神戸大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年10月14日(木) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、神戸大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 材料
神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 西野 孝
新技術の概要
接着組成物の透明性等の外観と高い接着力を保持したまま、接着物へのマイクロ波照射による接着物の解体を実現できる、「接着成分とイオン液体とを含有するマイクロ波解体性接着組成物」、並びに、「当該接着組成物を利用しマイクロ波を照射することでできる解体方法」である。
従来技術・競合技術との比較
従来の接着剤は、異種材料を簡単に接着できるが、接着した材料を分離してリサイクルすることが困難である。しかし、本技術は、一度マイクロ波解体性接着技術を用いて接着した材料にマイクロ波を照射することで、
簡単に解体できる解体性接着技術である。その為、製品のリユースや、材料のリサイクル等が可能となる。
新技術の特徴
・製品の部品分解・リサイクルを実現するマイクロ波解体性接着技術
・マイクロ波照射による解体方法
・製品の外観を損なわず、接着力を維持したマイクロ波解体性接着技術
想定される用途
・接着する部品や材料が限定されず、セラミック・樹脂・木材などに幅広く適用が可能
・リサイクルが求められている自動車分野、電子部品分野、建築分野への適用が可能
・製品付加価値の向上といった新たな用途への発展の可能性あり
- 14:00~14:25
- 情報
神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科 科学技術イノベーション専攻 教授 川口 博
新技術の概要
データ並列ディープラーニングにおける短期事前学習による適応的学習係数調節手法を提案する。本手法は複数の学習係数を用いた短時間の事前学習だけで未知のネットワーク構造に適した学習係数を適応的に選択し、学習係数の決定を人の介在なく行うことができる。
従来技術・競合技術との比較
学習係数がその最終精度に与える影響は大きく、従来では実験的・経験的に学習係数を決定している。つまりハイパーパラメータの決定のために複数回の学習を繰り返し試行する必要があるが、提案手法はこれを廃した。従来手法と比較して87.5%の演算時間を削減し、学習係数を固定した手法と比較して4.8%の精度向上を達成した。
新技術の特徴
・ディープラーニング高性能化
・ディープラーニング学習時間削減
・人手に頼らないハイパーパラメータ選定
想定される用途
・ディープラーニングアプリケーション
・機械学習用サーバ
- 14:30~14:55
- デバイス・装置
3)小型で高速検出が可能なテラヘルツ分光装置
発表資料神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学科・電子物理 准教授 小島 磨
新技術の概要
差周波混合と呼ばれる物理過程を利用してテラヘルツ波を発生させるには、二つの光を適切に重ね合わせることが必要であるが、これを完璧にすることは目視では難しい。そこで、光ファイバーを利用することで二つの光を効率よく重ね合わせることに成功し、さらに分光装置としての小型化を実現した。
従来技術・競合技術との比較
テラヘルツ波は大気中の有毒ガスの検出などに応用できると考えられているが、これまでの装置は高額なレーザーを使用するものが多く、普及が困難であった。本技術では、2つの市販の半導体レーザーを使うことで、単一周波数のテラヘルツ波を様々な周波数で発生させることを可能にするものであり、小型化によって使用用途を大きく広げることができる。
新技術の特徴
・ポータブル
・ユーザーフレンドリー
想定される用途
・有毒ガス・ウィルス検出
・テラヘルツ通信
- 15:00~15:25
- エネルギー
4)樹状分子の空間対称性を活用した熱電変換分子の創出
発表資料神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 石田 謙司
新技術の概要
高い熱電変換機能を発現させる材料開発として、Mott式に基づく電子状態密度のエネルギー勾配の向上に取り組んだ。樹状分子「デンドリマー」の空間対称性を積極的に制御し、チオフェンデンドリマーの軌道縮退性を高め、高ゼーベック係数を実現した。
従来技術・競合技術との比較
広く熱電変換分子として用いられる有機半導体材料は直鎖状分子が大半を占めているが、本技術では基本式に立ち返り、高ゼーベック係数を実現するための理論を化学構造に反映させた。
新技術の特徴
・デンドリマー分子(樹状分子)
・化学構造による電子状態密度(DOS)の制御
想定される用途
・熱電変換材料
・有機半導体材料
- 15:30~15:55
- 医療・福祉
神戸大学 バイオシグナル総合研究センター シグナル分子応答研究部門 環境物質応答研究分野 教授 今石 浩正
新技術の概要
神経変性疾患やがんといった幅広い炎症性疾患に対し、患者血清と薬物代謝酵素であるP450との蛍光競合反応を行うことで患者を識別可能とするリキッドバイオプシー技術を提供する
従来技術・競合技術との比較
本発明は、オミックス解析を基盤技術として用いる従来の診断技術と比較し、血清とP450酵素および蛍光性酵素基質を混合することで診断が行えることから、1)安価、2)短時間測定(1時間)、3)生体成分の前処理が不要等の利点を有する。
新技術の特徴
・がん、パーキンソン病などの、安価かつ精度の高い測定技術を提供する。
・診断時の実測定は、1)血清のみで前処理不要、2)短時間測定(1時間)かつ、3)安価である.
想定される用途
・がん、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎等のバイオマーカー
・創薬現場にて用いられている実験動物の疾患状態の評価用バイオマーカー
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
神戸大学 研究推進部 連携推進課 知財グループ
TEL:078-803-5428
Mail:ksui-keiyaku office.kobe-u.ac.jp
URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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