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ものづくり技術 新技術説明会 ~首都圏テクノナレッジ・フリーウェイ~【オンライン開催】

日時:2021年11月25日(木) 10:00~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
栃木県産業技術センター、
埼玉県産業技術総合センター、
山梨県産業技術センター、
茨城県産業技術イノベーションセンター、
神奈川県立産業技術総合研究所、
長野県工業技術総合センター、
東京都立産業技術研究センター

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)可視~近赤外光を発光する六角板状ゼオライト蛍光体

発表資料

栃木県産業技術センター 県南技術支援センター センター長 松本 泰治

http://www.iri.pref.tochigi.lg.jp/

新技術の概要

六角板状形態を有するゼオライトを母結晶として、イオン交換法により希土類元素を導入することで、板状蛍光体の作製に成功した。この蛍光体は導入する希土類元素の種類を変えることで、可視光から近赤外光の間の様々な波長の発光色を得ることができる。また、板状形態のため励起光の隠蔽性や塗布性に優れる特徴がある。

従来技術・競合技術との比較

従来の蛍光体は粉砕すると発光強度が減少するが、本技術はゼオライト合成段階において粒子径制御が可能であり、発光強度の減少なしに蛍光体の粒子径制御が可能である。
従来の蛍光体は、発光色毎に母結晶が異なるため、塗料・インクや樹脂への混練方法を発光色毎に検討する必要があるが、本技術は1種類のゼオライトを母結晶として多色発光が出来る。

新技術の特徴

・同一母結晶で多色発光が可能であり、樹脂等への混練方法の開発が容易
・板状形態のため、励起光の隠蔽性・塗布性に優れる
・発光強度の減少なしに微粒子化が可能

想定される用途

・セキュリティ印刷用顔料
・太陽電池用波長変換材料
・白色LED用蛍光体

関連情報

サンプルあり

  • 10:30~10:55
  • 製造技術

2)毒劇物を用いない熱硬化性樹脂CFRPへのめっき方法

発表資料 プレゼン動画

埼玉県産業技術総合センター 材料技術・事業化支援室 化学技術担当  主任研究員 熊谷 知哉

https://www.pref.saitama.lg.jp/saitec/

新技術の概要

エポキシCFRPに対し、オゾン処理によるクラック形成、電気ニッケルめっきによるクラック内導電剤埋め戻し、電解エッチングによる粗面化の前処理を施すことにより、セロハンテープ引き剥がし試験に耐え得る強さのニッケルめっき膜を形成することを可能にした。

従来技術・競合技術との比較

対金属表面と同様の方法で樹脂表面にめっきを施しても十分な強度を得にくい。そのため比表面積や極性を大きくするための前処理が行われるが、クロム酸や過マンガン酸などの劇物が用いられ環境負荷が高い。新技術では、かかる毒劇物を用いることなくニッケルめっき前処理の効果を得ることができる。

新技術の特徴

・熱硬化性樹脂をマトリクスとしたCFRPへのめっき前処理として有効である。
・毒劇物を用いない。

想定される用途

・導電性が要求される屋外構造物
・耐摩耗性が要求される搬送ロール・ガイドロール
・質量分析装置内壁

関連情報

・展示品あり

  • 11:00~11:25
  • 製造技術

3)超高周波加熱による小径部品の高精度・極浅焼入れ技術

発表資料 プレゼン動画

山梨県産業技術センター 甲府技術支援センター 材料・燃料電池技術部 主幹研究員・部長 八代 浩二

https://www.pref.yamanashi.jp/yitc/

新技術の概要

超高周波(2MHz)で発振する誘導加熱装置を用い、小径の鋼材部品表面を短時間で極浅く加熱して急冷することにより、少ない熱変形で薄い硬化層を形成させる「高周波熱処理技術」。硬化層形成により摩耗性や疲労強度向上が実現。発振にはトランジスタを使用するため小型・低ノイズであり、他の機器への影響が少ないのでインライン化が容易。

従来技術・競合技術との比較

一般的な高周波熱処理設備は発振周波数が高くないため、小径の被処理物を熱処理すると中心まで硬化してしまう。中心まで硬化すると大きな変形が発生して部品の要求精度を満たせなくなる。また、周波数の高い発振器は大型で大きなノイズ発生をすることが多いため、他の生産設備との組み合わせが困難である。

新技術の特徴

・小型部品の短時間で高精度な表面硬化処理
・小型・低ノイズ・低価格な設備
・容易にインライン化可能

想定される用途

・ネジ
・シャフト
・エンジンバルブ

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • エネルギー

4)未利用熱エネルギーを有効活用する柔軟な自立型電源

発表資料 プレゼン動画

茨城県産業技術イノベーションセンター 技術支援部 フード・ケミカルグループ  主任 安藤 亮

http://www.itic.pref.ibaraki.jp/

新技術の概要

磁性体単独あるいは磁性体に熱電材料を組み合わせた熱電変換素子において、温度差方向の長さに対してネルンスト起電力が生じる方向の長さを大きくすることで熱電変換効率を改善する。また、熱電素子サイズを可変できるフレキシビリティを備える。さらに、磁性体を組み合わせることで非磁性体のネルンスト効果を利用できるため、材料選択の自由度が大きく向上する。

従来技術・競合技術との比較

従来型の熱電素子において、熱電効果によって生じる電圧を向上させるためには、高価な材料や大きな熱源が必要であった。本技術は、熱電素子の形状効果を利用することで、安価な材料、あるいは、小さな温度差でも電圧を向上させることが可能である。

新技術の特徴

・設置場所選択の自由度が高い
・メンテナンスフリー
・熱電素子の形状効果による電圧増強

想定される用途

・IoTセンサネットワーク用電源
・環境モニタリングセンサ用電源

関連情報

・サンプルあり

  • 13:00~13:25
  • 材料

5)鹿児島県産シラスを活用した軽石状ゼオライト複合体

発表資料 プレゼン動画

神奈川県立産業技術総合研究所 機械・材料技術部 主任研究員 小野 洋介

https://www.kistec.jp/

新技術の概要

軽石状の火山噴出物シラスを液相で反応させて作製したゼオライト複合体に関する技術。この複合体は、軽石のマクロ孔とゼオライトのマイクロ孔を併せ持つ。工業的に有用なCHA型ゼオライトやFAU型ゼオライトと複合化されており、50 m2/g以上の比表面積(最高で439 m2/g)を有する。

従来技術・競合技術との比較

軽石状シラスの物理構造を部分的に残したまま複合化しており、水に浮く特徴を示す点にオリジナリティがある。また、有機構造規定剤や種結晶を添加することなく、シラスと水酸化ナトリウム水溶液のみからCHA型ゼオライト複合体が得られるメリットがある。

新技術の特徴

・CHA型とFAU型、高機能種ゼオライトの作り分けが可能
・シラスとゼオライトが一体構造を形成しつつ高比表面積(~439 m2/g)を有する
・シラスと水酸化ナトリウム水溶液のみを用いた100℃以下の低温プロセスで作製可能

想定される用途

・水に浮き交換作業が容易な吸着材として、水槽等の水質維持
・遠隔操作ロボットでも取扱いしやすい吸着材として、原発等での放射性物質除染
・光触媒と組み合わせて水面に浮かんで光分解、アオコや赤潮対策

  • 13:30~13:55
  • デバイス・装置

6)超低消費電力メモリにつながるマルチフェロイック材料

発表資料 プレゼン動画

神奈川県立産業技術総合研究所 次世代機能性酸化物材料プロジェクト 非常勤研究員 重松 圭

https://www.kistec.jp/r_and_d/project_res/labo_intro/post1558574846/

新技術の概要

室温で強磁性および強誘電性を併せ持つマルチフェロイック材料を開発した。この材料では、室温で電場を印加することにより磁化反転させることによって、情報の書き込み・読み取りを行うことが可能であり、磁気メモリとして消費電力の大幅な低下が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来のマルチフェロイック材料は-200℃以下の低温でしか強磁性・強誘電性の両方を示さないため、磁気メモリ素子として実用化するのは困難であった。この発明技術は、室温で電場による情報の書き込み、および磁気情報の読み出しが可能である。

新技術の特徴

・室温で強磁性および強誘電性を併せ持つ新しい不揮発性メモリ材料の開発
・電場の印加によって材料の磁化が反転する現象を利用
・消費電力の少ない情報の書き込み・読み出し過程を利用可能

想定される用途

・超低消費電力磁気メモリ

  • 14:00~14:25
  • アグリ・バイオ

7)ジアセチルを低減したナチュラルチーズの製造方法

発表資料

長野県工業技術総合センター 食品技術部門 加工食品部 研究員 水谷 智洋

https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/shokuhin/

新技術の概要

ジアセチルは、チーズの主要な香りとして知られているが、苦手な人も存在する。そこで、味噌から単離した乳酸菌をアジャンクトスターターとして添加することで、ジアセチルの生成を抑制した。

従来技術・競合技術との比較

ジアセチルを増強する技術はあるが、低減させる技術は開発されていなかった。この技術によって、香りが穏やかなチーズを製造することができる。

新技術の特徴

・ジアセチルを低減した穏やかな香りのチーズ製造が可能

想定される用途

・ゴーダタイプのナチュラルチーズ製造

  • 14:30~14:55
  • アグリ・バイオ

8)水蒸気加熱処理を用いた乾燥食品の製造方法

発表資料

長野県工業技術総合センター 食品技術部門 加工食品部  研究員 山崎 慎也

https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/shokuhin/index.html

新技術の概要

100℃以上の高温水蒸気を用いた加熱処理を施したのち、40~60℃の低温で乾燥することで、生の色調や風味の低減を抑えた乾燥食品の製造を可能とする技術である。ブドウやミニトマトといった、果皮の透湿性が低く低温での乾燥が困難な果実・野菜類の乾燥に効果的。

従来技術・競合技術との比較

ブドウやミニトマトといった果実・野菜類はワックスに覆われた厚い果皮を持つため、乾燥加工の際には80℃程度の高温乾燥や、熱アルカリでの前処理等が必要であり、色調や風味が著しく劣化しまう。本技術を用いることで50℃前後の低温乾燥が行え、生の色調や風味を保持した乾燥食品の製造が可能である。

新技術の特徴

・従来方法に比べて、低温での食品乾燥が可能となる
・生の色調や風味が保持されやすくなり、また乾燥速度も向上する
・特殊な添加物等を用いないため、食品のイメージを損ねることがない

想定される用途

・緑色を保持したシャインマスカットのレーズン
・低温乾燥により風味の良いミニトマトの乾燥品
・リンゴ、ナシ等の乾燥中における褐変の抑制

関連情報

・サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 製造技術

9)腐食過程の可視化装置の開発と活用

発表資料

東京都立産業技術研究センター  マテリアル応用技術部 プロセス技術グループ  副主任研究員 石田 祐也

https://www.iri-tokyo.jp/site/process/

新技術の概要

金属の耐腐食(さび)性能試験は、噴霧状の塩水で腐食の発生を促進させて行われる。しかし、この試験法はその噴霧のために、腐食がいつ、どこから発生し、どのように進むのか見えない問題点がある。本技術では水浸漬により噴霧を除去し、腐食過程の可視化撮影を実現し、画像解析も併せて行い腐食進展を定量化するものである。

従来技術・競合技術との比較

従来の塩水噴霧試験と同じ試験をできる上に、過去の試験機では見られなかった
①さび等の腐食がいつ、どこから発生したのかを特定し、試験体の弱点がわかる。
②さび等の腐食が広がっていく過程を指定したタイミングで自動撮影できる。
③目視評価されることの多いさびの程度を画像解析により定量化し、データ蓄積や今後の腐食予測につなげられる。

新技術の特徴

・長寿命化するインフラ等に用いる金属材料の評価を時間短縮して実施できる
・塗装等の表面処理技術の耐腐食性評価を定量的に評価できる
・検査者の負担となっていた定期観察を、より高精度で自動化できる。

想定される用途

・インフラ部材や建築部材の寿命予測
・海洋・船舶分野における材料性能評価
・検査部門や公設試などの試験機関における腐食試験の省力高精度化

関連情報

・デモあり

  • 15:30~15:55
  • 製造技術

10)CFRPとアルミニウムの接合強化に向けたコーティング剤

発表資料

東京都立産業技術研究センター 事業化支援本部 地域技術支援部 城東支所 主任研究員 小野澤 明良

https://www.iri-tokyo.jp/

新技術の概要

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とアルミニウムの接合強化を目的とし、アルミナなどの無機フィラーを分散させたコンポジットコーティング剤を開発した。引張せん断強度を評価したところ、コーティングしたCFRPでは、しないものと比べ、初期付着性が20%、長耐久試験後付着性が330%向上することを確認した。

従来技術・競合技術との比較

接合強化のための従来技術として、金属表面に均一な凹凸を作製するための薬品処理や、CFRPと異種材料との間に粘着フィルムで接合する方法がある。薬品処理は環境負荷が大きく、粘着フィルムは新規の専用設備が必要である。本技術はコーティング処理方法であり、環境負荷は小さく、既存設備を用いて処理が可能である。

新技術の特徴

・CFRP/アルミニウムの接合強度向上に向けた接着が可能
・一般的に市販されている2液型エポキシ樹脂系接着剤を用いても接着強度の向上が可能

想定される用途

・自動車などの高強度・軽量材料開発
・ドローンの骨格など玩具製品
・イヤホンなどの電化製品

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

栃木県産業技術センター 技術交流部
TEL:028-670-3391 
Mail:sangise-sougou アットマークpref.tochigi.lg.jp
URL:https://iri.pref.tochigi.lg.jp/

埼玉県産業技術総合センター 企画・総務室 企画担当
TEL:048-265-1368  
Mail:sien アットマークsaitec.pref.saitama.jp
URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/saitec/

山梨県産業技術センター 企画連携推進部 総合相談・連携推進科
TEL:055-243-6111  
Mail:yitc-cap アットマークpref.yamanashi.lg.jp
URL:https://www.pref.yamanashi.jp/yitc/

茨城県産業技術イノベーションセンター イノベーション戦略部 産業連携グループ
TEL:029-293-7213  
Mail:renkei2@itic.pref.ibaraki.jp アットマークitic.pref.ibaraki.jp
URL:http://www.itic.pref.ibaraki.jp/

神奈川県立産業技術総合研究所 企画部 知財戦略課
TEL:044-819-2035  
Mail:chizai アットマークkistec.jp
URL:https://www.kistec.jp/

長野県工業技術総合センター 技術連携部門
TEL:026-268-0602  
Mail:gijuren アットマークpref.nagano.lg.jp
URL:https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/

東京都立産業技術研究センター 企画部 経営企画室 産業交流係
TEL:03-5530-2134  
Mail:sangakuko アットマークiri-tokyo.jp
URL:https://www.iri-tokyo.jp/

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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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