情報通信研究機構 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年10月14日(木) 10:00~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、情報通信研究機構
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 計測
1)生体深部のリアルタイム観察に適した蛍光顕微鏡
発表資料情報通信研究機構 未来ICT研究所 バイオICT研究室 主任研究員 松田 厚志
新技術の概要
脳などの生体深部を観察するための蛍光顕微鏡では、生物試料が厚みを持つため光学収差により分解能が低下します。今回の技術は、通常の蛍光顕微鏡の3次元画像に対する演算処理のみで深部分解能を改善します。生体毒性となる過度の光照射を不要とし、安価・高速・簡単に分解能が向上できます。
従来技術・競合技術との比較
光学収差補正のために補償光学が応用されてきましたが、多量の光を要する波面計測では生体毒性が高く、また高額で調整困難な可変形鏡を用いた光学補正では、複数回の露光が必要となり、速い生命現象に追随するスピードが得られませんでした。同レベルの補正を演算処理で行う本技術はこれらの課題を解決できます。
新技術の特徴
・演算処理のみによる蛍光顕微鏡画像の深さ方向の分解能補正。
・補正時に多量の光照射が不要であり生体毒性が低い。
・演算処理のみのため高速撮影が可能。
想定される用途
・深さ方向に厚みを持つ生体試料をリアルタイムで観察したい場合の蛍光顕微鏡全般。
・例1:脳などの生体深部の細胞観察。
・例2:薬物投与時の細胞の挙動観察。
- 10:30~10:55
- デバイス・装置
2)Beyond 5G無線通信に向けた有機電気光学ポリマーデバイス技術
発表資料情報通信研究機構 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター ナノ機能集積ICT研究室 主任研究員 梶 貴博
新技術の概要
有機電気光学(EO)ポリマーは、高効率かつ数百GHz以上の超高速光変調を可能にすることから、Beyond 5G時代の光ファイバー無線における無線‐光信号変換や電界センシング、広帯域テラヘルツ波(0.1~10 THz)発生・検出等への応用が期待できます。開発技術により、テラヘルツ波の損失を大幅に抑制したデバイス開発が可能になりました。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、デバイス作製においてEOポリマー導波路部分に電圧を印加するため導電性のクラッドが必要でしたが、導電性のクラッドによるテラヘルツ波の吸収損失が課題となっていました。開発技術では、予めポーリングを行ったEOポリマー膜を転写することでテラヘルツ波の吸収損失が小さな材料基板を用いたデバイス作製が可能になりました。
【新技術の特徴】
新技術の特徴
・高効率・広帯域テラヘルツデバイスの作製
・導波路デバイスの作製
・テラヘルツ波低吸収損失基板の使用
想定される用途
・無線-光信号変換
・電界センシング
・広帯域テラヘルツ波発生・検出
- 11:00~11:25
- 通信
3)安全・安心なグローバルネットワークに向けた物理レイヤ暗号
発表資料情報通信研究機構 量子ICT協創センター 研究マネージャー 遠藤 寛之
新技術の概要
物理レイヤ暗号は指向性が高いという光通信の性質を活用し、さらに盗聴者の能力を予測することにより、量子暗号に次ぐ安全性を担保しつつ、高速・遠距離な暗号通信が実現できます。今回の技術はドローンや航空機への搭載が容易な、大気ゆらぎなどの擾乱に強い物理レイヤ暗号を実現します。
従来技術・競合技術との比較
量子暗号は究極の安全性を保証する通信技術ですが、現状ではまだ通信速度と距離に課題があります。物理レイヤ暗号は盗聴者の能力を予測することにより、量子暗号に次ぐ安全性を担保しつつ上記課題を解決し、現状量子暗号のみでは困難である、例えば静止軌道衛星と地上間の暗号通信を実現できます。
新技術の特徴
・大気ゆらぎなどの擾乱の影響を緩和する鍵生成方法。
・高速・遠距離な暗号通信。
・ドローンや航空機による暗号通信。
想定される用途
・高い安全性と高速・遠距離の両条件を満たす必要のある各種暗号通信。
・例1:静止軌道衛星と地上間の暗号通信。
・例2:航空機やドローン間の暗号通信。
- 11:30~11:55
- 情報
4)ニューノーマル社会における共同体験プラットフォーム技術
発表資料情報通信研究機構 ソーシャルイノベーションユニット 戦略的プログラムオフィス 地域連携・産学連携推進室 イノベーションプロデューサー 今井 弘二
新技術の概要
バーチャル空間内の様々なシーンを複数人で一緒に体験することができます。360度の実映像や3Dスキャンデータを共有したり、シーンが変わってもユーザの途切れない繋がりを実現したりすることができるため、これまでにない臨場感ある実映像空間内でユーザ同士の新たな体験が期待されます。
従来技術・競合技術との比較
従来技術のようにローカルで一人もしくは複数人で360度の実映像を視聴するだけでなく、遠隔からでも同じ映像空間内に入ってインタラクティブなコミュニケーションをとることができます。特殊な機材を必要とせず、タブレット、スマートフォン、PC、HMDに対応しているので、スタンドアロン型やオンライン型の柔軟な利用形態を提供できます。
新技術の特徴
・バーチャル空間内で共同体験ができます。
・360度映像や3Dデータを扱えるため、臨場感や現実感ある空間を再現できます。
・さまざまな利用形態に柔軟に対応できま
想定される用途
・学習や旅行などのバーチャル体験
・作品・商品・製品などのオンライン紹介
・バーチャル演劇などのオンライン興行
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
情報通信研究機構 イノベーション推進部門 知財活用推進室
TEL:042-327-6950
Mail:ippoml.nict.go.jp
URL:http://www.nict.go.jp/
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