モバイル部品

  • 材料

3)分子接合法(i-SB法)によるフレキシブル基板への高速伝送対応めっき形成技術

発表資料

岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 教授 平原 英俊

http://www.chem.iwate-u.ac.jp/labo_web/inorg_material/index.html

新技術の概要

ポリイミド等のフレキシブル樹脂基板において、樹脂層と導電層との間にシランカップリング剤のバリア層と分子接合剤層を形成することによって、導電層からの銅の拡散による基板樹脂との密着力低下を防ぐとともに、高速伝送対応の平滑めっきが低コストでできる技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来の平滑めっきは、高温環境下で配線から銅が拡散し樹脂と配線の間で結合の弱い層ができることから、密着強度の低下が問題であった。また、これを防止するためにさらにニッケルやモリブデンをめっきする方法もあるがコストが高くなる問題があった。開発技術は、これらの問題を解決できる

新技術の特徴

・コストの安いシランカップリング剤で銅拡散バリア層を形成する
・低コストで平滑めっきができる
・耐熱性に優れる

想定される用途

・5G用フレキシブル基板、高速伝送対応基板
・成形回路基板
・金属/樹脂接合体

  • 材料

4)高周波基板に向けた低誘電特性を有するフッ素系およびトリアジン系熱可塑性耐熱樹脂の開発

発表資料 プレゼン動画

岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 教授 大石 好行

http://www.chem.iwate-u.ac.jp/labo/organic/fine-plymr-chem.html

新技術の概要

パーフルオロアルカンとトリアジン環が耐熱性および低誘電特性に優れていることに着目して、誘電率2.3~2.5(10GHz)、誘電正接0.002~0.003(10GHz)、ガラス転移温度200~270℃、熱分解温度340~520℃および可溶性を有する低伝送損失対応のフッ素系およびトリアジン系熱可塑性樹脂を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の低誘電熱可塑性樹脂であるポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンエーテルおよび液晶性ポリエステルなどは溶融温度や溶融粘度が高く不溶性であり、成形加工性に劣っている。開発したフッ素系およびトリアジン系樹脂は、低誘電特性、耐熱性および成形加工性に優れており、低誘電損失樹脂として有用である。

新技術の特徴

・フッ素化アルキレン構造や1,3,5-トリアジン環を有しており、低誘電特性、耐熱性、接着性に優れている。
・可溶性で熱分解温度が高いために、成形加工性に優れている。
・無色透明なフィルムの作製が可能であり、光透過性に優れている。

想定される用途

・半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料
・フレキシブルプリント基板用の絶縁材料および接着シート
・リジッドプリント基板用のプリプレグおよびプライマー

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

岩手大学 研究支援・産学連携センター
地域イノベーション・エコシステム形成事業事務局
TEL:019-621-6854 FAX:019-621-6892
Mail:iwateecoアットマークiwate-u.ac.jp

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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